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勇者の弟12歳  作者: 山吹向日葵
第七章
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白亜の塔 5

 五階扉の前。


 ピリピリとした殺気が扉の前の僕らを襲い、只者ではない存在が扉の向こうに居るのがわかる。 


 突然レンが「私にやらせてください」と先頭に立った。


 かつて敵だった青年は真摯な顔で僕を見た。


 レンは女神のおかげで魔族だったかつての面影は欠片もなく、口数は少ないが真摯的な好青年になっている。


 ただならぬ気迫に僕が頷くと、


「ありがとうございます」


 レンは扉を開け中に入る。 


 瞬間、殺気がレンに向かい巨大な刃となってレンを一刀両断にするイメージが頭に浮かんだ。


 レンはフッと笑うと、


 闘気で爪を交差させ、その刃を受け止めた。いや、実際は普通に立っているだけなのだが、そのイメージが頭に浮かんだのだ。


「ほう。さすがにここまで登って来ただけのことはある」


 老人だ。ぼさぼさの白髪頭だ。腰には剣を二本差して、そして日本で言う剣道着そっくりな紺色の服を纏っている。


「どこぞやの剣神とお見受けする。私の名前はレン。西方拳学連盟が“拳神”レン。一対一の死合いを所望する」 


「なるほどな。我は東方“剣神”一無斎。いいだろう。その死合い受けた」


 レンは頷くと、オリハルコンの爪を構える。


 老人は居合に構えた。


 二人の薄青い闘気が天へと立ち昇る。


 先に動いたのはレンだ。


 力強くパワーワードを叫ぶと一無斎に凄まじい速さで正面から突撃する。 


“竜王疾風撃”!!(ドラゴンタイフーン)


 甲高い音とともにレンと一無斎の武器が火花を散らす。


 レンが突進力のある技を出した分、一無斎は防御に回らざるを得ない。  


 いつの間に抜いたのか、一無斎は左手に脇差を構え二刀流になり、レンの攻撃をさばいている。


 レンの攻撃は休むことを知らず、一無斎を細切れにするべく攻撃を続けていく。


“竜王爪連撃”!!ドラゴンマシンガンフィスト


 さらに爪での連撃だ。


 しかし一無斎はなんとか全部さばききっている。


 次の瞬間、一無斎がぼそりと言い放った。


“剣戟結界”(ソードシールド)


 レンの攻撃が左手の脇差だけで捌かれていく。


 左手で攻撃をさばきながらも、右手に持った剣を鞘に戻し、居合の構えを取る。 


 レンが気づいた時にはもう遅い。


 バックステップで攻撃を避けようとしたのだが、一無斎も一歩踏み込むことで離れるのを阻む。


 さらに一歩踏み込み闘気を限界まで込めた居合をレンに向かって解き放つ。


 胸元で真一文字に攻撃を食らったレンは、鎧の胸部分を真横に凹まし、壁まで吹き飛ばされ壁に盛大な穴をあけた。



「勝負ありそこまで!」



 アンリがレンへと近づき回復魔法を掛ける。


 いつの間に抜いたのか、姉さまが両手に剣を構え一無斎を止める。


 一無斎はつまらなさそうに、


「一応死合いなのだがな。まあ、姉ちゃんが相手してくれるなら終わりでもいい」


 アンフィは答えた。


「ええ、続きは私がやるわ」


「私は西方の“勇者”アンフィ=ドヴェルグ。伊達に勇者を名乗ってないという所を見せてあげるわ」


 一無斎が値踏みするようにアンフェを上から下まで眺める。


 そしてにやりとし、


「ほう、勇者か。勇者とやるのは初めてだ。これは楽しくなってきた」 


 不敵に笑った。






四階の敵がリッチ30体だったので、五階は部屋全部がリッチでぎゅうぎゅう詰めになってるのはどうだろうと考えて、

扉を開けたらリッチが詰まってて、一匹ポロリと出そうになったのを必死で押し戻して、

満員電車のごとく、「押さえて押さえて!はよ!はよ!」って全員を呼んで必死に押さえて、

で、リッチもなぜか必死に戻ろうとして、連帯感がうまれて、戻れた―やったーみたいな満足そうな顔をして扉が閉まる。

まで考えたのですが、作風がギャグじゃないので没にしました。

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