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勇者の弟12歳  作者: 山吹向日葵
第七章
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帰還 3

本日二回目の更新ですが短いです。すみません。



 姉さまは感慨深げに、


「オルターもいい仲間に恵まれたみたいね」


 僕のもとに駆けてくるみんなを見て言った。


「皇女様まで引っ張り出して来ちゃうなんてね」


 一応昨日酒場で全員の紹介を姉さまにはしてある。


「なんか美女ばっかりね」


 若干ジト目だ。僕は視線を宙に泳がせた。


「なんかアンリとマナもあなたを見る目がほかの人を見る目と違うのよね」


 完璧なジト目だ。僕は出来もしない口笛を吹いてごまかした。


 プヒ~プヒョ~。


 僕が焦っていると、そこに丁度みんなが駆けてきた。


 た、助かった……。


 まずミオが真っ先に駆けてきて僕に飛びついた。


 次にティノだ。人間のままでも駆ける速度はそう変わらないらしい。


 そしてティーリンが、ミモザが、アンリが、マナが、リヨンが、紅の牙のみんなが、こちらに走って来る。


 マリーナ、ラフェ、レンがその後に続いて歩いて来る。


 僕は皆につかまってもみくちゃにされた。


 


 そして僕は町の中に入るとまた町の人にもみくちゃにされたのだった。

 



***




 その翌日。


 僕らはミモザの国である聖王国シーサに向かうことにした。


 領主様からはもう少し居られないか、と言われたがそうそう遊んでるわけにはいかない。


 何しろミモザは皇女様なのだから。


 マナもお世話になっていたし、マナだけではなく勇者パーティの皆は聖王国シーサにはかなりお世話になっていたようだしね。


 勇者専用の部屋に僕も入れるか、若干気になってもいる。


 入れるとすると僕は勇者を名乗ってもいいような気もする。


 そうするとやはり何か問題があるのだろうか。


 このあたりの事はウリシュナに聞いてみよう。詳しそうだし。


 そんなことを考えながら、僕らは聖王国シーサに向かったのだった。   



***



 特に問題なく聖王国シーサに着いた。


 城下町に入るために旅人や商人が並んでいたが、僕と一緒にティノに乗ったミモザを見て、慌てて警備隊の隊長が駆けてきた。


「ミモザ様とそのお仲間の皆さま。どうぞお通り下さい」


 顔パスだった。それもそうか。ミモザと気付かず、調べることなんてしたら打ち首ものだ。


 隊長を先頭に、町の中に入ると自然と人が割れた。


 ミモザは現在、白いローブを鎧の上に着ているので、一見誰だかわからない気がするのだが、街の人々には一目瞭然のようだ。


 皆から手を振られているし、ミモザもにこやかに笑いながら、ティノの上から手を振っている。


「ミモザ様ーバンザイ!」

「ミモザ様バンザイ!」


 という掛け声が、往来にこだましている。


 僕らは、なぜか誇らしげな警備隊長の後をついて城へと入った。


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