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勇者の弟12歳  作者: 山吹向日葵
第七章
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勇者アンフィ vs 鍛冶師オルター

温泉回は人気がないようなので、続きは飛ばしてしまいました。

もし楽しみにしていた人がいたらごめんなさい!(いないかな?)

 僕が目を覚まし起き上がると、朝の光が優しく部屋を照らしていた。

 

 隣のベットでは姉さまが寝ている。


 昨日温泉を出て部屋に帰ってから、僕らは遅くまで話をしていた。


 姉さまの二年間、それから僕が姉さまを助けるまでの話。


 それを語り合っていたら、いつのまにか寝てしまっていたらしい。


 僕は起こさないように部屋を出て、下の酒場に向かった。


 そこには頭痛がするのか、頭を押さえながらスープを飲んでるカレンと、野菜が山ほど入ったお皿からフォークでそれを黙々と食べているティノがいた。


「おはよう」


 と声をかけると、


 もぐもぐしながらティノから返事があった。


「……もはおうもあいまふ」


 うん。何言ってるかわからない。


 僕もスープとパンで朝食をとる。


 カレンさんから返事があった。


「おはようございます」


「カレンさん、今日は早いね」


「ええ。見逃せませんからね」


 僕の頭上にクエスチョンマークが点滅した。


「えと、なにがです?」


「勇者さまとオルター様の模擬戦ですよ」


 ええっそういえばそんなことを言った覚えがあるけど、冗談じゃなかったのか……。


「じゃあ姉さまが起きたらやりましょうか」


 カレンは、


「いえ、勇者様と、あと領主様も見に来ると言うので、お二人がそろってからですね」


 なるほど。


「それがあるからというわけで、宴会も深夜に解散したのですよ」


 何もなかったら朝まで飲んでいたらしい。


 それからしばらくすると、続々とみんな目を覚まして酒場にやって来た。


「おはようオルター」


「おはよう姉さま」


 姉さまが来た。


 みんなが朝食を食べ終わった頃に領主様が来たので、みんなで町の外に出る事になった。 


 場所はカザリアの門から出てすぐの場所。


 町中でしたら町を破壊しそうだから、と言う理由からだ。


 町を出たら、城壁にぎっしりと町人が顔を出して、歓声が上がる。


 なんか、大ごとになってる……。


 アンリが、


「死ななければ私とミモザですべて回復しますから、安心して戦って下さい」


 これは本気で戦えと言うことなのだろうか。


「わ、わかった」


 僕は頷く。


 僕と姉さまは距離を取り武器を抜いて構える。


「では領主様、開始の合図を」


 領主様が頷く。


「では……始め!」


 僕と姉さまは気合を込めて言い放つ。


「行くよ!」


「来なさい!」


 僕と姉さまの模擬戦が始まった。


 お互いの鎧は共にハイドワーフ達が作ってくれたアダマント製の鎧。性能的にはそう差はないだろう。


 姉さまの武器は、右手に“聖剣イングラム”と、左手に“神剣白王”どちらも勇者専用のオリハルコン製の武器だ。


 僕の武器は、右手に“ヒヒイロカネのトンカチ”と、左手に“古竜の牙”


 二人の初手は同じだった。



――――神級光魔法「「“武装天使鎧”(アームドエンジェル)」」



 僕と姉さまの魔力が真っ白な奔流になって天に向かったと思うと、それが収縮して武器と鎧が白い鎧に覆われる。


 そして背中に純白の翼が生じる。


 僕が先手を取った。


 まずは小手調べ。


“彗星斬り”(コメットスラッシュ)


 飛ぶ斬撃がアンフィに向かう。


 アンフィは呪文を唱えながら飛び上がってかわすと、お返しとばかり、


――――神級光魔法“ホーリーレイ”


 光のレーザーが僕に向かう。


――――神級光魔法“ホーリーレイ”!!

――――神級光魔法“ホーリーレイ”!!

――――神級光魔法“ホーリーレイ”!!


 はうっ、一発じゃなかった!


 僕は飛び上がり紙一重で避けていく。


 ホーリーレイは地面に当たると、盛大に土ぼこりと土砂を巻き上げ、僕の視界を塞ぐ。


 いや、僕だけでなく、姉さまからも僕の事が見えなくなったはずだ。


 それならこうだ!


 

――――竜魔法・変化“レッドドラゴン”



 土ぼこりの中から、レッドドラゴンとなった僕が飛び出すと姉さまに噛みつこうと口を開けて襲い掛かる!

 

 レッドドラゴンが姿を見せると、城壁から見ていた観客が大きな歓声を上げた。


 ま、まあ確かに見栄えがするのは認めるけど‥‥。やりにくいなぁ。


 虚をつかれたか、姉さまの動きが一瞬止まった。 


 よし、噛みつけるかな?


 でも僕の噛みつきは、ぎりぎりで避けられた。


 やばいっ反撃が来る!



 姉さまの体から光の奔流が天に轟く。



 げげげげげげ姉さま本気すぎっ!!! 



“真竜(ドラゴンロード)勇者の一撃”!!(ブレイブソード)



 ちょっ“真竜”入れた本気も本気のバージョンじゃないか!!


 僕は重力魔法を使い横方向に水平に滑り、なんとか避ける。


 あぶない! 重力魔法を持っていなかったらどうなっていたかと思うと、額に汗が流れる。




 姉さまの一撃はそのまま、はるか遠くまで振り下ろされ、山にぶち当たり山に大穴を開けた。



 

 みんなの目が点になった。





続きます。

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