帰還 2
温泉回です。明日に続く……かもしれませぬ。
僕らはちょっと高級な宿屋で、まず食事をした。
食事をしながら、なんか僕の事を、姉さまに自慢する大会みたいになってしまっていた。
僕はかなり恥ずかしい。
「へえ~。あのオルターがね」
姉さまは意外そうだ。
そうだね、高校生の僕がいまは混ざってるから、昔の僕と今の僕はだいぶ違うと思う。
さあそれよりも今は温泉だ!
僕はご飯を食べ、お腹いっぱいになってきたから、温泉に入ることにした。
みんなはこれからお酒で騒ぎたいらしい。
祝勝会ってやつか。
みんな元気だなぁ。
騒いでたら領主様が来て、一緒にお酒を飲みだした。
「今日の分は私が全部持つぞ!」
と、お酒を高々と上げたので、みんなから喝采を浴びていた。
にぎやかになってきた。
僕はお酒を飲める歳ではないので、先に部屋に行くことにした。
ミオもうつらうつらしてたから、部屋に戻した。
ミオもかなり頑張ってたもんね。
今日はミオとは別の部屋だ。僕は姉さまと一緒の部屋だ。
ミオを隣の部屋に寝かせて、自分の部屋に入ったら、すぐにノックがあった。
僕が出ると、ラフェが立っていた。
「あれ? ラフェはお酒とか飲まないの?」
「私はいいわ」
と言いながら部屋に入り、扉にかちゃりとカギを掛けた。
なんか顔が赤い。酔ってるのかな。
なぜカギを……?
「さあ、借りを返してもらいに来たわ」
と言ったやいなや、僕はベットに押し倒された。
ええっ、突然すぎやしないかっ!? こ、こういうことで返すのかよー!
押し倒されたまま、僕はラフェと唇を合わせた。
***
え、えらい目にあった。
僕は気持ちを入れ替える。温泉に行こう……。
露天風呂には、誰もいない。
よかった、これでゆっくりできる。
僕はのんびりお湯につかることにした。
誰もいないからのびのびできる。
口まで温泉につかって、いろいろと考える。
邪神の死ぬ間際の言葉と、飛んで行った黒いもの。
それをウリシュナに聞かないといけない。
目をつむったまま考えていたら、人の気配がしたので目を開けた。
僕の前に何を隠すこともない、美しい裸体が目に入った。
ミモザだった。
僕の隣にミモザが座り込んだ。
「おじゃまでした?」
「いや、全然」
しばらく二人の間に静寂の時が過ぎていった。
僕がさきに口を開けた。
「ミモザはこれからどうするの?」
「そうですね。一度国に戻らないといけません。さすがに報告はしないと。……でもそんなことよりも」
ミモザが僕の正面に跨ってきた
「今はもっとあなたのことを感じていたいです」
少しの静寂の後、ぼくとミモザはそっと唇を交わした。