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勇者の弟12歳  作者: 山吹向日葵
第六章
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神代の戦い 3

本日二回目の更新になります。


「グオオォォォオォオォォォォォォ!!!!!」


 巨大な魔法陣のふちにまず両手が出てふちに手をかけ、次いで頭、そして咆哮しながら体全部が現れる。


 紺色の巨竜だ。


 背中に巨大な白い羽の翼が一対、皮膜の翼が一対。長い尻尾。ツノが頭の左右に一対、羊のように丸まっている。


 大きさはレッドドラゴンとほぼ同じぐらいか。


 邪神が驚きの声をあげる。  



「世界の調停者ウリシュナか! まさかウリシュナを呼び出せるものがいるとは……」



 その竜は圧倒的な力を感じさせるにも関わらず、威厳と優しさに溢れていた。


 邪神が言う。


「お前を殺して世界を混乱に導くのも面白いな」



 古竜ウリシュナは邪神を無視し、僕の前に顔を持ってきて話しかけてきた。



「オルター、ずっと見ていたよ。よく生きていてくれたね。さあ、さっさとアレを倒してしまおう」


 僕は頷く。


「ウリシュナ、頼む」



「よし、まずはこれだ」


 ウリシュナが聞き取れない、おそらく竜語だろう、なにかを唱えると僕ら全員の力が回復し、光の柱が全員から立ち上る。


 僕と姉さまの体から、白い力の奔流が立ち昇ると、背中に収束し、姉さまの背中の羽が三対になり、僕の背中にも三対の翼が生まれ出でる。


 

 邪神の焦る声が聞こえる。


「上位天使の力だと! くそっならばこちらも……」


 邪神は背中に皮膜の羽を生み出し、宙に舞い上がる。 


 そして呪文を唱えた。



――――暗黒魔法“眷属召喚” 



 五個、いや、六個の魔法陣が邪神の前に生まれ、そこから黒い竜達が姿を現す。


「あれは私たちに任せなさい」


「私もすこしはいいところみせないとね」


 マリーナとラフェが翼を広げ、上空に飛び上がった。



 ウリシュナは今度は邪神に向かい、話しかける。


「ゾルグ=ゾルグよ。生命あるものに呪いを撒き散らす破壊の神よ。お前が魔族を使い暗躍していたのは知っている。だがお前の命運もここまでだ。我の大事な者を傷つけるお前は許せぬ」


「ふん、魔族は我の手足で道具よ。人族の肩を持つお前の方が異端なのだ」


 邪神は、地面に降り立つ。


「お前の大事な者を奪い取ってやろう。死体を凌辱し、内臓を喰らってやる。さあ、覚悟はいいか」


 邪神は右手の剣を正眼に構えた。


 ティーリンとミオが無言で僕と姉さまの横に立つ。


 二人とも武器と鎧が光に包まれている。先ほどのウリシュナの魔法の効果か。


 ウリシュナは僕らへ話しかける。 


「さあ、存分に暴れなさい。私が手助けするからね」



 僕らは頷くと邪神に向かって走り出す。


 姉さまと僕は空に飛び上がり邪神へ“聖光星剣”(ギャラクシーソード)を放つ。


 同時にティーリンとミオが“彗星斬り”(コメットスラッシュ)を走りながら放つ。



 四つの斬撃が邪神に向かう!



 邪神は魔力の障壁を張り、攻撃に耐えようとしたが、ギャラクシーソードは障壁を破壊し邪神へ向かう。


 剣を振って掻き消そうとしたが、先ほどとは違い、障壁を破って弱まっているはずなのだが、一振りでは相殺できず、邪神は何とか空中に飛び上がり斬撃を避けた。


 効かなかった先ほどとは違い、明らかに僕らは力が増している。




 これなら邪神に勝てるかもしれない。




 僕らの体に力がみなぎってきた。




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