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勇者の弟12歳  作者: 山吹向日葵
第一章
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カンザンにて2

 宿での食事の後、主人の了承を得て、納屋で鍛冶道具を使わせてもらう。


 魔道具の金床を出し調整する。


 この金床は上に乗せた物の温度を、使用者が思うさま変えられる魔法の金床だ。


「危ないからちょっと離れててね」


 覗き込むように見てた幼女ティノに言うと、コクリと頭を下げおとなしく数歩下がる。


 虹色のインゴッド、ヒヒイロカネを出して叩き始める。


 叩くこと数分。金床のおかげでかなりの工程を短縮できる。


 出来た!


 虹色の光沢を放つなんかすごい神々しいトンカチが出来た。


 作りは使用したオリハルコンのトンカチと同じだ。


 切り株に腰を下ろし、両手を顎にあてて見ていたティーリンが飽きれるように言った。


「いつ見てもあんたたちの鍛冶はすごいわねぇ。手元が見えないもん」


 渡された虹色のトンカチを受け取る。


「それで、何つければいいの? これ、元々が魔力持ってるから、あんたの魔力と合わせてとんでもない魔力になってるわよ」


 僕はちょっと考える。


「これそのものを魔法の発動体に出来ないかな?」


 一般的な魔法の発動体はスティックか杖だ。


 変わったところで短剣や剣などがある。それらは主に魔法戦士等に使われるが、威力があまり出ない。


 魔力の伝導率は金属より木の方が高いようだ。


 ただ、ミスリル、オリハルコン、ヒヒイロカネ等伝説の鉱石はその限りではない。


 発動体は無くても魔法は使えるが、かなり威力は低くなる。


 この世界の魔法の発動体は、魔法の威力を劇的に増やす効果がある。


「あーなるほどね。それはいい考えね。地水火風空でいいの? 」


「いや、光闇も入れて。ちょっと考えてることがあるんだ」


 光魔法は勇者しか使えない。

 闇魔法、暗黒魔法は魔族が良く使う魔法で、普通の人間には使えない。


「わかったわ」


 ティーリンが手をかざし集中すると、ヴワン!とトンカチを囲むように魔法陣が広がる。


 ティーリンは六芒星の頂にチェックを入れて、魔法の発動条件を指定していく。


 それから順番に精霊を呼び、その力を借り属性の力をこめ、定着させていく。

       

 ちなみにこの技術は「模倣」できない。僕には精霊との契約が出来ないからだ。


 精霊との契約ができるのはエルフと獣人の上位種の一部、人間もエルフの血を引いたものだけだ。


「とんでもない魔力の許容量ね。まだ半分ぐらい使えるわ」 


「さすが伝説の金属。うーんどうしよう。なにかおススメある? 」


「そうねえ。持ち主契約とかどう? これだけ魔力があれば付けられるわ」


「あ、それいいね。盗難も怖いしね」


「じゃあ決まり! それでも少し余ると思うけど、今全部つけなきゃいけないってわけじゃないからね」


 ティーリンは設定の終わった魔法陣を発動させる。


 まばゆい光が視界を埋めてゆく。


 魔法陣が縮んでトンカチに吸い込まれると光が収まった。


 そのトンカチを受け取ると、左手の小指を噛んで、血を一滴トンカチに垂らす。


 その血はすうっとトンカチに吸収された。


 これで持ち主の契約終了だ。


 これからはいつでも僕の意志で手元まで飛んでくる。


「じゃ、次は私の武器ね! 」


「うん。何がいい? 」


「えっとね、オリハルコンのレイピア! 出来る? 」


「大丈夫」


 僕は答えると袋からオリハルコンのインゴットを二個取り出す。


 ティーリンはわくわくした笑顔だ。


 せっかくだから新しく作ったトンカチで叩いてみる。


 おお、具合がいい。オリハルコンよりかなり優秀なトンカチだ。


 出来た!


 我ながらいい出来だ。


「ありがとう!」


 満面の笑みだ。いつもそうやって笑ってればかわいいのに。


 まあオリハルコンの武器など、国宝級なのだからそりゃ笑顔にもなるだろうけどさ。


「あ、これかなり魔力高いわ。さすが伝説の金属のトンカチね」


 すぐにレイピアを中心に魔法陣が発動し魔力を設定し始める。


 僕はその間に細いダークブラウンの木材を袋から出し鞘を掘る。

  

 ノミで木材を削っていく。


 削り終わった鞘を接着し皮を巻きギュっと締め、金具を付ける。


 魔力付与し終わったティーリンに出来たての鞘を渡しながら聞いてみる。


「どんな剣にしたの? 」


 ティーリンはにこにことしながら答えた。


「ひみつ」


 教えてくれなかった。



オルター持ち物

 月灯の小刀ショートソード

 ミスリルのトンカチ

 オリハルコンのトンカチ

 ヒヒイロカネのトンカチ

 ミスリルの鎖帷子(自動サイズ調整機能付き)

 アダマントのフルプレートメイル(自動サイズ調整機能付き)

 ドラゴンの皮から作り出したマント(自動サイズ調整機能付き)

 魔法で通常の3倍入る南京袋(重さが総重量の1%になる機能付き)

 鍛冶道具

 ヒヒイロカネのインゴット×3→2

 オリハルコンのインゴット×7→5

 アダマントのインゴット×7

 ミスリルのインゴット×7

 金ゴールドのインゴット×7

 なめした皮

 ダークグレーの木材

 魔道具の金床

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