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たぬき無双  作者: ポンポン
3/12

方針を立てる

 目が覚める。


 あれほど感じていた虚脱感は嘘のように消えていた。


『寝るとなおるのか。でもこれじゃあ、あの光を使うのは一日一回が限度だよ。後で要、検証だな。』


 木の根本の穴から這い出す。


 辺りは相変わらず、暗い。目がなれてきたのか、寝る前よりは見通せる様だが、それでも数メートル先は闇に沈んでいる。

 光源が星だけなのは変わらない。


『これは夜が明けてないのか。それとも昼間の間ずっと眠りこけていた? 体感的にはそこまで寝たとも思えないが。』


 辺りを見回し、一度木の根本の穴に戻る。


『さて、これからの方針を立てないと。』


『まずはここに留まるか、移動するかだ。ここに留まる場合のメリットは簡易とはいえ、寝るとこがあること。しかし、これぐらいの穴なら、すぐにこの体なら掘れる。それにどんな敵がいるかわからない以上、安全とは言いがたい。デメリットは水と食べ物がないこと。そして、暗すぎて戻ってこれるか、わからないことか。』


『移動する場合は、逆に水と食べ物が見つかるかも知れないこと。後はこの世界の情報が何かしら手にはいるかも、だな。今この場でできることは、光の使用後の回復するタイミングを検証するぐらいだけど。いざというときに使えないのはまずいな。この穴蔵じゃあ、頼りないしなー。』


しばし迷う。


『よし、移動しよう。』


 俺は決意を固め、穴蔵から再度、這い出す。


 どちらに行くかは決めない。情報が少なすぎて意味がないしな。星も樹冠が邪魔で目印になるほど判別できない。


 そろりそろりと歩き出す。周囲は寝る前に比べると様々な音がする。


『ぶっぱなした光で逃げたり隠れていた虫や小動物が、活動を再開したかな。何か捕まえられるといいんだが。』


 そのまま歩き続ける。足元は下生えの草は少なく、木の根にさえ注意していれば歩きにくいと言うこともない。


 体感的には一時間ぐらい歩き続ける。

 周囲の様子はあまり変わらない。暗闇に、所々に木、足元は草。


 暗闇のなか、たぬき初心者である俺が、獲物を見つけられるわけもなく、淡々と歩き続ける。


 ふと、前方から、これまでの葉擦れや虫とは異なる動物らしい鳴き声が聞こえてきた。


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