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長い10月後編 飛んで火に入る10月の僕。

1527年(大永7年)長い10月後編 京の都 綾小路邸 ~ 和泉国 堺。


綾小路 興俊 10歳。


手紙を送って堺に向かった直後の10月13日、近江国に落ちられた将軍さまが突如上洛し洛中から三好勢を駆逐しました。

ビックリです。

何でも上洛に協力した軍勢は越前国の朝倉氏、南近江国の六角氏、若狭国の武田氏、北近江の浅井氏の総勢2万だとか。

朝倉氏の総大将は朝倉小太郎・・・・・・・。

この時期当主でもないのに当主の名乗りを持ってる人物なんて一人しか知らないよ。

はい、朝倉宗滴あさくらそうてき殿ですね。

前世でも有名ですが今世でも超有名人です。

永正に起きた加賀の一向一揆では一向宗30万を相手に1万の軍勢で無双したとか、、、

当代の軍神としてまだ51歳だけど、生ける伝説と化しています。

その証拠に本願寺の証如さまが怖がって山科から逃げ出したって噂まで聞こえました。

マジ洒落にならん方です。

堺公方さまも10月19日、都の南の辺り西七条の川勝寺口まで後退して将軍さまの軍を迎え撃ったそうです。

堺公方さまの畠山上総介殿は将軍さまの本陣であった東寺を襲撃したそうですが、これを朝倉宗滴さん率いる朝倉勢が撃退したそうです。

まぁ~予想通りですね。

この辺りまで堺で情報を得た所で公方さまに目通りが叶いました。

残念ながら美濃の事情は全く判りません。

内藤殿監修のもと奮起を期待して煽るような手紙を書いて送りましたが奮起しても京の雀たちが全く無関心だと知ったら右田君泣くでしょうね。

将軍さまと堺公方さまの争いが非常に微妙な時期なので本来ならお屋形さまから縁談話ちょっとストップ!!と待ったが掛かってもおかしくは有りませんでしたが未だ周防まで情報が届いてないようですね。

堺公方さまに大内介さまの娘さまとの縁談をお話しすると満面の笑顔で快諾されました。

まぁ~当然ですね。

西国随一の大大名との婚姻は堺公方さまの正当を喧伝する材料になります。

お屋形さまが上洛の軍を出さなくとも畿内の国人の動向に大きく影響を与えるでしょう。

大内側としても寧波の乱でも判るように管領さまが将軍さまを擁立している以上堺公方さまを支援するのが順当です。

更に美濃国の件も有ります。

美濃の兄弟げんかで守護の側に朝倉氏が立って更に朝倉氏が将軍さまの側に立った以上大内氏に選択の余地がありません。

逆の選択をすれば捻じれが起きてどこで味方に背かれるか予想が出来なくなります。

と、ここまでは良かったのです。

ここまでは・・・・

私がお屋形さまの猶子で、堺公方さまがご結婚されればお恐悦それながら義兄弟となりますねとお話しして、気の早い公方さまが我が義弟は初陣を済ましたのか?と言う話に流れ、、、

宗氏討伐のお話をしたら初陣で万の軍勢を率いるとは義弟は凄いのう~とお褒め頂きました。

で、その直後、陪臣のその又陪臣として控えていた故三好筑前守殿のお孫君で三好家当主、三好元長みよしもとなが殿が、


「大内三郎興さま。

我ら三好の郎党はこれより京の都へ向かいますが、大内中納言(お屋形さまの事)さまの名代として我らを率いてくださいませぬか。」


等と寝言を申しましてそれに対し公方さまがそれは良い考えじゃ是非頼むと仰る。

私は公家ですとか嫌ですとか言えない雰囲気にどうしてこうなった?と嘆きたいのは山々ですがそんな訳にもいかず、


「大樹さまには大内家の引き出物として京の都を進呈致しましょう。」


と答えるのでした。

お屋形さまには、経緯と釈明の手紙を送った時の返書で「飛んで火にいる夏の虫と言う言葉を知らんのか」と返されました。




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