1/1
ひろたんの窓〜高校時代の話とか聞きたい?〜
《高校という世界は様々な物語でできている。
部活動も学業も、行事も全て物語だ。
そして物語には主人公がいる。》
菊池宏人はここで一度キーボードを打つ手を止めた。
しばし考えてから、また自身のブログに書き込む。
《ここで、誰もが主人公だとか甘ったれた考え方を持っている人は今すぐに帰ってほしい。
この先、私が経験したことを書き連ねていくことになる。
しかし、その前提条件として私というものの立場をはっきり知ってもらわなければならない。
その為にはあのような考え方は不要、いや邪魔なのだ。》
フッと自身を嘲るように息を吐く。
書いていて、どこか虚しい気がしたからだ。
だが、キーボードを打つ手を止めなかった。
《私はハーレム主人公の友人Aだ。
主人公をサポートし、ヒロインを支え、ハッピーエンドに繋げるのが私の役目だった。
それが果たせたかどうかはわからない。
ただ、これだけは言える。》
エンターキーを3回ほど押して行を開ける
それを強調したかったからだ。
一呼吸置いて書き込む。
《私は主人公にはなれなかった》
短いです
ほぼ導入みたいな感じ
次回から本編です