第4話 将来の夢は?
将来の夢はと聞かれたので胸を張って堂々と答えました。
「天下の大将軍」と!!
厨二臭くってもいいじゃない!
五虎〇将軍とかカッコいいじゃないか!
六〇将の王〇とか三〇天の廉〇とか!
イヤ、反省はしている。
そして後悔はもっとしている!
だって現在進行形で騎士団の中でも腕っ節に自信のあるトップクラスの実力者十人と毎日総当たりで稽古してるんだもん・・・。
そんでもってやっと休憩でございます。
朝から鍛錬場にこもって今は昼過ぎか?
そろそろ昼飯時だよな?
「フレデリック様、休憩は終わりです」
この騎士のおっさん今なんて言った!?
5分も休憩しちゃいねぇぞ!?
それに昼飯は!?
「これは異な事を! フレデリック様ほどの才がありながら知らないとは言わせませんぞ! 戦場において休憩をまともに取れないことなど当然のようにあります。ましてや炊事中を狙って攻撃を仕掛けられることもあるのです。そんな暢気なことを言っていては天下の大将軍など夢のまた夢ですぞ!」
これだよ!
二言目には「天下の大将軍になれない」!!
ほんと胸張って天下の大将軍になるなんて厨二病全開のこと言わなきゃ良かった!
俺的には戦下手のパパンの片腕になれたらいいなぐらいだったのだが今では周りが本気で大将軍に押し上げようと猛特訓と猛勉強を押しつけてくる!!
やれと言われたことを片っ端から片づけたせいか上限を設定せずにドンドコドンドコ内容が増えていくし濃密にもなっていく!
これ絶対五歳児にやらせる内容じゃないから!!
と、いうわけで俺様プリズンブレイクを決心。
ふふふ、こんな時こそ瞬間移動の魔法で城外へ出てやる!!
今夜決行して自由を謳歌してやる!!
侍女さんが部屋から出て行かない・・・。
あのぉ、お休みしたいんだけど?
「そろそろ特訓に根をあげて逃亡するかもしれないと騎士団長様から言付かっております。フレデリック様の事ですので城の抜け穴などはすでに把握していると思われます。逃亡防止のために今夜から必ず一人お目付役をすることになりました。」
しまった! 逃亡の機会を逃がした!
慣れって恐ろしいのな!
一ヶ月もこの生活をしていたらこの猛特訓と猛勉強が苦じゃなくなったんだよ!
肉体が若いせいかどんどん適応していくんだよ!
小耳に挟んだ情報によると俺を別家として新しく公爵家を立てる予定だそうな。
直轄領の何処かを俺に寄越すそうですよ。
ただし、成人してから。
こっちの世界では成人は二十歳から。
しかも貴族の場合は学院に15歳で入学して5年過ごさねばならない。
それまでは親や家庭教師から礼儀作法やらいろいろと学ばねばならない。
これは王族も例外ではない。
要するに学院で勉学や鍛錬以外にも将来のコネや人脈作りもしてきなさいと言うことなのだろう。
で、俺の場合はというと・・・。
一、騎士団の面々と毎日ドツキ合っているせいで面識はバッチリ鍛錬バッチこい。
二、家庭教師が言いました。「学院で学ぶべき勉学がない」と。
三、知者チートがあるので実務部隊としてすでに宰相の仕事の手伝いをしている。
・・・・・・・・。
俺、学院に遊びに行くだけじゃね?
イヤ、待て!
これはフラグだ!
こんな事を言うときっと「天下の大将軍」がらみで何か起こるんだ!
「フレデリック様、陛下が執務室でお呼びでございます」
ほらフラグ回収しちゃった!!