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第3話 三人寄れば文殊の知恵とは言いますが・・・

ここ最近体調が悪い。

具体的に言うと頭だ。

過度の勉強とかで異様に酷使した後の感じに近い。

こう、何というか頭がグツグツ煮えたぎっているような感じ?

とにかくおじいちゃんズの特別なシゴキは体調が整うまで中止となった。

何せ落馬で意識不明の状態だったのだから。



そんな日が数日続きました・・・。



今朝の目覚めはさわやかだ。

頭がスッキリしている。

うん。

夢を見ているわけじゃない。

ほほをつねってみる。

痛みがあるということは現実と言うことだ。

・・・なるほど。

ここ最近の体調不良は脳が最適化を行っていたからか・・・。

・・・・・・。

嘘だろ! ちょっと待て!

どうして俺の頭の中に自分以外の二人分・・・の記憶がある!



起こしに来てくれた侍女さんには「まだ体調不良です」と嘘こいて今日も一日部屋で休むと伝えた。

朝食も部屋でとった。

味なんかしない。

現実味がなさ過ぎる。

まず自分以外の一人目の記憶。

龐統士元ほうとうしげん

あれぇ?

やっぱり俺は錯乱してるのかな?

この名前に心当たりあるよ?

ある有名なシミュレーションゲームに出てくるよね?

伏龍鳳雛の呼び名で出てくるよね?

・・・・・・・・。

イヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤ!!

なんだこの軍略政略チートは!!

お師匠様から孫子をはじめとする武経七書を教え込まれたからそれと反応しているのか頭の中がすんごいことになってんぞ!?

これが知力99とか98とかの世界なのか!?

「一を聞いて十を知る」とはまさにこのことだよ!

俺が目覚めてから集めた情報を頭が勝手に整理していろいろと推察しそこから更にこのロマリア王国にとってベストの答えを導き出そうとしている!?

鳳雛様! 前世どんだけ無念だったんですか!

蜀の建国に貢献できずに道半ばで死んだのが無念なのはわかりましたから!

でもだからといって頑張りすぎです!!

え? この才を授ける?

・・・・・・・・。

イヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤ!!

ここまで来たら貴方が私に変わってくださいよ!

俺には知力99とか98とか無いから!

使いこなせませんって!

何が「私のようになるなよ」ですか!

って、言ってるそばから消えないで!!

・・・・・・・・。

・・・うん。

わかる。

今この瞬間、龐統士元様は俺に統合されました。



二人目の記憶も「自分もすべてを託す」と言っています。

名前はアーレン様。

この(・・)世界の遙か未来の大魔導師様であらせられます。

曰く。

未来では魔法技術が桁違いで発展してしまったこと。

反面で資源が枯渇してしまっていること。

その為に金とか銀とかの貴重な鉱石類をはじめダイヤモンドとかエメラルドとかの宝石類も錬金術で作っていること。

さらにはファンタジーでおなじみの「真の銀」とか言われるミスリル。

知名度だけなら抜群のオリハルコン。

これらもすべて錬金術で作成しているとのこと。

他にも数種類の魔法の鉱石も。

中でもエーメルとか言う魔法鉱石は秀逸とのこと。

でも誰でも出来るかというとそうでは無い。

物質の構造をしっかり把握してないと出来ないとのこと。

アーレン様はその第一人者で錬金術で薬まで作っているとのこと。

実際に疫病を駆逐する薬をいくつも開発している。

薬学者のような事までやってんのか・・・。

そのアーレン様は大魔導師・・・・である。

今の時代では存在しない魔法をいくつも所持している。

飛翔の魔法とか瞬間移動の魔法とか。

中でも時空魔法による空間収納はまさにゲームじみている。

他にも系統化したり効率化したりして数々の名誉を授かったそうな。


で、アーレン様はどうして俺ごときにその貴重な知識と技術を託そうと?

今の時代にそんな技術革新を起こされたらアーレン様の功績は無に帰するんじゃありませんか?

え? 未来のために大量の資源を錬金術で作っておいてくれ?

え? 資源枯渇の元になったのは神聖帝国の大陸制覇のために連発した儀式魔法だから神聖王国を討ち滅ぼすために使って欲しい?

それってつまり未来を変えて欲しいって事ですか!?

そんな大業を俺に成せって言うんですか!?

無理無理無理無理無理無理無理無理!!

俺は元々しがない一般市民なんですよ!?

知ってるでしょう!?

よしんば俺がフレデリックとしても三男坊なんですよ!?

更にいうならロマニア王国は国の規模としては中堅どころですよ!?

今は下克上当たり前の戦国乱世なんですよ!?

大国には国力の差ですり潰されるんですよ!?

無理無理無理無理無理無理無理無理!!

イヤ、待ってアーレン様!

そんな爆弾俺にポイして消えないで!!

・・・・・・・・。

消えた・・・。

っていうか俺になった!?

うぅ!! 胃が!! 胃が痛い!!



とりあえず部屋の鉢植えにある土を一握り分取ってみる。

授かった錬金術は何かを目的の物に変換する。

試しに砂金になるように使用するとあら不思議。

手の中には一握りの砂金ができあがる。

試しに名工に作らせたという小剣ショートソードを錬金術でミスリル製にしてみるとこれも成功する。

自分でもわかる。

顔が引きつっている。

つまり現状はこうだ。



フレデリック=ケテル=ロマリア。

俺が武芸十八般を修得していてリアル仙人に鍛えられ武芸チート。

龐統士元様により軍略と政略は知者チート。

未来の大魔導師アーレン様のおかげで魔法チート。

加えてアーレン様から授かった錬金術をはじめとしていろいろな知識を授かったので超チート。



俺、鳳雛、大魔導師。

三人寄れば文殊の知恵とは言うけれどこれはチート過ぎるのでは?

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