第22話 LoveLoveファルネリア
どうもー! どうもどうも!
ロマリア王国の王家三男坊、フレデリックでございます!
齢十四にして帝国遠征軍を殲滅したことでファルネリア嬢を娶ることになりましたー!
拍手-! パチパチパチ!
まぁー、正確には婚約ですけども!
ゾーエ嬢に加えてですよ!
二人とも美人で才女なんですよ!
二人ともおっぱいボーン! ウエストきゅー! お尻はプリリーン! なんですよ!
二人とも俺にべた惚れなんですよ!
浮かれすぎだって?
浮かれて何が悪い!
両手に花なんだぜ?
浮かれるなって方が無理だろう!
そして今日はファルネリア嬢とレーシュ公爵夫妻との面談の日です!
さぁー! 脳内が盛り上がってまいりました!
・・・・・・うん、ウソです。
年齢イコール彼女いない暦だった俺には両手に花は重いです。
童貞のおっちゃんはベタ惚れられ美人との付き合い方を知りません。
ゾーエ嬢という大輪の花を両手でしっかり持つだけでも大変なのに・・・。
ハーレム?
何それ?
おいしいの?
無理です。
何でこうなった?
解せぬ。
あてがわれた部屋で一人悶々としていると俺の専属侍女であるマリアさんが呼びに来てくれた。
このままファルネリア嬢をエスコートして部屋までお通しせよとのこと。
これにファルネリア嬢が狂喜乱舞。
「部屋で今か今かと手ぐすね引いてお待ちです」
・・・嫌な表現するなよ・・・。
道すがらいろいろな事を考えさせられる。
公爵令嬢ファルネリア=レーシュ。
『君華』に出てくるヒロインのライバル令嬢。
悪役令嬢とは別枠。
一種のバロメーター的な役目を果たす。
そうしてファルネリア嬢に認められて攻略対象と結ばれることになる。
つまり後ろ盾を手に入れるということだ。
主人公は子爵令嬢だからこれは心強いよな。
逆ハールートの場合は?
・・・知らない・・・。
ちなみにヒロインはフレア=アレフ子爵令嬢。
一年前に子爵家の庶子を引き取り必死に教育中とのこと。
子爵家としてはどうやら俺の側室にあてがおうとしているらしい。
・・・いらない・・・。
そもそも俺が知っている情報なんて後輩からの世間話程度のモノ。
モノの役に立たない。
夢か現か幻か。
なーんにもわからない。
それでも俺は生きてこの世界にいる。
なら、精一杯突っ走ってみましょうか!
ファルネリア嬢にあてがわれた部屋のドアをノックして名乗り入室の許可を得る。
部屋に入ると凄い美人がとびっきりの笑顔で迎えてくれる。
え?
ひょっとしてファルネリア嬢?
いつも切なそうに俺を見ていたファルネリア嬢?
入学のために公爵領から離れるとき泣きはらしたファルネリア嬢?
BGMがドナドナのファルネリア嬢?
別人みたく生き生きとしてるじゃん!
胸元が大きく開いて会釈をすると胸の谷間がバッチリ見えるドレスを着てくれてありがとうございます!
体の形がこれでもかって位わかる扇情的なドレスありがとうございます!
顔が胸元に釘付けになりそう・・・。
俺、ファルネリア嬢をキチンとエスコート出来るか?
手を差し出すと普通はソッと手の平を添える程度で応えるのにファルネリア嬢ったらキュッと握りしめてくれるんです!
顔を上げると『蕩けるんじゃないか』ってぐらいうっとりして見つめ返してくるんです!
そしてファルネリア嬢が一歩俺に近づく。
なんか知らんけど、スゲーいい匂いがする!
クラクラしそう!
これがフェロモンというヤツか!?
「陛下のもとへ急ぎましょう? そして一刻でも速くファルネリアはフレデリック様の婚約者になりとうございます。」
下半身に正直になりたい・・・。
エスコートする間、理性と本能のせめぎ合いでした・・・。
ファルネリア嬢が動くたびに豊かなお胸がプルンプルン揺れて大変なのよ!
香る匂いがフェロモンまみれで腰に手を回して何度抱きしめたくなったか!
理性を総動員してなんとか面談の部屋まで連れてくることが出来た。
そして驚くことに部屋に入る直前にファルネリア嬢の蕩け顔はきりっとした表情に瞬時に変わった。
・・・つまりさっきまでの蕩け顔は俺の前専用って事ね・・・。
なんだろう!
スッゲー嬉しい!
面談は事ここに至るまでの経過確認をしたら一旦解散となった。
この後は俺とファルネリア嬢、互いに話すことで仲を深めろということだろう。
二人っきりにさせられた。
バカの一つ覚えで申し訳ないけど庭園散策に付き合ってもらおう。
ただいまファルネリア嬢をお姫様だっこで東屋に向かっております。
庭園散策中にファルネリア嬢が長時間俺と二人っきりになれるということで浮かれて足下がおぼつかず、足を挫いてしまったのだ。
倒れそうになるところを抱きしめたんだが・・・。
このときの瞬間、感触、忘れられないね!
受け止めた時、大きなゴムまり二つが腕に『うにゅん』という感触をもたらしてくれました!
支えにするために腰に手を回したらスゲー細いの!
顔がうなじ近くまで寄ったためにフェロマンまみれのいい匂いを胸一杯吸い込みました!
思わず超至近距離で見つめ合うことが出来ました!
でもそこにあったのはレーシュ公爵領にいた頃のファルネリア嬢。
顔色が悪い・・・。
そうしたら泣き始めちゃったよ・・・。
曰く、我に返った。
曰く、淑女にあるまじき浮かれようだった。
曰く、フレデリック様に迷惑をかけてしまった。
等々。
抱えている不安を一気にはき出した。
あ。
そう言えば俺、自分の気持ちファルネリア嬢に言ってないなぁー。
ちょうどいい具合にすぐそこに東屋がある。
ファルネリア嬢、失礼。
お姫様だっこすると可愛らしい悲鳴があげる。
恥ずかしいのか抗議の声をあげるがすべて黙殺する。
でも、ここで主導権を握るか?
「おとなしくしてないと東屋で可愛がってやらないぞ?」
おぉー。
顔を真っ赤にしてうつむいちゃったよ。
可愛いのぉー。
無事、東屋に到着。
都合のいいことに全幅の信頼を置く侍女、マリアさんがお茶とお菓子を準備していてくれた!
事情を説明して薬を取りに行ってもらう。
ぐへへへへ!
その間、ファルネリア嬢を可愛がって進ぜよう!
ファルネリア嬢ったら余程恥ずかしいのかしきりにベンチに視線を走らせる。
早く降ろしてほしいというサインなのだろう。
だが断る!
まず俺が先にベンチに座る。
そうして膝の上にファルネリア嬢を乗せる。
抗議の声をあげるが当然俺は右から左に流す。
一口サイズの小さなお菓子を一つ取るとファルネリア嬢の口元に運んでやる。
俺が何を期待しているか察したのかファルネリア嬢の顔が更に真っ赤。
恥ずかしさのあまり幼児退行してイヤイヤをするが俺は許さない!
ほら!
大好きな人が『あ~ん』してるんだから。
『あ~ん』しなさい!
観念したのか周りを一度確認して恐る恐る口を開きお菓子を食べる。
か・わ・い・い。
うん、やっぱり俺、ファルネリア嬢のこと好きだわ。
だからすんなり言葉に出来た。
「貴女と義務で結ばれるのは嫌です。愛してます。結婚してください」
俺の胸に頭を預けてファルネリア嬢は泣き始める。
しばらくして泣き止むと真っ直ぐ俺を見ながら応えてくれた。
「私でよければ喜んで輿入れさせていただきます。よろしければ『ファム』と愛称でお呼びください」
この後はマリアさんが来るまでそれはもうイチャイチャさせていただきました!
今日だけは、今日だけはということでイチャイチャさせていただきました!
マリアさんが来てもイチャイチャさせていただきました!
何でも、明日以降はゾーエ嬢を見習って淑女として精進に更に励むとのこと。
将来、俺が興すケテル公爵家のために社交界に顔つなぎをするとのこと。
忙しくなるが、寂しくなるが、すべてはフレデリック様の為、ケテル公爵家の為。
・・・よし、計画を次の段階に進めるか・・・。
帰りもお姫様だっこするつもりだったのだが車椅子を用意されてしまった!
マリアさん!
何故!?
「もう、お腹いっぱいです」
面談の部屋に帰り全員が揃って話し合いとなった。
俺たちに否などない。
ファルネリア嬢を娶るのは男として誉れです。
是非、輿入れしていただきたい。
そう告げたらファムが返してくれた。
「フレデリック様に輿入れするなど夢のような話です。フレデリック様を、ケテル公爵家をゾーエお姉様と二人で盛り立てていけるよう努めます。婚約者として恥じぬよう努めます。フレデリック様に嫁がせてください」
これにてめでたくファムは俺の婚約者になった。
俺が成人を迎えるとゾーエと共に結婚となる。
後六年。
今から楽しみだなぁ~。
不意打ちだった。
世の中はプラスマイナスゼロである。
良いことがあれば嫌なこともある。
『ロマリアの魔女』といわれる国王ガレブリスの側室であるルイーダ。
彼女がこのタイミングで俺を後宮に招待する。
周辺国から天敵、天魔の扱いを受ける彼女からの招待。
絶対ろくな事にならない!




