第2話 己ができることを知ろう
俺、今現在子供。
できることなし。
以上。
・・・・・アカーン!!
これではアカーン!!
式神やら使い魔を方々に放ち情報を逐一仕入れた結果うちの長兄はヤバイと言うことが判明。
褒め言葉じゃ無いですよ!
「危険」という意味でのヤバイです。
このまま温室育ちのお坊ちゃまで過ごせば長兄イフェリウス(バカ)に殺される!
俺が憑依する前のフレデリックに無理矢理乗馬させて落馬するように仕向けたことが使い魔からの情報で判明。
どうも自分が長子で第一王位継承権を持っているとは言え妾腹の子というのがコンプレックスらしく正妃の子である次兄エゲザリスと俺を亡き者にしたいらしい。
だが、これは悪手である。
もしバレたらを考えていない。
子供故に考えなしに残酷なことを平気でやれる分タチがが悪い。
何度も言うが今は戦国乱世である。
世継ぎ問題はついて回る。
俺のところに情報として回ってくるぐらいだから当然他の家臣団にもバレている。
考えなしで腕っ節しか自慢がない長兄は継承者にふさわしくないと。
そのため後継者争いは長兄と次兄とで真っ二つに割れている。
こんな中にフレア=アレフ(クソビッチ)という劇薬を投下するとどうなるか?
混沌の坩堝になるに決まっているじゃないか!
何事も無かったかのように長兄を支持する家臣どもがいることに驚きだよ!
殺されかけた立場から長兄にはつきたくない。
ここは中立層とか浮動層とかを俺が取り込んで次兄につくべきだな。
その為には自己啓発だ!
お勉強と武芸の鍛錬、後は方々に根回しだ!
お勉強がねぇ・・・小学生レベルなんですよ。
宿題なんて片手間で終わってしまう。
武芸の鍛錬がねぇ・・・お遊戯レベルなんですよ。
少し本気を出すと皆口をポカーンと開けて驚く。
その為に周りから「神童」なんて言われてる。
何その厨二臭いあだ名・・・。
現国王であるパパンなんか「我が家にも麒麟児が現れたか!」なんて言って喜んでるし・・・。
「神童も、大人になればただの人」って言葉知らねぇのかなあ・・・。
長兄はいっつも俺の事をにらんでいるし・・・。
次兄は「共に陛下を支えていこう」って言って優しいし。
ママンは惜しみなく愛情を注いでくれるし・・・。
・・・内容をもうちょっとレベルアップしてみるか?
宮廷魔術師のお爺さんが現れた!
騎士団長のお爺さんが現れた!
お爺さんたちは強烈なしごきを始めた!
痛恨の一撃!!
フレデリックは息絶えてしまった・・・。
・・・・・ウオィ!!
何事にも限度ってモンがあるだろ!
脂がのりにのった現役の騎士や魔術師が根をあげるようなしごきを五歳児にやるなや!!
「限界まで鍛えてこそ次に上がれますので」
だからこっちはまだ子供なんだって!!
「王子を見ているととても子供とは思えません。よって大人と同様に扱います」
こっちは仙道の呼吸法でチャクラを活性化させて身体能力強化を使ってやっとついていっているのにまだしごきを加えようってのか!?
・・・よし、逃げよう。
きっとこいつらは長兄の手の者で俺を殺しに来てるんだ。
一目散に逃げ・・・!!
瞬間、肩に手を置かれた。
な・・・に!?
「逃げようとする者は独特の気配がありますのですぐにわかります」
「これは追加の鍛錬が必要じゃのう」
ノー!! ヘルプ!! ヘルプミー!!