第21話 情けは人のためならず?
さすがに神聖帝国も黙ったな。
ナニがだって?
侵略行為だよ!
しつこく越境してくるんだもん!
そのたびに機動力が優れるうちの白鳳騎士団が出張って壊滅させたけど・・・。
でも、これってあまりよろしくない。
孫子にもある。
百戦百勝は、善の善なる者に非ざるなり。
戦わずして人の兵を屈するは、善の善なる者なり。
まぁ、要するに真の強者は戦わずして勝つと言うことだ。
そこで丘に土城や砦の構築を急がせました。
軍事演習も頻繁に行ってプレッシャーをかけました。
これでようやく『この地方で戦うには相応の準備が必要だぞ』と理解したのだろう。
俺や白鳳騎士団がここ、レーシュ公爵領にいつまでも留まるわけにはいかないから傭兵団やら義勇兵やらを募りました。
俺が自腹を切って。
ま、まぁ、帝国の侵略を許すわけにはいかないから必要経費として割り切ろう・・・。
そのうちレーシュ公爵領でも自前の軍勢を確保できるようになるまでは面倒を見よう。
戦がないときは方々に手をつけている。
土壌改良とかもそうだが金の為にレーシュ公爵が売り払った宝石類や武具などを出来るだけ買い戻している。
『それ売っちゃあかん奴でしょ!?』というものまで売りさばいたのだ。
下賜された物とか。
そういった物は割高でも買い戻した。
言外に他言無用という意味を込めてだ。
全部買い戻したら国家予算の半分ぐらいに匹敵する莫大な金を放出していた。
ま、まぁ、必要なことだよ?
俺の後ろ盾の公爵がいつまでもみすぼらしい格好では様にならないから・・・。
そのうち何らかの形で返してもらおう・・・。
そんでもって返却に伺ったところです。
やれ形見がどうの祖先のどうのと感激しまくりです。
どうも俺からのプレゼントみたいな流れになっている。
資金はそこいらの石を金塊にしてるから元本はただみたいな物ですよ?
でも詳しく突っつかれると錬金術の話をしなければならなくなる。
それは避けたい。
『下賜された物まで売りさばいたのだからこっちのことも探るな!』という意味を言外に込めて置いてきました。
・・・俺、ナニやってるんだろう・・・。
レーシュ公爵領で過ごす時間が長くなってきた。
愛しのゾーエ嬢と会えないのは拷問です!
その為に現在、文通中であります!
そんな俺の姿を見てファルネリア嬢が切なそうにしている。
ナニよ?
たまには王都へ帰還して報告をしています。
レーシュ公爵領の開発具合。
帝国の情報交換。
ゾーエ嬢とのデート。
やることがいっぱいある。
まぁ、何というか充実はしている。
レーシュ公爵領に事実上赴任してから二年。
十四歳になったとき陛下からとんでもない命が下された。
レーシュ公爵令嬢ファルネリアを妻として迎え入れろ、と。




