第19話 改革
レーシュ公爵領の異常事態を解決して王都へと帰還しております。
交流会も控えているので公爵とその夫人も同行してる。
ちなみに嫡男殿とご令嬢であるファルネリア嬢はお留守番とのことです。
俺も騎士のガゼルと参謀のレドモンドにレーシュ公爵領の守りを任せてきている。
神聖帝国も変なちょっかいは出さないと思うが念には念を入れた方がいいだろう。
白鳳騎士団も半数を残してきたから間違っても侵略は許さないだろうし。
とりあえず陛下には現状の報告とレーシュ公爵領の改革案を提出しなけりゃならん。
その後はゾーエ嬢にたっぷり癒やしてもーらお!
陛下への面談申し入れはすんなり通った。
むしろ他の申し入れを差し置いて通してもらったようだ。
なんか最近俺の申し入れを最優先にしているように感じるのは気のせいですかねぇ?
一通り陛下に説明し、翌日には宰相を筆頭に重臣達が集められた。
議題は言わずもがな、レーシュ公爵領の改革である。
『十年以内に復興してみせる』という俺の言葉にみんな懐疑的な視線を向ける。
まぁ、あれだけ荒れた土地を普通十年で復興なんて無理だろう。
国庫を莫大に割り当てる訳にはいかないと渋っているのもわかる。
でもそこは俺の錬金術で金銀を生み出してあてがうつもりでいるので出費など微々たるもの。
現時点において俺の空間収納には国庫の十年分を補ってあまりある金塊が収納されている。
何より神聖帝国対策が必須と言える。
絶対に侵攻してくる。
それに向けて城やら砦やらを築かなければならない。
それなのにイフェリウス派がウンと言わない。
自分たちに旨味がない話だからだ。
いい加減無駄な話を半日もして焦れてきたので『ここで無駄な話し合いをしている間にレーシュ公爵領では困窮する民がどんな末路を辿っているか考えているのですか? 陛下、築城の許可さえいただければ金策を含め後はこちらで全部やります。お許しをいただけますか?』といつの間にか啖呵を切ってしまっていた・・・。
金はある。
正確には金塊だが。
問題は伝手がないことだ。
土壌改善のための肥料、治水工事、築城等々やることはいっぱいある。
それなのに伝手がない。
レーシュ公爵は財政逼迫で関係各所は疎遠状態。
そこで閃いたのが先代ザイン侯爵。
ゾーエ嬢のお祖父様ならそれなりに伝手があるんじゃないか?
亀の甲より年の功。
ビンゴでした!
肥料の研究してくれる学者さんを多数確保してくれました!
そこに現代知識、貝殻を粉末化して作る石灰や自家製堆肥の作り方を伝授。
隠居した築城の名人を教えてくれました!
日本戦国時代の例にならって堀や土塁を張り巡らせた山城と砦として土城を複数作ることにしました。
治水工事に携わった関係者を手広く集めてくれました!
乗越堤や霞堤などを教えました。
あれ?
十年待たずと復興するんじゃね?
今回の改革に携わった関係者は軒並み株が上がった
ザインのお祖父ちゃんは本家と呼ばれるようになる。
レーシュ公爵は本来の大貴族の立場を取り戻す。
俺、その二つから支援されることになる。
次兄エグザリスも積極的に協力をしてくれて、関係各所への融通を取りなしてくれる。
いやー、次兄はいい人だわ。
それに比べて長兄とその一派は・・・。
改革の見通しはたったし、まぁいいや。
やっとゾーエ嬢との時間が取れました!
邸宅に向かおうとすると呼び止められる。
はて?
何事だろう?
え?
ザインのお祖父様とゾーエ嬢がすでに登城している?
え?
陛下と王妃、レーシュ公爵夫妻も待っている?
What?
何? なに? ナニ?
なんかしたっけ!?
えぇ、しました。
超常の存在達と戦いました。
その詳しい顛末を話しておりませんでした。
その結果、『自分を大事にしろ!』と怒られております。
メチャクチャ怒られております。
公爵夫妻が必死にかばってくれます。
そんな中に急使が飛び込んできました。
帝国がレーシュ公爵領に向けて行軍中




