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【第六話です。】



「行く先々でこぞって貴方の姿が見えないとはどういった了見なのでしょうね。」


「無能なんだねぇ。霊媒師なんて名乗ってるのは大概自称だから、仕方ないよ。」


 ふふっとか笑うな。気色悪くもないところが腹立ちますね。

しかも私以外に奴の姿は見えていないらしいのです。


ちょっと霊感ありそうな方が寒気を感じ振り返ったところ私と目が合い、ひっという小さな悲鳴と、主にちょっと納得したような感じなのは何故でしょうか。

なんだか勘違いに拍車がかかっていそうです。

きっとその寒気を霊的なものではなく私の殺気的なものと勘違いしたにありません。



そう、あれはまだ私が中学生だった頃です。


『ねぇ、君にピッタリな仕事があるんだけど・・・どうかな?』と言ってきた人の良さそうな方がいました。

その方の右足首の膨らみは武器的なものではないと思いたいです。

というかその方後ろから声をかけてきましたが気配的なものとか、革靴なのに足音がしないとか、あからさまに一般人ではなかったのですが・・・まぁいいでしょう。



まぁ丁重にお断りさせていただきました。

その時私の笑顔にその方がびくりと肩をはねさせたのは気のせいでしょう。




「真白ちゃん、」


「そういえば名前呼びを許可した覚えはありませんね、岩塩投げましょうか。」


「もう投げてる!」



 やはり宣言してからでは遅いのですね、避けられてしまいました。チッ。

趣ある京都の道路に岩塩が散らばってしまいました・・・まぁ雨が降っているのでそのうち溶け無くなるでしょう。



「濡れないくせに傘に入ってこようとする貴方がいけないのです。」


「えー?相合傘だよ、いいでしょ?」


「ただでさえ狭い折りたたみ傘の面積なので、申し訳ありませんね。」


「俺、真白ちゃんの誠意のこもった謝罪一度も聞いた覚えがないんだけど・・・。」



 たったの4日5日の付き合いでしょう。

そんな長く一緒にいるわけでもないのに何の戯言でしょうか・・・。


 歩くのが疲れたのか浮遊しながら隣を行く彼を見上げた。



「ん?なぁに、見とれちゃった?」


「顔の造形だけは整っているのですがねぇ。」


「うわぁヒドイ。」


 こういう顔の良さを自覚していてさらにそれを利用するのが一番タチ悪いですよね。

まぁイケメンですねと言ってえ~そうかなぁ?そんなことないよ~と言われたらそれはそれで腹立ちますが。

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