【第五話です。】
飛行機から降り、ホテルへ向かう道中何かに勘づいた彼はポツリとこぼした。
「もしかして京都なら有名なお寺がいくつもあるから有能な陰陽師くらいいるんじゃないかってアレじゃないよね。」
「なんですかソレ。心外ですね、そんな安直ではありませんよ。被害識過剰です。」
「噛んだ?」
「被害妄想と自意識過剰をわかりやすく合わせてみたのです、貴方にぴったりのお言葉ではありませんか。」
「うわぁ、率直な暴言に俺の心はもうボロボロなんだけど・・・。」
両手で顔を被ってわかりやすく泣き真似をする彼に少々イラっときました。
なぜ彼はこうもわたしを苛立たせるのが得意なのでしょうか。不思議です。
まぁ私のこの口がいつも以上に回るのは思惑を見破られたことにあります。
お祓いをしていただく前に逃げられでもしたらお金の無駄遣いです。ついでに時間も無駄です。
という訳でさっさか行きましょう。
「もーひどーい、俺傷ついたー。」
「・・・。」
後ろからぴっとりとくっついてきた奴を睨む。
さすがに怖いらしく、そろそろと離れた。
「真白って本当に一般人?」
「暫く一緒にいた人には必ず聞かれますが、一 般 人 です。」
ひくりと口元がひきつるのがわかった。
自分で自分の目を見てもなんとも思わないが、他人から見るとそうでもないらしい私の目は厄介だ。
「だって世の中の汚い闇をすべて知っていますみたいな目してるよ、マジで。」
「残念ながら極めて平凡な人生を送っていますよ。勘違いされやすいだけで。」
恐喝しているヤーさんを不快に思い睨みつけただけで悲鳴を上げて逃げられます。
不良には頭を下げられ一般人は目を見ただけで顔色を悪くする・・・私は一体前世で何をやらかしたのでしょうか神様。
「そういえば、貴方浮きもしませんし触れられないこともないですよね。」
「え、浮けるし通り抜けとかもできるよ。」
と、彼はふわりと浮いて見せてすぐそこにあった電柱に腕を通してみせた。
マジか。
「おや?でしたら何故私に叩かれたり殴られたりするときそうしなかったのです?
・・・・・・・あぁそういう特殊な性癖の方でしたかそれはそれは、なんとも。加虐的精神は少なからずある私ですがそれは気色悪いので早々に目の前から消えてください。」
「些細なことでそこまで言われる俺。涙出てくる。」
空を仰いで目元を抑える彼は非常に絵になっています。
顔の造形が整っている方は得ですね、チッ。
「アレ、今舌打ちした?」
「ご安心ください、気のせいではありませんので。」
「普通逆のこと言うと思うよ。」
「素直こそが私の取り柄ですので、傷つけたようならそれは事故であって故意ではありません。」
白々しいなぁという呟きを無視して、たった今到着したホテルの部屋へ入りました。
荷物をおいてぐるりと部屋を見渡しますと、中々趣のあるデザインです。
さて・・・と一息ついて、彼を振り返りにこりと笑った。
「出かけましょうか、一緒に。」
かの有名なお寺まで。
友人なら戦くような満面な笑顔にも関わらず、彼はキラキラとエフェクトがかかりそうな笑顔で私を見返しました。
「デートのお誘い?」
「勘違いも甚だしいですね。」
さて、行く途中岩塩でも買いましょうか。
このお話を投稿して気がついたのですが、二話目がない・・・ozr
なんて初歩的なミス。
気がついた瞬間にうなだれました。
あときっと誰もマネしないとは思いますが、例え幽霊相手でも人に向かって岩塩投げちゃいけません。
真白は投げるものがただの塩じゃ物足りなくなってきたもようです。
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