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【第十一話、前編です。】

長くなったので前後編です。


「そこの貴女。貴女が真白さんね?」


「・・・・・そうですけど、何かご用でしょうか?」


 御用でしょうかって聞いてしまいましたが、用でもなければ声はかけないでしょう。

ぼーっとしていた中での不意打ちだったので仕方がないといえばないですが。


 紅茶色のつり目がちなパッチリとした目は猫を思わせます。

腰まで伸びた髪は大変サラサラで羨ましい限りです。顔はまぁ、最近の流れに乗り言うまでもなく大変可愛らしいです。本当に同じ女性ですか?というか人間でしょうか。

全くどいつもこいつも。と内心は表にださず目の前の少女を見つめました。


 というかなんでしょうか・・・私、今バイトの帰りで少し疲れているんですけどね。


「晶都・・・知ってるよね?」


「えぇ、先日知り合ったばかりですが・・・。」


「そう・・・・」


 さっきまでの笑顔が嘘のように無表情になりました。

え、なにこれアレですか?晶都くんのファンか何かですかね?


 いちゃもんかなにか言いに来たのでしょうか・・・私相手に、勇者ですね。いえ、自傷行為はやめておきましょう。






「もうしわけございません!!!」





 ・・・土下座された。

あまりにもなめらかな美しい動作で土下座に入った。

こんなにも流麗な土下座は初めて見ました。いえ、別にそう何度も見たわけではありませんけどね。

土下座に入るまでの動作が美しすぎて土下座だと認識するまでに時間がかかりました・・・。



 と、若干の感動を覚えた後冷静になって周りを見回してみました。


「・・・・・・・・・・あの、道端でそういうのはやめてもらえませんか。」



 相手も周りの視線に気がついたらしく、ハッとした後勢い良く立ち上がりました。


「ごめんなさい。ここだとアレだから・・・私の部屋に来てくれる?」


 先程から思いっきりタメ語だが、おそらく彼女の方が私よりも歳は下でしょう。

いえ、別に気にしません。私、心広いですから。



「なになに修羅場?真白ちゃん相手に勇者だねぇ。」


「・・・・。」



 空気読めなきゃ吸わなきゃいいとはよく言いますが・・・そういえば彼、もう息していませんでしたね。

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