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アバンチュールの名の下に  作者: ヨイヤサ・リングマスター
第一部:異世界でのアバンチュール編
8/11

第8話:旗揚げって揚げ物の種類みたいじゃのう

 ノリで書いているのでどうなっても私の知ったこっちゃないぜ!

 ってなノリで書いているのは作者である私自身なので作者である私すら先の展開が読めないのですから今回の話のような展開になるのも不思議じゃないという話です。


「いやね、ここに河童たちの村があるって聞いたもんだからさ。

 俺達『船幽霊海賊団』としては襲わざるを得ないって思ったんですよ。

 ほら、河童と船幽霊って、同じ水に関係した妖怪ですし、俺達は柄杓を持てば水の妖怪で一番強いって誇りを持っていたもんだから、無双プレイしてやるぜーってノリになっちゃうのも当然じゃないですか。

 だから! 襲いました!!」



 とまぁ、これが石化魔法を掛けっ放しにしていた海賊たちの石化を解いた直後のセリフである。


 ワシの石化魔法は意識はあるままじゃから石化状態でもワシらの会話は聞こえておるし、実際に石化を解いたあとには何の目的で石化を解いたのか分かってくれているので説明が省けてありがたい魔法でもある。


 しかし、しかしじゃ。

 こいつらのこの発言を聞くと、何故? という思いが浮かぶのじゃよ。



「おどれらはスカかぁぁぁー!

 この世界『わっちふぃーるど』には妖怪がうようよいるから船幽霊がいるのはいい。

 じゃが、水繋がりで河童に優越感を持ちたいという理由で襲うとか何考えとるんじゃ!?」



 というか船幽霊の海賊って、海戦では最強では?

 とも思うが、ワシが来た時点でこの世界に最強を語れる存在はおらんのじゃがな。



「もういいわ。

 キルカッツ様、こいつらみたいな誇り無き悪には『髪の毛や爪にも神経を通わす魔法』でも掛けてあげればどうですか?」



「流石はwワシの愛しのユティ。実にすばらしい考えじゃ。

 ……と言いたいところじゃが、それは流石に可哀想な気もするのう……。

 精々『不老不死』ではなく、『不死の呪い』でも掛けて、不死でありながら不老ではないという永遠に老い続ける恐怖を与えるというのはどうじゃろうかと思うのじゃよ」



「すいませんでしたぁぁぁぁー!

 もう反省していますのでそれだけはどうかご勘弁を~!」



 ちゅーか、そんな面倒な魔法掛けるつもりないんじゃがな。


 大体水に関係する妖怪ってのも多いが、船幽霊が最強だなんて話は聞いたことがないのう。


 この世界では水の妖怪は、船幽霊と河童しかおらんのじゃろうか?



「キルカッツさん、キルカッツさん。

 この世界には水に関係する妖怪だと河童の上位種でもある『ヒマガッパ』や魚人の上位種の『オトト軍』なんかもいますよ。

 さらには水の妖怪頭領の『竜神』リヴァイアちゃんは酒の席で面白半分にこの村の属する国のすぐ隣に位置する国を滅ぼしたりしてますし」



「『リヴァイアさん』じゃなくて『リヴァイアちゃん』ですか。

 それにノリで一国を滅ぼすだなんて、私たちと気が合いそうですね♪」



「そうじゃのう。ワシらも常にノリで行動しておるし、なんならそのリヴァイアちゃんの家に電撃訪問するのも面白いかもしれんのう♪」



 まさに以心伝心。

 ワシとユティは心を読むまでもなく息ぴったりの最高のパートナーじゃ!


 ちなみに他に水の妖怪として有名な海坊主なんかもおるそうじゃ。


 ただまぁ、海坊主は一人一種の妖怪で、日々喧嘩に明け暮れていた両耳のない犬の姿をした妖怪だったそうじゃが溺れて死んだそうじゃ。


 海坊主が溺れて死ぬとは、この世界の妖怪はえらく生き物じみちょるのぅ。


 まぁ、古代人が科学的に作ったのなら仕方がない事じゃろうが。



「まぁ、そんなことは置いといて。

 それより海賊ども、お主らワシに負けたんじゃからワシの子分になれ。

 そろそろこの村を拠点にしつつ、この目の前に広がる海へと冒険に繰り出したかったところじゃしのう」



 というのは、たった今思いついたことじゃ。

 世の中ノリで動いてこそじゃからな。



「よしユティ、次の目的地は海じゃ!

 海へ出ることのみを目的として出ようじゃないか!!」



「がってんキルカッツ様!

 この船幽霊たちもいい船持ってますし、このまま私達が頭となって悪徳領主や貴族なんかを襲うのもいいですね♪」



 そう言ってユティはポケットからモーニングスター(トゲ付き棍棒)を手に可愛らしい笑みを浮かべる。


 うむうむ、やはりユティは武器を手にもっとると気が一番可愛く見えるかもしれんの~♪



「……あの、何でこんな流れになったんですか?」



 すっかり存在を忘れていた河童のデビット君。

 じゃが、ワシが彼を放置していたのには勿論理由があるぞい。


 彼は先ほどから、まだ恋人ではないが両想いのマオちゃんにチョークスリーパーに見せかけて思いっきり抱きしめられていたから放置していたのじゃ。


 マオちゃんの目が「邪魔するな~」と、怨念のように禍々しい感情を向けてきおったからのう。


 うかつに手を出そうものならマオちゃんだけでなく、ユティまでキレて大喧嘩になっていたじゃろうし。



 ってなわけで、キルカッツ海賊団の旗揚げじゃー!



 ……まぁ、これもノリですね。

 別にキルカッツは他人の恋路を邪魔をしようとしている訳じゃありませんし、ユティを一番に考えているだけです。


 まぁ、ユティの方もキルカッツのことを一番に考えているので二人が合わさって「スーパーパワーを見せてやるウーハー!」な状態になっているだけですので周りに迷惑がかかることもありますが、基本ほのぼのとやっていきます。


 それと海の妖怪と言えば海坊主なんかが個人的には特に有名ですが、この作品の海坊主は一人一種の妖怪で、すでに故人となっているという設定です。


 具体的には片腕の熊を倒すためにロープで縛って沼底に沈めようとしたら、自らの足にも絡まってしまい溺れ死んだのですよ。


 紅桜……、お前は実に立派な漢だ。(詳しくは漫画『銀牙 -流れ星 銀-』をご一読ください)

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