表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アバンチュールの名の下に  作者: ヨイヤサ・リングマスター
第一部:異世界でのアバンチュール編
5/11

第5話:王様、村に馴染みまくる

 『狼と香辛料』のホロは賢狼と呼ばれていました。


 しかし河童もそれに負けず劣らず知的な妖怪だと思うのですよ。

 おうワシじゃ。キルカッツじゃよ。


 ノリで三人称で始めてしまったが、本来ワシのような究極素敵で究極カッコいい究極の主人公の物語なら一人称が基本じゃから今回からは一人称でいくぞ。


 今回はユティの介入もなく、どうにか無事にワシ視点の一人称作品として始められそうじゃわい。



 ではスタートなの!






「と言う訳で、この村にしばらく世話になるキルカッツじゃ。

 よろしく頼む!」



「前回の続きとはいえ、いきなり余所の世界の見知らぬ村に住み込み宣言とは流石はキルカッツ様!

 私の愛する殿方は対比物が一切見当たらない最高の方ですわ♪」



 『天狗っぽい族』を撃退したワシらは『賢河童けんかぱ族』という人たちのおる村に厄介になることにしたのじゃよ。


 ワシが思うにああいった手合いの連中は懲りずにまた来るからのう。

 用心棒をする、という理由もあるが、一番の目的はユティとワシのアバンチュールを彩るおまけとして天狗のような敵を求めておるからちょうど良いと思っただけじゃ。



「えーと、村の恩人を泊めるのは構わないのですが、説明も何もなしで『と言う訳で』という始まりだけでは分からないのですが……」



「私達はお互いに愛し合い、この世の愛のすべてを極めようとこの世界にやってきました。

 なので特にこれと言った目的もありませんし、この村に厄介になりたいのですわ」



 いまいち理解出来ていなかった村長らしき人物に説明補足をするユティ。


 おかしいのう、ワシは「ユティが大好きじゃからこの村に泊めてくれ」ときちんと説明したというのに伝わらなかったのか。



「キルカッツ様、私たちの愛はお互いへの言葉を不要としますが、他者には言葉にしないと伝わりませんわ」



「はっはっは♪ そういえば口に出して言葉での説明はしておらなんだのう。

 しかし、相変わらずユティは可愛い!

 理解しておらんが、その可愛さに意識の大半を持っていかれるので、とりあえず分かったと言っておこう」



 ユティさえ居ればどうでもいいしの。


 と言う訳で、今度こそこのカッツパルゲル村に世話にになることとなったのだ。



「では改めまして、わしは村長のピン・シリュウと申しますじゃ。

 ちなみに貴方方の心を読むと『河童の癖に頭に載せるのは皿じゃなくてもいーのかよ?』と思っているようですが、私たちは趣味で皿を乗せているだけなので無くとも問題はないのですよ」



「心を読んだってのは置いといて、河童のトレードマークでもある頭の皿は趣味で乗せているのか?」



「帽子みたいなものなんでしょうキルカッツ様。

 それにそこに注目するよりも、かっぱなのに緑色の全身タイツを着ていないことの方が私には驚きですわ。

 河童=緑って気もしますし」



 カッツバルゲル村の河童たちは頭に載せる食器は皿ではないだけでなく、服装もそれぞれに個性があるものを着ている。


 やれやれ、最近の妖怪は自分たちの種族的アイデンティティーに誇りはないのじゃろうか?



「ほっほっほ、それは古い価値観というものですよ。

 この世界、わしらは『わっちふぃーるど』と呼んでおりますが、この世界に生きるものは皆、他の世界では妖怪だの化物だのと呼ばれる存在の遺伝子を人間に混ぜることによって誕生した人工的な亜人種だと聞いております。

 古代人は科学力が優れていたそうですじゃ」



 いやいやいや、遠い目をしているが村長さん。あんた一体何者じゃ?

 というかこの世界、『わっちふぃーるど』って何?



「キルカッツ様、『わっちふぃーるど』とはこの世界の名称で、古代人というのは彼ら亜人っぽい人らを作った存在のようですわ。

 私も村長の心を読んでみましたが、どうやらこの方は数千年も生きている大妖怪。

 あまり一話に情報を詰めっ込み過ぎるはのは作者的にも面倒なので、詳しい話は次回以降にでも説明しますがゲーム『うたわれるもの』の世界を妖怪に置き換えたものを想像していただければ分かり易いかと思います」



「ほほ~、やっぱユティも心が読めるのか。

 ちなみにワシも108以上ある特技で村長の心の中を読んでやったから説明は不要じゃよ」



 ちなみにこの世界の成り立ちに関する記憶もごっそりワシの頭の中に転写しておいたからこの世界で暮らしていくのにそうそう苦労はせんじゃろう。


 ただ、ワシとユティは連中の言う『古代人』と同じく、妖怪っぽい容姿をしておらんから人里などでは注目を浴びることになりかねんがのう。



「さぁさぁ、立ち話もなんですし歓迎しますですじゃ、異世界人にして種族『人間』のキルカッツさんにユティさん。

 この村の名産品であるズッキーニ料理でも召しあがってのんびり過ごしてくださいですじゃ」



 村長……、古代人がどんな知識をあんたに与えたのかは知らんが、河童=ズッキーニという公式は成り立たんぞい



 天狗に関して言えば、私は「深山の女天狗」が、かなり好きですね。


 自己流ムエタイ使いの宇宙人とタッグを組ませていましたが弟には勝てなかった……。


 こちらの攻撃全てをホールド技で返してくるだなんて上手すぎだろ!?

 (格闘ゲームの『DOA2』の話です)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ