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アバンチュールの名の下に  作者: ヨイヤサ・リングマスター
第一部:異世界でのアバンチュール編
2/11

第2話:ラブ突然

 更新ペースはこれまでよりは落とすかも知れません。


 最終話をどうするかは決まってきましたが過程をどれくらい伸ばすかは思案中ですし。

 というかまたもや一日に連載開始とか、私はなぜ一日からの連載開始がカッコイイと思うのでしょうかね?


 その答えは簡単、「理由はない」。何故なら、カッコいいからだ!

「姫様、やはり今回の儀式もどうせ失敗するのではないですかな?」



「うるさい馬鹿!

 この完璧超絶美人で文句のつけようのない美の女神である私が失敗するなどあるはずがないわ!」



「いえ、現にこれまで召喚した異世界の勇者というのは全て平民だったでしょう?

 それも何の特殊能力もないものばかり」



「私は失敗なんて一度もしていない!

 勇者が来ないという実験結果を出しただけよ」



「いえ、世間ではそれを失敗と呼ぶのですが「死ね!!!」グフッ……」



 黄金色に塗られた悪趣味な部屋。


 その真ん中に立つのは部屋の壁よりもずっと美しく濃い金色の髪を腰に届くほどに伸ばした絶世の美少女。


 傍で控えていた男は服装こそはかなり上等の物を着ていたようだが、それもこの姫と呼ばれていた少女の理不尽なる暴力のためか、少しばかりくたびれた印象を受ける。


 女性の目の前に浮かぶ魔法陣には今なお、魔力を注がれ異世界の勇者を招く儀式は順調に進んではいるのだが……。



「あー、ったく何で異世界の『勇者』が来ないのよ!?

 どこぞの小説では平民を召喚しても特殊なルーンが刻まれることで大活躍する平民もいるってのに、私が召喚する平民は馬鹿ばっかなんだから!」



 これまでに三度ほど失敗、もとい成功しなかったという結果を得ることになったこの少女の名はユティ・パミュロ。


 この世界、つまりユティの世界における王国フニャララ王国の王女様である。


 この国は現在『魔王』を名乗るちょっと痛い人物が世界を支配しようと人間も魔族も関係なく配下にしてこの国を攻め滅ぼそうとしているために異世界の勇者が必要なのだ……が。



「ったく、召喚魔法は呼ぶだけでもけっこう疲れるってのに送り返すのにも魔力使っちゃうのよ。

 いい加減今度こそ成功させて残りの血なまぐさい危険な仕事は全部勇者に任せるお気楽で平穏な生活を送らないと……」



 魔法陣に魔力が溜まったことで呪文詠唱を始める。



「『リーュミロ・パ・ィテン・イエユ』

 この超ぜちゅ美人ユティパミュロが命じる!

 世界を司るなんやかや、異世界の勇者をさっさとこっちに送れぇぇぇー!!!」



「……噛みましたね」



「噛んでない!」



 まぁ、セリフを噛んだのはスルーするとしよう。


 とりあえずユティもいい加減飽きてきていたのだろう。


 多少大雑把な呪文を詠唱し終えると稲光が発生し、その光が弱まると煙を散らしながら一人の男が魔法陣の上に立っていた。



「……ワシが必要か?」



 多少、年食ってはいるが、その眼光は鋭く、まさに歴戦の猛者と言った雰囲気がある男。



「いや、姫様。

 どう見てもこの男、いやこのおっさんは失敗でしょう。

 けっこう間抜けな顔をしていますよ」



「なっ!? 何を言うか馬鹿!

 この男は私がこれまで召喚してきたどの平民よりもすぐれた魔力を内包している。

 それが分かんないの!?

 これほどの人物なら必ずや魔王を倒してくれるに違いない!

 きっと魔王退治もしてくれるに違いない!」



 四度目の正直という感じで召喚したのが、渋いダンディーな男とはいえ、勇者っぽくはないので少し焦ったユティ。



「ワシは魔王に困っている世界を救いに来た異世界の勇者じゃ」



「ほら見なさい♪

 やはり私の召喚は成功したのよ!

 この人は本物の勇者なのよ♪♪」



 テンション上げ上げのユティ。



「しかし姫様。

 このおっさん、随分と年食っちゃってますよ。

 こんなんで剣が触れるんでしょうか?」



 姫の付添の男の心配ももっともなもの。


 すでにお分かりだと思うがこの勇者はキルカッツ・ウィルムヘッド。


 御年50歳の初老と言っても過言ではない年であった。

 キルカッツ自身が渋めのワイルドオヤジを目指しているのもあるが。



「ふむ、じゃあ若ければいいのかのぅ?

 呪文詠唱:代償なく覚醒する能力『メトラ・プレイス・ロック・ティー』」



 呪文詠唱によってあらゆる神、精霊、それに邪神や悪魔すらも無条件で味方につけるキルカッツの能力によりその肉体は30年ほど若返った。



「これでどうじゃ? 異世界のお姫様。

 ワシは正真正銘の異世界の勇者じゃろ?」



 ちなみに言葉遣いはそのまま。


 別に若返ってもキルカッツは別段可愛らしい『男の娘』という訳ではないのだが……。



「カ……カッコいい!

 異世界の勇者様、是非とも私の世界の魔王を退治してください!!」



「うむ、引き受けたぞなもし!」



 こうして、このフニャララ王国が抱えていた魔王と名乗る痛い人物は異世界の勇者キルカッツの手により滅び去り、世界は平和な時を迎えるのであった……


 だが物語はここからがようやくスタート。


 もうちっとだけ続きますよ。

 もっとギャグを、もっともっとギャグを……。

 8作目が「熱さ」をテーマにしていましたからここらで「ギャグ」をメインに据えなければ私は私らしさを失ってしまいかねませんからね。


 しかし更新ペースはどうなることやら。

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