約束
「大丈夫ですか関口さん」
「あぁ一応……な大丈夫だ」
終電の電車内は酔ったサラリーマンやオッサンやOLが間隔を空けて座席に座っている
ちょうどBizのハピネスがヘッドフォンから流れ出したとき
親からいわれた約束を思い出した
「瑠華は電車に乗って日本の風景を撮る為に全国を駆け回るだろうから(勝手な決め付け)
今からでも遅くはない中学になったら電車に乗って旅に出なさい
ただし絶対に家に帰ってくる事以上!」
って両親から言われてはや3年
その間に電車に乗って色んな所に行ってきた
でも風景を撮る為にカメラを持っていった事は一度も無いけどね…
私に外の世界を見せるための親が考えたんだろう
でも夢だったんだこうゆうの一人で色々な所旅するの
本だけでも結構楽しめるけど実際外出てみると結構気持ちが良い
っていっても今は関東だけだけどねけどいつかは全国周るつもり
そうそう私を動かした原因の両親は
いつも2人で旅行中です
嘘仕事だってさ
だけど一年で3回だけ帰ってくる
それは1月と8月と12月
理由を聞いたらクリスマスとお正月と夏休みがあるから帰ってくるらしい
夏休みって……ねぇ
「終点 土浦〜土浦〜」
っとそんなことを言っていると
終点を告げるアナウンスが流れた
その時ふと窓を見ると
外はもうすっかり暗くなっていて
ビルのネオンが眩しく輝いていた
「ご乗車ありがとうございました〜」
乗車口が開くとこれまで車内の暖房の熱を消し去り
冬の冷気が一気に肌に突き刺さってくる
寒いというか痛い
「うぅ寒ぃそのうち雪降るんじゃないのまったく」
ブツブツと独り言を言いながら丸背中を丸めてボリュームを少し上げた
なるべく風に肌があたらないように近くにあった自動販売機に向かった
「……ねぇなんで何でなの?」
誰か(不特定多数)に対し問いかけてみた
当然誰も……
「何がですが?」
と答えてくれるわけないって言おうとした瞬間になんか話しかけらレタ-
突然の出来事に私は声の方へ振り向いた
「なっ何か……?」
平然と振舞おうとしたがそれが裏目に出た
声がガチガチだ不自然だし……
「あっいえ「何で」と言ってんで」
以外にも声の主は清掃員のお姉さんだった
顔は整っていてスッキリした感じがして
同性の私から見ても綺麗だと思う
髪は栗色でも光が差すと赤っぽく見える
それに落ち着いた雰囲気がある
初めての会話がこれだった
この出会いなんて単なる偶然だったのかもしれない