ま、いっかの代償
子供を産み
リバウンドしてから——
初めての、健康診断。
実はそれまで
健康診断を受けたことは
一度もなかった。
アルバイトだったこともあり
受ける機会がなかったのと
ありがたいことに
大きな病気も
したことがなかったからだ。
結婚して、扶養に入ったことで
旦那の会社で受けられることになり
私は、初めて
健康診断というものを受けた。
そして——
結果。
白血球数
16000
それ以外は
驚くほど、綺麗な数値だった。
だから——
そのときは
あまり気にしていなかった。
けれど
健康診断を受けるたびに
医者は、必ず言った。
「一度、きちんと受診してください」
でも——
体調は悪くない。
日常生活に、支障もない。
だから私は
「はーい、そのうち行きます」
そう言って
ずっと、流し続けていた。
ただ——
出産後。
ワンオペ育児や
いろいろなストレスが重なったのか
扁桃腺を
頻繁に腫らすようになった。
そのときの採血で——
病院が、ざわついた。
「これは……入院レベルです」
そんな言葉が、飛び交った。
でも私は
「いや~いつも
こんな感じなんです」
そう説明して
なんとか
入院は免れた。
もしかしたら——
太っているから、かもしれない。
そう、思った。
でも
(……ま、いっか)
どうにかなるなら
とっくに、なっているはずだ。
そう考えて——
私は、最初の健康診断から
十年もの間、その数値のまま
生きていた。
そして——
運命の日が、来る。
その日も
いつもと変わらない、夜だった。
夜ご飯を食べて
息子を寝かしつけて
ようやく訪れる
“自分の時間”
お菓子をつまみながら
チャーハンや、ラーメンといった
夜食も食べて
少しだけ、ゲームをして
仕事中の旦那に
LINEを送る。
そんな、何気ない時間。
やがて、眠気に誘われて
そのまま、眠りについた。
——そのときは、まだ。
何も知らなかった。
異変は——
すぐそこまで、来ていた。




