ダブル
とあるレビューサイトがあった。
よく見ているサイトだった。
そこの管理人が、ここ数年で自分はもう時代についていけない老害だ、ただレビューするだけの(創作者側で無い)人間の発言に価値は無いみたいな発言を連発するようになり今年とうとう活動停止した。
その流れをふーんと思いながら見ていた。活動を辞めたのは寂しいがまさしく時代の流れで仕方ないだろうと。
が。
実はその人、一昨年には別名義でクリエイターとしてバリバリ創作活動しているようだった。
そこそこな支持も集めていた。
このことをつい最近知った。
レビューサイトでは創作活動していることなど一ミリも明かしていなかった。
一方ではデビューしたてのクリエイターとして意欲的な発信を行い、また一方では創作とは無縁の時代遅れの哀れなレビュアーとして世を儚んでいる……去年まではそんな二重の活動だった訳だ。
……なんか凄くないか?
個人的に結構な衝撃があった。
な、何故そんなことを? というか。
まあまっさらな状態で創作活動を始めたかったということだと思うが、レビューサイトの方でクリエイター活動をおくびにも出さなかったのが凄い。
普通は何かそういう素振りを見せそうなものだが。
厭世的な語りに若干共感を覚えていたので余計に驚いた。別名義での別人格ぶりに。
哀れな老人を演じながら、クリエイターを羨みながら、本当は俺も創作者側だけど! という心の余裕があった。
でも他人には気取らせなかった。それを数年間続けた。
いやはや。
毎度のことながらつくづく他人は分からないものである。
自分のことすら分からないんだから他人が分かる訳が無い。




