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婚約破棄の場を乗っ取ってみようではないか

作者: くりゅ~ぐ
掲載日:2026/03/31


「ミランダ・ライズ! 私、ジャック・ムーンは貴様との婚約を破棄する事をここに宣言する! そしてこのステラ・アーモンド男爵令嬢を婚約者とする事をここに居る皆に宣言し、この愛を(いと)しいステラに誓い、この私の想いと永遠の愛を皆にも伝えようではないか」


一切の前振りやこの卒業パーティーの参加者に注目させる様な言葉も無く、突然訳のわからない宣言に学園の卒業パーティーに参加した者達が困惑し、呆気に取られている。


()()が何か始めたであるとか、あのお方の何時ものアレか? とか、せめて今日位は空気を読んでくれよと等々、この場に居る皆が思っていた。

訳の分からない宣言とやらは何時もの事だが、王族の一員ならせめてその宣言とやらはもう少しちゃんとした言い回しで言ってくれよと、何回愛と言ってるんだ? 文法的にどうなのだろう? 頼むから簡潔かつ正確に言ってくれと皆が思っている。


ジャック・ムーン第三王子は、良く言えば一本気で決断力があり決まり事に縛られない柔軟な男である。時代が時代であれは英雄となっていた可能性もあったのかも知れない。但しそんな時代は来ない訳だが。


そして悪い意味で言えばこの王子様は、バカ、アホ、マヌケ。空気を読まないし読めない。向こう見ずで猪突猛進の愚か者。大言壮語(たいげんそうご)の口だけ王子サマ。自分を有能だと思い込んでいる道化。決めつけと思い込みの権化。可愛らしい小動物の皮を被った愚者(ぐしゃ)。等々の二つ名には事欠かない第三王子様である。


見た目は小さく可愛らしい顔をした()()は、その見た目とは真逆の性根であり、プチデビルとも堕天使とも言われているお人だ。そしてその王子様がやらかした事を、一瞬呆けてしまっていた会場の面々は現在の状況を今理解し、内心焦り始めた。


この国の公爵家の跡取りにしてアレの婚約者であるミランダ嬢に公の場であり、目撃者が多数居る場でやらかしたのだ、その影響は計り知れない。


公爵家筆頭であり、門閥貴族の(ゆう)。南部貴族の寄り親。貴族の中の貴族。と、様々な言われ方をしているが、一言で言うなら決して敵に回したらいけない家である。


そもそも論としてこの二人の婚約は、王家が頭を下げてまで結ばれた婚約でもある。それを第三王子ごときがこの様なアホ丸出しのやり方で一方的に破棄等すればどうなるか、それすら分からないから()()は愚か者だと言われているのだ。


この国、ムーン王国は強国である。それこそ帝国と名乗っていないのが不思議な程に大国でもあり、この大陸に覇を唱えてこそいないが、少し離れた西方にある帝国に次ぐ力を持った国、それがこのムーン王国である。


このムーン王国は今絶頂期にあると言われており、その理由の一つが現国王が優秀であるからと言われている。だがそんな優秀な国王にも欠点はある。()()完璧と言われている国王だが、その唯一の欠点が家族愛が深いと言う点だ。


公明正大であり、為政者の中の為政者。王の中の王。王になるべくして生まれて来た男。

その様に言われいる王の唯一の欠点がもたらしたのが()()である。


家族愛が深いのは良い事だ。だが反面その愛の深さ故にアレが誕生してしまった。

第三王子であるアレは、末っ子で年の離れた兄二人と姉三人がおり、ある程度年が行ってから授かったからか国王や王妃はつい甘くなってしまった。だがその結果アレが大量の二つ名を授かる事にもなっている。アレの二つ名は人はそれを陰口ネームと言う。


アレにはダメな事をしたらちゃんと叱りもしたし、言い聞かせてもいたが徹底出来なかったからこそ、だからこそアレになってしまっており、国王の唯一の欠点が()()であると言われている。それがまぎれもない事実である。


有力貴族であり、幼い頃からしっりした令嬢のミランダ嬢と縁を結び、可愛い我が子が入り婿として何不自由無く暮らして行けると思い結んだ縁を自ら絶ち切る。その結果どうなるか思い至らない時点でアウト。

我が子可愛さのあまり判断が甘くなっている王も流石にコレは庇いきれまい。だが……。




~~~


おい! あのアホやりやがった、マジでやりやがったよおい。

マジか……。アホだアホだとは思っていたけど、ここまで極まっていたのか? ああそうか、俺はまだあいつらを過大評価してたんだな。


しかしやるかもとは思ってはいたが、本当にやられると前以て心構えはしてたけど一瞬呆けてしまったよ。

悪い夢なら覚めて欲しい。しかもあのアホタレが婚約破棄したのは我が家の寄り親のご令嬢だぞ。南部貴族のお頭の令嬢だよ、思い切り俺ら南部貴族の(かしら)の娘さんだよ。ふざけんなよ、あの合法クソショタ堕天使が……。


と言うか周りにこびりついている側近共もアレに負けず劣らず無能のボンクラ揃いだよ。何ドヤ顔で頷いてるんだ? そしてアレの横に居る、いや、寄り添って無駄乳を押し付けてるあのクソビッチお前も何を雰囲気出してんの? 被害者面してるつもりみたいだけど不貞だからね。分かってやってるんだろうけど、むしろキミ加害者の一員だからね。


あー、あのアホめ、お前の講釈なんて聞きたくも無い。論理的かつ正確に言えないなら黙ってろよ。

何がいじめだよ? そんな平民の幼子がやる様な()()()()なんぞするかよ。て言うか南部貴族を舐めてんの? いちいちそんな下らない手間隙掛かる割に効率悪い事しなくても、簡単に木っ端男爵家ごとき潰せるんだよ。分からないかなぁ。分からないからこんな下らない茶番劇が繰り広げられてるんだろうけど。


大体だ根本的な問題として、ミランダ嬢は俺達南部貴族の者が常に周りに居たんだぞ、南部貴族の令嬢達は最低でも数人はミランダ嬢を守る為に付いていたのに、それなのにどうやってこっそり()()()()何て出来るんだよ? もうそれを考えられない時点でアレのアホさが分かるってもんだよ。と言うか気に食わなきゃそんな手間隙掛かる面倒な事せずにぶん殴ってる。それが一番手っ取り早いのだから。


そして何故ミランダ嬢がそうしなかったか、自分や家の立場が宜しくない事になるのに、敢えてやらなかったか欠片も分かっていないし、考えられない。だからアレは愚か者って言われてるんだよ。

あんなクソビッチの跳梁を許すって事の意味。しなければいけない意味。それこそ良いとか悪いとか、愛だの恋だの好きだの嫌いだの、想ってる想っていないとかそんな下らない事を抜きにして考えたら普通なら分かる。普通の感性をしてたらな。何故ならあんな害虫以下のクソビッチを排除出来ない程度の能力しか自分にはないって皆に言っている様なものなのだから。


別にミランダ嬢個人の、自分自身の力だけ使ってやらなければならないって事じゃ無い。

家、この場合はライズ公爵家だが、それに加えて公爵家の寄り子やライズ公爵家派閥の者の力を使っても良い。むしろそれら全てを使いやってこそ、自分自身の能力や力を示す事、上に立つ人として認められる事になる。


たまに居るが自分自身の力だけでやれ、人を使うのは卑怯だの、持っている権力を使うのはダメだとか寝言をほざいている奴が居るが、それって舐めプしろって事だろ? 持ってる力や権限や権力を使うのなんて社会に出たら当たり前の事。それなのに使うなって小学生か? って奴も世の中には結構居るんだよなぁ……。上に立つ人間としてそれ等を使わないのは、自分は使えないって言ってる様な物だ。つまり自分は人を使う事が出来ない無能って言ってる様なもんだよ。俺に言わせれば自分の上に立つ人間がそんなんじゃ安心して仕える事が出来ないし、忠誠だって誓えない。忠誠心は無から生まれないのだから。


と言うかあんなクソビッチごとき簡単に排除出来るのに敢えてやっていないって事は、お前との婚約は不本意です、嫌なんですって言ってる様な物なんだが、言うなれば無言の拒否なんだけどアレは一切分かっていない。自分の婚約者に近付く奴を排除するのは、それこそ愛の無い只の政略の為でも普通はやる。じゃ無いと自分はそんな事すら出来ない無能って周りに言ってる様な物。もっと言えば自分や家、派閥の政敵を排除出来ない無能なボンクラって宣伝してるって事だからな。


つまりそのデメリットを被ってもお前との婚約継続は嫌、お前と共に生きて行くのは嫌って周りにアピールしてるんだけど、アレとアレの周りに居る奴等だけが分かっていないし理解出来ていない。ウチの派閥だけで無く、他の派閥やそれこそ平民の生徒ですら分かってるし理解しているのにあのアホ共は……。


しかしあの第三王子と言う名のバカの周りに只居るだけの別名こびりつきの汚れ共、お前ら側近なんだろ? 只居るだけの奴を側近とは言わないし、普通は思われないんだよ。諫言出来ずに只々居るだけの奴は太鼓持ちって言うんだ。もしくは封間と言う方が正しいかな? いや待てよ……。芸人で言う所の雛壇ガヤ芸人と言う方がしっくり来るか? だけどこの世界ではそんな言い方しても誰も分からないか。


しかし……。なーんか違和感あるなぁ……。

コレ、婚約破棄物の物語なら王子は均整の取れた身体つきの美形で、オラオラ系だとか戦士系? 騎士系? 脳筋だとか、とにかくスラッとした美形が普通と言うかテンプレだけど、その王子サマはショタ系なんだよな。そしてその王子様に寄り添うヒロインって普通は小柄な可愛らしい小動物系だとか、言い方が可笑しいが普通の美人系? てのが大体の物語のテンプレだけど、アレに無駄乳押し付けてるのはゴージャス系だよ。前世でテレビに割と出てたあのゴージャス美人? 姉妹みたいな系統ってお前……。違和感ありまくりだよ。しかも紫色の髪ってなんなん? そこは普通ピンク髪だろお前。いかんな、俺も大概乙女ゲー脳に犯されてる。でもだよ、髪色紫っておばあちゃんかお前は? 別にどうでも良いんだけど。


んーでだ、さっきからクソショタに悪役令嬢って言われまくってるミランダ嬢は、美人ってより可愛い系だし。うん、美人ってより可愛い系だな。美人三割可愛い七割の方だもん。美しいのは美しいけど、可愛いが勝ってる。

そんで我らの寄り親の御息女でもある次期公爵のミランダ嬢は、悪役令嬢の役割なのに可愛い系ってやっぱ違和感あるんだよね。

これは俺が前世の知識とか記憶に毒されているからなのだろうか?

多分前世の姉と妹の不必要な教育の賜物だよな。いらん事ばっかペラペラペラペラと聞きたくも無いのに教えて来やがってからに……。


それにしても何回あのクソショタはミランダ嬢の事を悪役令嬢って言ってるんだ? お前の中で今その言い方がマイブームにでもなってるの? 誰か数えてるかな? 何回悪役令嬢って言ったか。別にどうでも良いんだけど。


て言うかミランダ嬢に可愛げが無いだって? やっぱアホだろお前? ミランダ嬢は可愛さしかないわ。

でそのアーモンドかピーナッツか知らんが、可愛さの権化だって? お前言葉の意味分かって使ってる? 確かにお前の横で無駄乳押し付けてるクソビッチは美人なんだろうよ。だけど可愛いは違うと思うぞ。

大体だな、お前どうせその無駄乳に惹かれただけだろ? て言うかあのクソビッチどんだけ背が高いんだよ? アレ(クソショタ)ソレ(クソビッチ)の身長差よ。

と言うか相変わらず話長いなぁ……。報告は簡潔かつ正確にって習って無いのお前は? ちゃんと周りを見ろよ。もうお前の話に飽きてるぞ。本当空気読めないなアイツって。


あーもう! 本当どうしよう。コレちょっとでも間違ったら下手したら国が割れるぞ。

ライズ公爵家だけでも小国どころか中規模国家並みの領地と財力があるんだぞ。ライズ家の寄子を南部地域含めたら国として十分以上の力があるんだ。それなのにあのアホクソショタは。

我が国は結構広い。特に南部地域は無駄に広いんだ。しかも穀倉地帯でもあり、食肉や乳製品に魚介類の一大生産地だし、港が集中してるんだぞ。南部六割、西部三割、北部一割。貿易の(かなめ)である貿易港の半分以上は俺ら南部貴族が所有してる。我が家であるフイッシャー子爵家も領地に貿易港を所有してるが、コレは無駄に領地が広いからそのお陰でもある訳だが。


「ローレンス……」


おっと! 俺の可愛い大事なアメリアが不安そうな顔しちゃってるじゃないか。ベル子爵家のアメリア。俺の可愛い婚約者。うーん本当可愛いね。

文学少女系の控えめで心優しい俺の婚約者。

チャームポイントは眼鏡。この世界では眼鏡はもの凄く高い。庶民では買えない程高いが、貴族だから財力はあるからアメリアは眼鏡を装備してる。うん、眼鏡の文学少女良いね。さらに俺のアメリア、三つ編みだよ三つ編み。おさげでは無く、一本三つ編み。最高に可愛いね。とは言え今日はアップにしてるから大人っぽさが勝ってるけど。

卒業パーティーなのにドレスでは無く制服でってのがチグハグな雰囲気を醸し出してるが、学園の卒業パーティーなんだから仕方ない。でも皆の髪型と制服がチグハグなんだよね。これも伝統だから仕方ないんだが。


しかし俺のアメリア。前世の姉と妹達みたいなエセギャルとは大違いだよ。奴等は自称ギャルのくせ乙女ゲーも大好きって言う訳の分からん姉妹だったが、そんなんだから俺にエセギャルって言われるんだ。

元気にしてるかな二人共……。


おっといかん! 今はアメリアだ。


「大丈夫だよアメリア」


「でも……。これって国が割れてもおかしくは無い出来事だよ。どうしよう……。うちの家って今、軍備の再編成の最中なのに……。万が一国が割れたら再編成中の領軍で戦わないといけなくなっちゃう……」


うーん心優しいアメリアですらコレだもんな。南部は蛮族の集まりって言われて他の地域の奴等にバカにされてるけど、ある意味間違ってはいないんだよな。

だけどそれって南部が豊かだからやっかみとか嫉妬心から来る言葉でもある訳だが。


「陛下は愚かな方ではないし、納得行く沙汰をして下さるよ」


流石にアレがここまでやっといてハイそうですねで済まさないだろう。嫌でもやらざるを得ないはず。ん?


「貴様の様に真面目なだけが取り柄の、それ以外何も取り柄の無い奴とは違い、このステラは……」


はぁ何言ってんのあのクソショタ?

ミランダ嬢に取り柄が無い? 只真面目なだけ? いやいやお前ちょっとでも良いから考えて発言しろよ。


ミランダ嬢は生活魔法の使い手だろうが。しかも生活魔法使いの最高峰、いや、極みだぞ。

どんだけ生活魔法で稼いでるか分かって無いの?


1メーター四方の氷をほぼ無限と言って良い程造り出せるだろうが。

夏場にミランダ嬢が王都に持ってるミランダ嬢個人の商会がどれだけ稼いでるか……。

大体だな、夏場に王宮にバカみたいに氷の塊があれほどある事に何の違和感が無いのか? あれだってお前が何の取り柄もないって言ってるミランダ嬢がしてる事なのに。

あれでどれだけ宮廷予算が浮いてるか……。

しかもミランダ嬢はアイテムボックス持ちだぞ。百メーター四方のアイテムボックスでしかも時間停止型だぞお前。


いやまぁ普通のアイテムボックス持ちですら貴重なのにミランダ嬢は、時間停止型アイテムボックス持ちだぞ。それだけでも凄い事なんだぞ、マジか……。分かって無いのまさか?


俺のアイテムボックスなんぞ十センチ四方だぞ。一応時間停止型だけど、十センチ四方なら時間停止型だろうが普通型だろうが一緒だよ。


俺が友人達に何て言われてるか知ってるか? 俺のアイテムボックスはお財布って言われてるんだぞ。俺は貯金箱って言ってるがどっちもどっちだけどな。

普通型のアイテムボックスでも時間の流れが外の十分の一だが、こんなに小さかったら時間停止型だろうが普通型だろうが一緒だよ。


生活魔法だってそうだ。ミランダ嬢は水もお湯もほぼ無限と言って良い程出せるし、ほぼ零度の冷水や、ほぼ百度の熱々のお湯と温度調整出来るんだ。しかも清浄魔法であるクリーンもほぼ無限に使えるし、それを取り柄が無いだって? 謝れ、ミランダ嬢と俺に謝れ。


俺も生活魔法は使えるが、氷は一日に十センチ四方の氷一個しか造り出せない。しかも頑張ってそれだぞ。水もミランダ嬢みたいにほぼ百度のお湯やほぼ零度の冷水も出せるけど一日百リットルが限度だ。しかも頑張っても水道の蛇口全開にした位の水圧だし、ミランダ嬢みたいに七~八メーター飛ばす程の勢いが無いんだぞ。俺の友人、いや、悪友達はジジイの小便みたいってボソッと呟く始末だ。本当に俺は友人に恵まれていないよ。

誰がジジイの小便だよ。せめて若者の小便って言えって言ったら大爆笑になったっけか?

お前も結局小便に例えるんだ? って話になったな。


チラッと辺りを見るとその悪友達も飽きたって顔でクソショタの話を聞いている。

最初に見た時は顔を真っ青にしてたのに。


「ローレンス。ねえ、クリストファー様が……」


ん? クリストファー殿? アメリアの視線の先にクリストファー殿がブチギレ三十秒前みたいなお顔をされてる……。


あー……。でもまだ大丈夫かな? だって婚約者のマリー嬢が抑えてるし。じゃ無きゃとっくに飛び出してるだろうしな。


「大丈夫大丈夫。マリー嬢がクリストファー殿を抑えてるから」


「でも、クリストファー様はライズ公爵家の一門の方だし、忠誠心に溢れた方だから……」


「ん~……。でもその当事者のミランダ嬢が冷静だし、きっちりと対処されてるから。しかしミランダ嬢は凄いな。アレに根気良く相手出来るなんて本当凄いよ」


「本当ね、慣れと言うのもあるだろうけど、私には無理だわ」


「同感だね。ころ……。お仕置きしたくなっちゃうよ」


「もう駄目よローレンス。雷撃魔法使っちゃ」


「分かってるよ。それにどうせこからじゃ届かないし」


「もう……。そう言う事言うんだから……」


実際やらないさ。例えこの会場では魔法無効化されていようと俺は使える。だが実際問題としてこの位置からじゃ届かない。だって俺の雷撃魔法は射程距離三メーターなんだから。


可笑しいよなあ。普通雷って無茶苦茶伸びて落ちるのに。それに雷撃魔法って使い手は凄く少ないが、それでも使い手は最低でも数十メーターは飛ばすんだけど、俺は三メーターしか飛ばせない。いやまぁほぼ無限に撃てるし連発出来るけど、射程距離短すぎない?


これじゃ少しだけ使い勝手の良いスタンガンみたいなもんだよ。スタンガンって言ってるのは雷撃魔法の威力を調整出来るからだけど、総合的に考えると俺の雷撃魔法って微妙なんだよなぁ。

だけどその分いくら使っても魔力が減らないが、戦場(いくさば)じゃ微妙でしかない。

でもこれだって使い方次第だ。例えば畑に撃ち込みまくったらその畑は凄く収穫量は上がるし、採れた作物の味も良くなる。


確か前世じゃ雷のアレで畑の土のイオンとかアレがあーしてこうしてアレになって、どうたらこうたらだったと思う。 いや、違ったか? 窒素だったっけ? それか何かだったっけか? まぁ良いや、結果的に豊作になるし、気のせいか味も良くなってる気がしないでもないしどうでも良いけど。だけどもうちょっと真面目に勉強はしておけば良かったとは思う。


まぁ良いや、取り敢えず実家に帰ったら領内の村々を回って廻って回って廻る。領民に喜ばれるんだよね俺が来ると。雷撃魔法で畑に雷ブチ込みまくると実りが豊かになるって言って。そんで祈りを捧げられたり、拝まれたりとかなり喜ばれる。


『若様は我が子爵領に遣わされた神の子じゃ~。ありがたやありがたや』って。


あそこまで喜ばれると悪い気はしない。ただもうちょっと射程距離が伸びれば言う事は無いんだけど。


「ローレンス。これ何時まで続くのかしら?」


「気分良く喋ってるみたいだし、アレが満足するまでじゃないかな?」


「さっきから堂々巡りじゃない……。同じ話を何回もして全く話が進んでいないわ」


「何しろ話を纏める事が出来ないし、論理的って言葉を知らないお方だからね。何時もの事だよ、まともに話を聞いても無駄なだけだし」


あっ、アメリアがため息吐いちゃった。さっさとこんな茶番劇終わらして欲しいんだろうな。

とは言えアレが下らん事を指示したら状況が一変するぞ。


例えば牢に入れろだとか、国外追放だとか言って実力行使する様なら……。ここに居る俺達南部貴族が動き出す。残念ながら最悪の状況も考慮しとかないといけないな。


しかしミランダ嬢は辛抱強いよ。冷静にあのクソショタに反論と言うか説明してるんだから。

と言うか側近と言う名のこびりつきの汚れ共はアレの話に飽きないのか? 奴等も大概だな。


うーん。アレと似た様な奴等だもんな。同じ穴の狢って言うの? 大丈夫か我が国は?

宰相の息子に近衛騎士団長の息子、宮廷魔術師長の息子と西部辺境伯の息子に新興貴族ではあるが、我が国でも五本の指に入る大商会の息子と、乙女ゲームの世界かよこの世界は?


アレの側近とやら達って一応は有力者の子息のはずだが、あまりにも脳がイッちゃい過ぎてて何だろう? あそこまで色々と悪い意味で極まってるって、今更ながら怖くなって来た。

どうせあいつらもあのクソビッチの無駄乳目当てだろうけど。


「ローレンス。最悪の場合ここから脱出して一旦タンウハウスまで帰らないといけないけど、もしかしたらこのままこの会場から着の身着のまま、直接南部まで帰らないといけないかな?」


「ん~……。出来ればタウンハウスまで帰りたいね。タウンハウスに居る騎士や兵士達と合流したいし、屋敷で働いている家人達と合流してからの方が無事南部まで帰りつく確率も上がる。それに家族の皆とも合流はしたい。ただ、最悪俺達だけの少人数でってのも覚悟はしておいてね。人数が少ない方が追っ手の目を欺ける可能性も高いから」


「そうなるよね……。私はタウンハウスまで一旦帰って、詰めてる家臣や騎士や兵士と合流した方が南部まで帰りつく可能性は大きいと思う。あの辺りは南部貴族のタウンハウスで固められてるし、南部貴族家の皆で纏まって南部に帰る方が良いと思う。それにお父様やお母様や弟や妹達と皆で帰る方が安心だもの」


「状況によるとしか言えないな……」


こればっかりは場の状況次第で色々変わって来る。その状況において最善と思える判断をしないと捕捉されるのだから。

一応南部まで脱出する為の備えはどこの家も行ってはいる。例えば複数の脱出路を想定してるし、その脱出路の途中にセーフティハウスだとか、食糧や武器や矢弾に変装用の着替え等の脱出に必要な物資諸々は準備してるもんだ。それに加えて暗部の者を脱出路にまぎれさせてる。前世で言う長期潜入要員、またはスリーパーエージェントってやつだ。確かそんな映画もあったっけか? まぁいい。一応俺やアメリアも、金貨や小粒だが宝石等をベルトや服やなんかんに仕込んでいる。ベルトの裏にある隠しポケットに等間隔でベルトに沿い金貨を二十八枚入れてあるし、それ以外にも金貨や銀貨に、換金する為の非常用の金目の物があるから身一つで脱出してもどうにかはなる。それにタウンハウスから乗って来た馬車にも同じく非常用の金や換金出来る物や、武器やら簡易ではあるが防具も仕込んでるから何とかなるだろう。それに俺の真似をして、我らの派閥である南部貴族の学園生は、俺やアメリアみたいに服やベルトに同じく非常用の金銭を仕込んでるから、皆身一つで脱出する事になっても何があっても大丈夫とは言わないが、どうにか出来るだけの備えはあるんだ。大丈夫大丈夫、仕事は段取り八割って言うもんな。最悪の状況を考えて準備を予め整えてるんだ、何とかなる。うん、そう思おう。


しかし……。アレはご機嫌で長々と話をしているが、こう言う事って時間勝負じゃないのか? それなのにアレは一切気にしていない。いやまぁアレは真正のアホだからそれすら考えられないって事もあるだろうけど、それにしてもだ。

アレは真正のアホでバカで愚か者の極みの堕天使系クソショタだが悪知恵は案外回る。性格が悪いからだろうけど、悪知恵に関しては侮れない物を持ってるからな。それにいくらなんでもおかしい? 多分だが……。


「アメリア、多分だけど会場の周りはアレの息の掛かった者で固められてると思う。じゃ無きゃ使いの者をだとか、会場に居る官吏が陛下に報告に行ってるはず。それなのにまだ陛下どころか先触れの者がこの会場に来ていないのはおかしい。これだけ長々と茶番劇を繰り広げられてるのに、それなのに誰も来ないのはおかしいよ」


「ローレンスもそう思う? 私もそう思う。多分ローレンスの言ってる通り報告と連絡の為に会場から抜け出した人員を捕らえてると思う。そうで無ければとっくに誰かがこの会場に来ててもおかしくはないもの」


悪い予想は当たる。嫌な現実だよ。


アメリアが不安そうな顔をしている。俺のアメリアにこんな顔をさせやがって……。奴等め、許せんな……。


いざとなれば会場を包囲してる奴等を排除して離脱しなきゃならないな。包囲と言っても出入口辺りで人の出入りを制限してる程度だからどうとでもなる。南部貴族の団結力と個人の武勇で切り抜けるだけの事。そうなったら俺の使い勝手が非常に悪い雷撃魔法が役に立つ事もあるだろう。まずはアメリアを安心させなきゃな。


「アメリア、心配しないで。俺が何とかするから」


「でもローレンスどうするの?」


「俺に考えがある。今はタイミングを見計らってるから。大丈夫だよアメリア」


別に俺は嘘を言っている訳でも無い。ちゃんと考えてある。


「雷撃魔法はダメだよ」


「大丈夫だよアメリア。分かってるから。ただアメリアにも少し協力して貰う事になるんだけど?」


「それは大丈夫だけど、何をするつもりなの?」


「種明かしをしたら演技臭くなるから、アメリアには悪いんだけど内緒で」


「もう、ローレンスったら何をするつもりなの?」


とりあえずニッコリと微笑んでおこう。何か無理矢理誤魔化したみたいな気がするけど、今はこれで勘弁してもらうか。


さて、この様な場合勢いが大事だ。そして残念ながら暴力と言うもっとも簡単かつ効果的な事は逆に不味い事になる場合もある。だが大丈夫だ、やり方はある。奴等よりインパクトがある事で上書きしてやれば良い。上手く行けばミランダ嬢が婚約破棄された事による醜聞も有耶無耶になる可能性は大きい。後はそれをやるタイミングだけの事。


それにしてもあの合法クソショタの奴うるさいなぁ……。もうどうでも良いからさっさと話を進めろよ。それとお前の側近と言う名の幇間共め、何時も思うがお前らも大概だと思うわ。良くアレの話を我慢強く聞けるよ。太鼓持ちも大変と言うか、仕事って何でもそうだけど楽じゃ無いよ。いやまぁ奴等はアレと似たようなメンタルだし、考え方とか感じ方が同じだからなんだろうけど。とは言え……。


あーもういい加減面倒になって来た。腹立つなぁあいつら。ミランダ嬢に好き勝手言いやがってからに。しまいにぶん殴るぞ! クリストファー殿が。


しかしそのクリストファー殿だが、ぶちギレ二十九秒前みたいな顔をしているが、何故か時折俺の方をチラチラ見て来てる気がするのは気のせいだろうか? しかも気遣わしげと言うか、心配そうな顔をしながら俺の方を見て来てる気がするんだよね。


バートン辺境伯家のアン嬢も気のせいか俺の方をチラチラ見て来てる気がするんだけど? しかもクリストファー殿と同じく気遣わしげな、それでいて心配そうな、不安そうな顔をして見てる気がする。普段アン嬢は、無表情なんだけど今はとても良い笑顔で居てらっしゃる。

そんなアン嬢が時折俺の方を見て、そんな顔をして見て来てるのは気のせいか? アン嬢も顔は整ってるが、パッと見意地悪そうな美人顔なんだよね。あくまで意地悪そうな顔であって、本当に意地悪じゃ無いんだけど。

どっちかって言うとアン嬢って兄貴……。姉御肌の気っ風の良い人なんだが。

だけど知らない奴からしたら、普段無表情だから冷酷そうに見られてるんだけど。


そんなアン嬢が俺の方を気遣わしげな不安そうな顔をしながら見て来てるが、その時は普段通りの無表情だけど、付き合い長いから無表情そうに見えて、何考えてるか結構分かるんだよね。


「ローレンス。アン様が……」


「うん、すっごい良い笑顔だね」


「アン様もかなり怒ってらっしゃるわよ。大丈夫かしら?」


「あー……。多分アン嬢もまだ大丈夫だと思う。ジョージ殿が必死で宥めてるし。アン嬢も婚約者であるジョージ殿が抑えてる限りまだ大丈夫だと思うよ。多分としか言えないけど」


学園に居る我ら南部貴族派閥の中で、決して怒らせてはいけないナンバー1とナンバー2だからな。

クリストファー殿とアン嬢。あの二人がそのナンバー1と2。大丈夫か? あの二人がぶちギレたら俺達じゃ止められないぞ。


と言うか我が派閥である、南部貴族の学園生の方達も気のせいか俺の方をチラチラ見て来てる気がするんだが、コレ俺の気のせい? それとも俺が自意識過剰なのかな? ん? 俺のアメリアが更に不安そうにしてる。俺のアメリアにこんな顔をさせやがってあのクソショタが。


「アン様はミランダ様の事をとってもお慕いされているし、ミランダ様の事が本当に大好きな方だし……。あのアン様があんな笑顔で……。今にも飛び出して行きそうよ」


「ぶちギレ十五秒前って顔をされてるね。でもまだ大丈夫。ジョージ殿の抑えが効いてる。だって抑えが効いていないなら、とっくに飛び出してるよ」


「そうかも知れないけど……」


「しかしあのクソショ……。アレら腹立つ顔してるなぁ……。特にアレの顔腹立つんだけど。カエルを顔面に投げつけてやろうか」


「ダメよローレンス。カエルが可哀想だわ」


うーん、アメリアも何やかんやで結構と言うか、かなり怒ってるなぁ。俺のアメリアをここまで怒らせるとはあいつらある意味凄いな。

アメリアは基本控えめで物凄い慈悲深いのに。

普段あんまり怒ったりしないアメリアを怒らせるとは、ある意味それも才能だよ。全く羨ましくもないし、尊敬も出来ないけど。


「ねえローレンス。こんな時にこんな事を言うのはどうかと思うんだけど。出来ればだけど、やっぱりタウンハウスには一旦帰りたいの。ローレンスに貰った真珠の首飾りは失いたくないわ。こんな事なら身に付けてくれば良かった……」


あーアレね。普段質素だし、アメリアは宝石だとかの装飾品にそこまで興味がある訳じゃ無いし、執着心も無いが、アレは無茶苦茶気に入ってたもんな。

プレゼントした時に見た事無い位喜んでたっけ? アメリアにとってあの真珠は思い入れがあるんだろうな。でもなぁ……。


「命には代えられないよ。また出来の良いのが採れたら、アレより大きいのを渡すから。なーに、真珠の養殖は軌道に乗ったんだ、またいくらでも採れるし()()事も出来るよ」


「そうかも知れないけど……。ローレンスとの思い出を奪われるみたいで嫌だわ。確かに命とは代えられないかも知れないけど……」


思い出かぁ。そう言ってくれるのは嬉しいし、ますますアメリアの可愛さが俺の中で増すけど、今は安全最優先だよ。

真珠はこれからいくらでも作り出す事が出来る。だけどアメリアの命は一度失われてしまったらそれで終わりだ。それに真珠の養殖に成功した今、残念ではあるがあの真珠を失っても又作る事が出来るんだから比べ様がない。


我ながら良くやったよ。様々な殖産に手を付けたが、真珠の養殖は大成功した部類の1つだな。

この世界では初めてだもんな、真珠の養殖の成功って。


「最悪失われるけど、また、ね、また贈るから。それに身に付けて来たらって言うけど、どの道会場の入り口で一時預かりされて、この会場では身につけられなかったんだし。大体アレ共がまさかここまでやるとは流石に思わなかったから、たらればになっちゃうよ」


だがまぁ俺も認識が甘かったと言われれば確かにそうなんだが、まさかここまでアレらがアホだったって、まさかとか思ってしまってたのは失敗であると共に、認識が甘々だったな。


「私もアレの方達がやるかもとは思ってはいたけど、まさかとも思ってたから自業自得なのだけど。でもねローレンス、あまり宜しくはないのだけど制服から出さずに、制服の中に入れて身に付けて来るって手もあるのよ」


おいおい、そんなイタズラっぽく笑うなよ。抱き締めたくなっちゃうじゃないかアメリア。

本当に可愛いな俺のアメリアは。


「その手があったか。でも素肌に身に付けると其の後の手入れが大変だよ」


「あら。その手入れも楽しみの一つよローレンス」


成る程なぁ。侍女やメイドに手入れさせず、自分でやるし、自分でやりたがりだもんなあの真珠に関しては。


「でも二つ贈ったよね? 二つ共身に付けて来たら邪魔になっちゃうよ」


「そうね、確かに二つ共身に付けて来たら邪魔と言うより、見た目のバランスが悪くなるかも」


俺がアメリアにプレゼントした真珠の首飾りは、粒がとても大きな首飾りと、それより粒は小さいが二連の首飾りだから、二つ共身に付けたらバランスは良くないと言うかやり過ぎになっちゃうもんな。


だけどまぁアメリアが笑ってくれて良かった。少しは不安が紛れたかな? だが残念ながら今この宜しくない状況は一切好転していない訳だが。


さてどうしよう? タイミングを見計らってはいるが、俺が行動を起こすその前に、我ら南部貴族派閥の人間が行動を起こす可能性も高い。

当然その時は武勇を発揮する事になる訳だが、俺は武に関しては正直自信が無い。

南部に生きる貴族としてそれはどうなのかって言われるだろうが、実際そうなのだから仕方ない。

剣も槍も弓もダメダメだからな俺は。

辛うじて馬術はギリギリ合格点ではあるが、それだけじゃなぁ……。


とは言え前世じゃ武術のぶ、すら齧った事も無いし、まさか転生するなんて欠片も思わなかったんだから仕方ないちゃ仕方ないんだよな。

こんな事なら何かやっとけば良かったが、今更だよ。


しかし……。もうタイミングもクソも関係無くイッちゃうか? じゃないとあのクソショタがミランダ嬢にいきなり下らん事をしちゃいそうだ。

そしてそれ以前に我ら南部貴族の誰かが暴発する可能性も高い。

どうする? 今やったらスベりそうな気もするが、逆に俺がスベったらそれはそれで有耶無耶に出来そうな気もする。


そうだな、今やるか……?


俺がある意味伝説を残す事になるけど、国が割れ、戦乱の世になるよりはマシだ。うん、俺の恥、もしくは学園の卒業式における俺の伝説(笑い的な)が残るが国が荒れるよりは遥かにマシだな。


戦争するにも金は必要だ。タダで糧食や武具が現れる事は無い。軍需物資は天から降って来る訳じゃ無いし、何より(いくさ)になれば領民にも被害が出る。様々な施策、そして新たに産業を興しそれが成功し我がフイッシャー子爵家、フイッシャー領の民はかなり豊かになった。そうだな、折角我が領は領民皆が豊かに、そして幸せに暮らしているのに、それを失うのは嫌だな。そう考えると俺のプライドなんぞ安い安い。そうだ安いもんだよ。腹を括ろう。これは領民の為でもある。なら喜んで道化にでもなってやるさ。


長々と演説をぶつ、中身に欠片も内容がこもっていないのに、さも素晴らしい事を言っている気になってるクソショタよ。今からお前を俺の道化っぷりで空気に変えてやるよ。


さて……。我ら南部貴族の派閥の人間と一切打ち合わせをしていないが、それでも皆なら上手く合わせてくれる気がする。もし皆が合わせてくれなくとも、その時は俺が一人で道化を演じてやる。


一歩踏み出そう。そしてあのバカ共の前まで歩もう。


「アメリア大丈夫だからね」


アメリアにだけ聴こえる様に耳元で囁いて、そして俺のアメリアの顔を見る。大丈夫。だからそんな不安そうな顔をしないで。


「それに比べて私のステラの愛くるしい事……。正に……『殿下! 平に、平に御容赦を。殿下の素晴らしいご高説を遮る無礼をお許し下さい』何だ貴様は?」


何だ貴様はじゃねーよ。このクソショタが。


「殿下! 私は……。私は殿下の素晴らしいご高説に感動致しました」


「うむ……。そうか?」


何をお前はニヤついてんだよ? こんなあからさまなヨイショにお前の下らないプライドをくすぐられたのか? 本当ある意味チョロいなこのクソショタ。


「私、感動致しました。殿下の魂の主張。そして想い。その全てに勇気を頂きました」


「そうか? フム……。お前は中々分かっているではないか。お前、名はなんとい『つきましては殿下! 私もこの場に居る皆に私の想いを伝えたく存じます』……う」


馬鹿め! 皆まで言わせねーよ。


会場に居る皆、と言っても南部貴族以外の人間が怪訝な顔をしている。

だよな。そりゃいきなり俺みたいなモブがあのクソショタにヨイショし、同意したんだからその反応は正しいよ。


そして我ら南部貴族の皆は一見表情に変化は無い。だが俺には分かるぞ。皆が俺が何かやらかすつもりだって分かってる、そんな顔をしているのをな。


嬉しいよ、こんなアホ丸出しのクソショタをヨイショしても、口を出さず黙って見守ってくれてるんだ。それは我が派閥の皆が俺を信じてくれてるって事でもあるのだから。持つべきものは友だね。


そしてクソショタと取り巻きのボンクラ共よ。お前ら今俺が乱入した事により、会場の空気が変わったって事に気づいていないみたいだけど、本当にコイツら周りに気配りだとか、気遣いが出来ないし、だからこそこの会場の違和感に気づかないんだよ。


「殿下、それでは私も殿下に習い、我がこの思いの丈を宣言したいと思います!」


「おい、お前は何を……」


だから皆まで言わせねーよ。


「アメリア・ベル! 前へ!」


ごめんねアメリア。俺、アメリアの事も巻き込んじゃって。そしてほんの少し恥ずかしいだろうけど、ちょっとだけ我慢してね。


「アメリア・ベル! 君は俺の婚約者として共に歩んで来た……。何て俺は幸せ者なのだろう! 君は大陸一の素晴らしい女性だ! そんな君が我が婚約者で、俺は大陸一の幸せな男だ。可愛らしく、性根も優しく思いやりもあり、人の痛みも分かるその心の美しさ……。正に聖女と言っても過言ではない! なんと……、なんと美しくも気高いのだろう……。アメリアは我が女神である! 俺は……。アメリアが大好きだぁーーー! 例えこの世が滅び様と、例え我が身が死して天へと還ろうとも……、何度生まれ変わろうがアメリアと出会い、そして恋に落ちるだろう。アメリア! 俺は君が大大大好きだぁー! 愛しているアメリア~~~!!!」


よし! 言ったった。これは俺の本心だし、嘘偽りない本音。とは言えだ、何やかんやで結構恥ずかしいな……。


アメリアも顔を真っ赤にしてる。でも恥ずかしそうにしつつ、嬉しそうでもある。

あっ……、顔を真っ赤っかにしながらも決意を秘めた顔をしてるぞ。


「わ……。わ……。私もアナタの事が、ロ、ローレンスの事がす、好きです! 大好きです! あ、あ、愛しています! これからも二人で歩んで行きたいと思います。不束者ですが宜しくお願いしますローレンス」


よっしゃ! アメリアも上手く俺に合わせてくれた。しかも今の発言はアメリアのアドリブだが、本心でもある。やっぱ俺のアメリアは最高だよ。可愛い。アメリアは最高最強だ! 異論は認めん。そして誰にもアメリアは渡さん! アメリアは髪の毛一本から爪先まで俺のだ。誰にも渡すかよ!


そして見たかクソショタとその不愉快な仲間達め。俺とアメリアの愛の共同作業を。バカ共めが、しかとその目に焼き付けろアホ共!


口半開きでポカーンとしやがって。知ってるかお前達、それ鳩が豆鉄砲食らったって言うんだぞ。

そして俺の道化っプリをしかと見よ! やったぞ俺は、俺はやりきった、やったった! 結構コレ達成感があるな。おっとそうだ。


「アメリア!」


「ローレンス!」


はい、愛し合う二人が抱き合い愛を確かめ、めでたしめでたし。会場中から拍手が沸き上がった。正にめでたしめでたしだな、ん? あれは……。


「マリー・カーライル! 前へ!」


おっと、クリストファー殿が飛び出して来たと思ったら、マリー嬢を呼び出したじゃないか。凄く通る声で、拍手してた奴等も何だ? って顔してるぞ。気のせいかあのアホ達以外の人間が楽しそうな顔している。良い余興だ位に思っているのかな。

クリストファー殿と目が合った。うーん、うっすら笑っている。ニヤリって擬音が聞こえて来そうだ。そしてアン嬢はパッと見何時もと変わらず一見無表情に見えるが、俺には分かるぞ~。しまった! やられたって思っているなあれは。多分クリストファー殿に先を越されたって思っているんだろうな。


「ねえローレンス、もしかしてクリストファー殿は……」


「多分アメリアが考えている事をしようとしてるね、あれは」


打ち合わせ一切無しで素早く行動に移すとは、流石だなクリストファー殿。そしてアン嬢は一瞬だが出遅れて、ちょっと悔しそうだ。あー、アン嬢、扇で隠しつつジョージ殿に耳打ちしてるが、多分次に行くつもりだなあれは。次はアン嬢か?


「マリー・カーライル! 私、クリストファー・ライズは、婚約者である君が……」


あのクソショタが、貴様何をしている。とか言ってるが、クリストファー殿は聞こえないフリをしつつマリー嬢に対する愛を語っている。うん、聞いちゃーいねーってやつですねクリストファー殿。

そして今二番手であるクリストファー殿を見て、我等南部貴族派閥の者が自分の婚約者と打ち合わせしているっぽい。だが次はアン嬢が行くだろう。何故なら一歩、いや、半歩出遅れてクリストファー殿に先を越されたし、絶対に次は自分が行くって決めてるみたいだし、それに我等南部貴族の者達を視線で制し、次は私がってアピールしてるもん。


そして他の派閥の貴族子弟達も狙っているなありゃ。多分この流れに乗って、あのクソショタ共の出来の悪い喜劇を有耶無耶にして無かった事にするつもりだろう。良し! とりあえずこの流れと言うか空気感なら、ミランダ嬢の件も有耶無耶になりそうだ。ん? 終わったか。そして又会場中から拍手っと。何か俺の時より拍手が大きいな。


おっ! アン嬢が素早く前に……。


「ジョージ・ウィンダム前へ来て頂けますか!」


良し良し! アン嬢が上手く次に乗れたぞ。良いぞ、これで完全に流れが出来た。

そしてクソショタよ、そうキャンキャン吠えるなよ。もうお前の言葉を誰も聞いちゃいないよ、諦めろ。



それからは次から次に俺がやった様な愛の主張大会へと変わった。それは我等南部貴族派閥の者だけで無く、他の派閥の生徒も俺の予想通り同じく愛の主張をブチかまし始めた。俺の予想通りと言うかやはりと言うか、他の派閥の生徒がこの流れに乗り、クソショタのおバカな催しを無かった事にするのにちょうど良いと思ったのかも知れない、繰り返しにはなるがやはりと言うか何と言うか、多分気持ちとしては、この愛の主張大会的な事は渡りに船とでも思ったのだろう。

だが……。キミ達結構ノリノリだよね? 何か楽しんでいない? 別に良いんだけど。そしてクソショタと不愉快な仲間達……。

最初の頃はクソショタもキャンキャン吠えていたが、今はもう完全に諦めモードへと変わっている。今現在クソショタは、呆然としながらこの愛の主張を聞いている。いや、アレ聞いてるのかな? 別にどうでも良いけど。ん~? アレは……、平民生徒か?


「ス、スージー・モーリスさん、前へ来て頂きたい……」


おかしいな。スージーと言う生徒も平民だが、二人は婚約関係にあったのか? あの平民生徒の婚約者だとは聞いた事が無いんだけど?


「ぼ、僕は……。アナタの事が好きです! 学園を卒業したらもう二度と会えないかも知れません。ですかそんなのは嫌です! 僕の婚約者になって下さいとは言いません。しかし、僕の事をもっと分かって欲しいです! なので僕に少しだけ、ほんの少しだけアナタの人生における時間を僕に下さい! 好きですスージーさん、お願いします!」


あら、あれは告白か? 何かもう滅茶苦茶だな。だけど悪くない、こんな卒業パーティーってのも良いだろう。何故なら俺達はこれから本格的に社会に出る。なら学生生活最後にこんなバカ騒ぎをしても良いだろう。明日からは責任ある大人としての立ち居振舞いを求められるのだから。


「ねえローレンス、上手く行くかしら?」


「どうだろうねえ。どうも元々知り合いみたいだし、彼は今日勇気を出した。どうなるんだろうね?」


アメリアも今は楽しそうだ。俺に腰に手を回され、軽く抱き締める様に俺は寄り添っているが、アメリアはあまり気にしていないし、恥ずかしがってもいない。普段なら滅茶苦茶恥ずかしがるんだがな。あの愛の主張でより一層仲が深まった気がする。


「私もアナタの事をもっと知りたです! お互いの事をもっと分かりあえたら、それはとっても素敵な事だと思います。宜しくお願いします」


おー! 上手い事行ったか。良かったじゃないか。


「ローレンス、上手く行ったわ。良かったわね」


「そうだね。俺も良かったと思うよ」


あの二人は今日のクソショタ騒動が無かったら、結ばれ無かったかも。もしそうならあのアホ共もほんの少し、そう、ほん~~のちょっぴりだが役に立ったって事だ。


「ジャネットしゃん、みゃえへ!」


あっ……。次の奴が……。何か思いっきり噛んでたけど、上手く行きそうにないなぁアレは。


しかも告白の内容もとっ散らかってるし、知り合い同士だとか、ある程度の交流も無い二人っぽいな。うーん……。多分ダメだろうなあれは。何だろう? 相手の表情で分かるよ。


「ごめんなさい! アナタの事をよく知らないし、私……、好きな方が居ますのでその気持ちには応えられません。ごめんなさい!」


あーやっぱか。多分ダメだろうなって思ったよ。


だが人の世もまだまだ捨てたもんじゃ無いな。今までで一番大きな拍手が起きたよ。

良くやっただとか、何時か良い子に出会えるさとか慰めの言葉が飛び交っている。うん、人生こんな事もあるさ。


しかし……。あのクソショタ共、完全に蚊帳の外状態だな。漫画ならぽつーんって文字が書き込まれそうになってる。奴等の自業自得だから別にどうでも良いんだけど。


さてと……。これでとりあえずではあるけど、一安心かな? もうこれだけ流れが出来てしまったら、あのアホ共にはどうする事も出来ないだろう。

巻き返しは不可能とは言わないが、限りなくゼロに近い。もし王族の権威だとか使おうとしても、聞こえないフリで新たな愛の主張か告白が続くはず。俺ら南部貴族だけで無く、他の派閥やそれこそ平民の生徒も空気を読んで動いてくれるだろう。

もしそれが無くとも、我等南部貴族が上手く事を運ぶだけ、只それだけの事。


万が一ミランダ嬢に直接手を下そうとしても、我等南部貴族の者がミランダ嬢の周りを何重にも囲んでいるんだ。その護衛達を奴等は突破出来ないだろう。何か海軍の輪形陣みたいだ。


又誰かが前に出て来た。愛の告白か、それとも自分のパートナーに対する愛の主張なのかどっちかな?

一つ分かるのは、会場に居る皆が楽しそうだって事。但しあのクソショタと不愉快な仲間達を除いてって但し書きが付くけど。


まぁ何にせよ上手い事行って良かった。

チラッとアメリアを見ると、とても楽しそうだ。うん、俺はアメリアのこの笑顔をこれからも守って行こう。大事にし、共に尊重しながら歩んで行こうじゃないか。


そんな事を考えているとミランダ嬢と目が合った。微笑みながら目礼された。なので俺も目礼した。良かったよ、ミランダ嬢の名誉も守られたみたいだ。だけど気を抜くのはまだだ、家に帰るまでが遠足って言うしな。


~~~


それからの事を話そう。


ミランダ嬢があのクソショタに婚約破棄された件はやはり有耶無耶になった。

だがあのクソショタが行った婚約破棄と言う名のバカ騒ぎは、有耶無耶にはならなかった。当然だな、これでもしあのクソショタ共がやった事を有耶無耶にしたら、もしそうなら流石に陛下の治世が揺らぐ。


そしてそれ以前の問題として、陛下はあのクソショタに対して激怒されたらしい。それこそ初めてあのクソショタに激怒された。

今まで怒りもしたし、叱ったりとされて来たが、激怒と言われる程あのクソショタが怒られた事は無かった。だからと言うか、あのクソショタはまた何時もの小言だろう位にしか思わなかったらしい。

あのクソショタは陛下に激怒されて半泣きで謝ったらしいが、陛下はそれを見て大きなため息を吐かれたそうだ。


何でも『余が甘かった、叱り足りなかった。余の不徳である……』と……。


そしてあのクソショタは、厳しい戒律で有名な修道院へと送られる事となった。


それだけ聞けば、甘いと言われるだろう。

それこそ毒杯を賜らせろだとか、断種処理し平民に落として国外追放しろだとか言われるだろう。だが……。


あのクソショタが送られる修道院はかなり厳しい。それはもう言葉では言い表せない程厳しい。


前世で例えると、福井県にある永ナントカと言う厳しい修行を行うお寺と同等か、それ以上の厳しさだ。

しかも最低でも十年以上そこで修行しなければならない。


そしてそこでの修行が終わり、院を出る頃には皆が立派な修道士となる。

もし悔恨もせず変わらなかったら? それは無い。何故なら変わるまで修行し続けるし、そこでは今まであのクソショタの様な奴を受け入れ、どれほど長い時を掛けても立派な修道士にして来た実績があるからだ。

変わらなければ死ぬまでそこで修行を続けるだけの事、只それだけの事。


だがそこで修行を終え、院に修道士として認められれば皆に尊敬される修道士として余生を過ごす事が出来る。

これは陛下のクソショタに対しての最後の親心であり、情けでもある。

教会直轄の修行の厳しいその修道院は他にもあり、他のアホ共、つまり取り巻きモドキの愚か者共も他の所に一人ひとりバラバラに送られる事となっている。

因みにあのクソビッチは、クソショタ共と同じく厳しい戒律と修行を行う女性用の修道院で修行する為に、何時か立派な修道女となる為に送られる事となった。女版における永ナントカって所で奴等同じく十年以上の修行である。


当然だがそこでは王族だとか、貴族等の俗世での地位や立場など一切考慮されない。

そこでは平民等も居るし、強制的に送られる者だけでは無く、自ら厳しい環境の元神に仕え、世の為人の為、そして人々や世の為に祈り修行する為に門を叩く者も居る。


冬は厳しく、雪に覆われた場所での修行。テレビで観た事があるが、あんな厳しい環境で修行したお坊さんには尊敬しかない。

不信心な俺ですらそう思ったのだから、その修行の厳しさは言葉では正に言い表せない。

まぁ何だ、修行を終え、立派な修道士になってくれたまえ。


奴等は前世で言う出家する事になる訳だから、王族だとか貴族だとかは自動的に意味が無くなるし、何より神の前では皆平等だからね。慣習として奴等は、元、と自動的になった訳だ。

繰り返しになるが、キミ達立派な修道士、修道女になるんだよ。それが何時になるかは神のみぞ知るってとこかな?


と言う訳で一応はライズ公爵家と、王家や取り巻きと言う名のアホ共との家とは手打ちとなった。

当然違約金を含め、諸々の利権や賠償金をライズ公爵家は貰っている。なので一応は手打と成った。


だが……。それはライズ公爵家とであって、俺を含む南部貴族派閥の者には全く関係無いとは言わないが、基本的に俺や他の南部貴族家は関係無いとも言える。


あの卒業パーティーの後、とある男爵家が爵位を返上し、破産した事による負債もチャラにした上ではあるが、我が国からその男爵家が貴族名鑑から消えた。


ついでに言うと、我が国有数の大商会でもあるとある貴族家の事業が大きく縮小する事になる。

どの位縮小し、規模が小さくなったかというと、パンパンに膨らんだ風船の空気が一気に抜け、シワシワではあるが一応何とか膨らんでるかな? と言う位に規模が縮小した。


弾けてこそいないが、これから又膨らませて行くのは凄く大変そうだなぁと、他人事ながら思うほどに縮んじゃったみたいだね。


それと西部辺りにあるとある辺境伯家の唯一の港に船が寄り付かなくなった上、様々な事業において打ち切りや決まりかけの契約が無くなったらしい。まぁ契約って言っても仮契約になる一歩手前とかだから、良くある事良くある事。

船が寄り付かなくなったのは……。何でなんだろうね? 不思議だよね。


それと、近衛騎士団の団長と宮廷魔術師長が子のやらかしを償う為に職を辞したけど、辞めた後、それぞれの部署から様々な不正が発見されたらしい。

なのであの二人が職を辞したのは、その不正から逃れる為なのでは? と、そう言われている。


うーん……。自分がやった事では無いけど、部下の監督不行き届きって言うの? 上司として責任ってのはあるからね。しかし何で一気にそれ等が出て来たのかなぁ。普通はあんなに一気に出て来ないよね? 普通は? 何でなんだろう? 二人共晩節を(けが)しちゃったね。

しかも自領の取引が減少したし、経済的に厳しい状況みたいだけど、踏んだり蹴ったりって正にこの事を言うんだろうな。


だが悪い事もあれば良い事もある。我が南部貴族は取引が増え、各利権や権益が何故か突然増えたし、財産があのバカ騒ぎの後増えたけど何でだろう? 不思議な事もあるなぁ……。


あの卒業パーティーの(のち)、俺とアメリアは公爵家に招かれ、ミランダ嬢に礼を言われた。


(わたくし)の名誉を、そして我がライズ公爵家の名誉を守って下さってありがとうございます』と。


俺は寄子として、派閥の一員として当たり前の事をしただけですと、そう言ってアメリアと共に頭を下げた。

仲間を守るのは当然の事だし、何よりミランダ嬢は我が南部貴族家一同とは幼き頃より交流がある。言うなれば幼なじみでもあるし、立場は違うが友達だ。なら守るのは当然だし、友を見捨てる事などそんな事しないし、したくない。だからあまり気にしないで下さいと、ミランダ嬢にはそう言った。


俺の言葉を聞いてミランダ嬢は『あらまぁ』何て言って嬉しそうに笑っていた。それからは普通に三人で茶とお菓子と会話を楽しみ、とても良い時間を過ごした。

茶もお菓子も何故か何時もよりとても美味く感じたのは、気のせいでは無いだろう。



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