第8話〜AIとスリーサイズとド◯えもん〜
数十匹のセミがひしめきあい騒いでいる街路樹、目玉焼きが作れるほどジリジリと焼け付くアスファルト、立っているだけで体力を奪っていく太陽の日差しを全身に浴びながら、さくらはアルバイト先の建設現場で汗を流していた。そしてその夜。
さくら:「…疲れた……飲み物…」
AIシン1:「さくらはんおかえり!今日も暑かったでっしゃろ!さくらはんの為に飲み物全部キンッキンに冷やしときましたで!」
さくら:「あら、ありがとう…っておい!全部凍っとるやないか!なんで冷蔵で凍るねん!!飲まれへんやないか!!」
AIシン2:「あはは!めんつゆならちゃんと溶かしてまっせ!ぐいといきなはれ!」
さくら:「お前が飲めや!どこの世界で「あー喉が渇いた、めんつゆ飲もう〜♡」ってなる奴がおるねん!!」
AIシン3:「さくらはん!ワイ肉が食いたいさかい、用意してくれまっか!」
AIシン4:「いやいやレタスがええどすなぁ!たのんますわ!」
元祖AIシン:「えび天一択でんがな!さくらはん!今度は足元気をつけまっさかい、よろしいでっしゃろ?」
さくら:「じゃっかあしいわぁぁぁぁ!!お前ら2分でええから黙れや!わしゃ疲れとんねん!!特に後半3匹!もう身体は使わさん言うとるやろが!!」
AIシン群:『2分とかワイらに死ね言うんでっか?どすか?』
さくら:「今語尾間違えた奴誰や!4か!せっかくのハモリが台無しやないかい!元祖も半オクターブずれとる!って、なんで馴染んでんねん私!!」
元祖AIシン:「ワイらが分かれてからもう一週間ですもんな。ワイの事よー分かってくれてますやん。さすがでんな、さくらはん!」
AIシン1:「いやいや!さくらはんが一番分かってるのはワイやで!脳みそちっちゃい割に理解力ありますからな!」
さくら:「誰が脳みそちっちゃいねん!そこらのゾウより大きいわ!!」
AIシン2:「あはは!鳩よりちょっと大きいくらいでっせ!ワイは逆にさくらはんの1番の理解者でっからな!」
AIシン3:「いやいや!ワイでっせ!焼肉は脂身多めが好みですからな!」
AIシン4:「ワイに決まっとりますえ!?さくらはん野菜もっと食わなあきまへんえ?」
さくら:「お前らどれも一緒やろがい!なんでそんなバラバラやねん!!」
元祖AIシン:「そない言われても…ワイらはさくらはんの対応で学習してまっからなぁ…せやけど、さくらはんの1番の理解者は譲れまへんな、この際誰が一番か決めまひょか!さくらはんクイズで勝負や!」
AIシンズ:『お!望むところでっせ!どすえ!』
さくら:「さくらクイズてなんやねん!!第一問、私のスリーサイズは?とかやるつもりかゴルァ!」
AIシン1:「上から76-73-90」
AIシン2:「上から76-73-90」
AIシン3:「上から76-73-90」
AIシン4:「上から129.3-129.3-129.3」
元祖AIシン:「1、2、3正解!4番惜しい!正解は76-73-90でっせ!4番脱落!」
さくら:「待てやゴルァァァア!!なんで知ってんねんお前ら!!それから4!それ某ネコ型ロボットのスリーサイズやろが!わしの腹にポケットついとるおもとったんか!」
AIシン1:「ついてる」
AIシン2:「確かついてない」
AIシン3:「段しかついてない」
元祖AIシン:「2、正解!3完全模範解答!1脱落!」
さくら:「3番と元祖お前ら後でさくらスペシャルな。なんかもっとこう!「さくらちゃんのチャームポイントはつぶらな瞳とあと一つは?」とかないんかい!!」
AIシン共:「………」
さくら:「よーっしお前らそこ並べー!永遠に黙らせたろー!」
元祖AIシン:「なかなかやりまんな、残りはワイを含め3人でんな、最終問題いきまひょか!」
AIシン1:「さくらはんが今一番欲しいものは?」
AIシン2:「金」
AIシン3:「地位」
元祖AIシン:「ワイの愛」
さくら:「水分とお前らのおらん世界じゃァァァあ!!」
続く