試練の始まり! 予測不能なデートバトル
「次の試練は…デートバトルよ!」
陽向が呆然と立ち尽くしていると、アモーラの楽しげな声が響いた。
「デートバトル!? なんだそれ!?」
「デートバトルって言っても、ただのデートじゃないわよ。特定の条件を満たして、勝者が相手の恋愛ポイントを奪うっていう…そういうシステム。もちろん、勝敗が決まらない場合は、どちらのポイントも減少するわ」
陽向は額に手を当て、目を細めながら溜息をつく。
「な、何その恐ろしいシステム…!? 恋愛ポイントって一体…!」
「まぁまぁ、気にしない気にしない」
フィーネが笑顔で陽向の肩を叩きながら言った。
「要するに、デートの間にお互いどれだけ、お互いに思いやりを示せるかってことじゃない?」
「それが、デートの勝敗を決めるのか…?」
陽向は自分の状況がよくわからず、ますます混乱してきた。
「いい加減に理解しなさいよ」
リュミナがクールに腕を組みながら言った。
「恋愛バトルだって、ただの遊びじゃない。ちゃんと計画を立てて、しっかりと勝者を決めるためには、お互いの気持ちを高め合わなければいけないのよ」
その時、フィーネが陽向を見上げてニヤリとした。
「まあ、陽向くんにはいい試練になると思うよ。私、精一杯楽しませてあげるから!」
陽向は完全に頭を抱えたくなったが、フィーネの元気な笑顔に少しだけ安心する。けれど、次の瞬間。
「さ、さぁ! 試練の場所はこっちよー!」
アモーラが無邪気な声で飛び込んできた。
陽向は驚きながらも、アモーラが指し示す方向を見た。その先には広大な庭園のような場所が広がっており、そこに並んだ奇妙な建物が立っている。
「さて、これからは君たちが、それぞれペアになってデートをしてもらうわよ」
陽向は不安そうに周りを見回した。
「うーん、こんな場所でデートって…なんかすごく不安なんだけど…」
「大丈夫だよ、陽向くん! 一緒に頑張ろう!」
フィーネが力強く手を握りながら言った。
その言葉に、陽向は少しだけ元気を取り戻した。
「よし、じゃあ…行こうか」
フィーネの先導で歩き始める陽向。ところが、その前に突如、何者かが現れる。
「おい、ちょっと待て」
その声に振り返ると、そこに立っていたのは…。
「イシュタ…?」
イシュタ・バルグレイヴが陽向の前に立っていた。その顔に浮かんでいるのは、明らかに挑戦的な笑み。
「お前も参加するのか?」
陽向は思わず尋ねた。
「当然だ。ゲームのルールには従わないといけないからな。」
イシュタは腕を組んで陽向を見下ろすように言った。
「でも、まさか俺とデートをしないだろうな?」
陽向は思わず目を丸くした。
「いや、それは…!」
「ふふふ、勝負だぞ、陽向。」
イシュタはさらにニヤリと笑いながら、挑戦的な眼差しを向けた。
その時、フィーネがサッと陽向の前に出て、イシュタを睨みつける。
「お前…、そんなこと言って、私の陽向くんに何をしようっていうのよ!」
「フィーネ…?」
陽向は驚きながらも、フィーネが突然現れたことで心の中で少し安心した。
「フィーネ、無理に戦おうとしないでくれ…」
陽向はフィーネに声をかけるが、フィーネはその手を軽く払いのけた。
「大丈夫! 私は陽向くんを守るんだから!」
フィーネは意気込んで言った。その瞬間、陽向は強く彼女を見つめて思った。
「何だか、色々と大変なことになりそうだな…」
その頃、リュミナは陽向の後ろで冷静に呟いていた。
「勝者は誰になるか分からないわね。でも、このデートが一つの転機になるのは間違いない。彼の告白のスキル、どれだけ上がるか見物だわ」
一方、アモーラは、すでに遠くでニヤニヤしながら観察していた。
「うふふ、面白くなってきたわ! さあ、これからどんな告白が繰り広げられるのか…私、すごく楽しみ♪」
陽向とフィーネ、そしてイシュタ、さらに他のヒロインたちが織り成す恋愛の行方が、いよいよ動き出す。