初めての告白練習!? 気まずすぎる練習デート
「じゃあ、まずは告白の練習を始めるわよ!」
フィーネがニコニコしながら陽向の前で構える。その笑顔に、陽向は顔を真っ赤にして思わず後ずさりをした。
「お、おい、告白って…いきなりすぎだろ!?」
「ええー? だって、練習なんだから大丈夫だよ!」
「大丈夫じゃないだろ!」
陽向は思わず慌てて手を振るが、フィーネはその勢いに乗ってさらに接近してきた。
「ううっ…!」
フィーネの無邪気な笑顔を前に、陽向は思わず焦って後ろに下がるが、その先にはすでにリュミナが立っていた。
「陽向、無駄に動かないで。告白の練習はまず、自分の気持ちを整理することから始めるべきよ。」
リュミナは、冷静に言いながらも陽向の肩をぽんぽんと叩いた。その言葉を聞いた陽向は、何だか自分が試されている気がしてくる。
「で、でもさ…。いきなり告白ってどうしたらいいんだよ…。」
陽向は肩を落としながら言った。これまで恋愛とは無縁の人生を送ってきた彼にとって、告白の練習というのはまさに未知の世界だ。ましてや、こんな異世界で異種族の美少女たち相手にだなんて…
「いいから、まずはフィーネに告白してみなさいよ。」
リュミナの言葉に、陽向は驚いた。
「ええー!? 俺がフィーネに告白?」
「そうよ、だってフィーネは気にしてないでしょ?」
フィーネは照れずににっこりと笑って言った。
「うん、むしろ、陽向くんがどうしても告白してくれるなら…嬉しいかな!」
「えぇ!? いきなりなんだよその反応!」
陽向は思わず顔を真っ赤にして動揺したが、フィーネの言葉を聞いても冷静に対応できるリュミナの姿勢に少し驚きながらも言った。
「じゃあ、仕方ないけど…やってみるか」
陽向は意を決して、軽く息を整えると、フィーネの方を向き、照れながらも告白を始める。
「えーっと、フィーネ、俺…その、君とずっと一緒にいたいと思ってる。だから、付き合ってほしい!」
一気に言い終わった陽向は、すぐに顔を背けてしまった。その瞬間、フィーネは両手をぱちんと合わせて一歩踏み出す。
「わー! さすが陽向くん! すごい素直で優しい! でも、ちょっと気になるのは…」
フィーネが陽向の前に立つと、彼女はにっこりと笑って言った。
「告白の内容がちょっと普通すぎたかな?」
「え…?」
「だって、私、陽向くんが『一緒にいたい』って言うのは分かるけど、ちょっと物足りないかな? もっと…熱い言葉とか、特別感が欲しかったな」
陽向は顔を真っ赤にして、フィーネの言葉に言い返すことができなかった。そんな陽向に、リュミナが冷静に言った。
「フィーネが言っている通りね。告白の時には、相手に自分の本気を伝えることが重要よ。感情をこめて言わなければ、相手に響かないわ」
「うーん…でも、どうやったらもっと熱くなるんだ?」
陽向は悩んだ。熱い告白ってなんだか恥ずかしいし、どう言ったらいいのか全然分からない。
「じゃあ、フィーネ、もう一度」
突然、陽向はフィーネを見つめて言った。フィーネは驚いた顔をし、すぐに赤くなった。
「フィーネ…君のことが、すごく好きだ。いつも優しくて、元気で、そんな君が大好きだ。これからもずっと一緒にいてほしい。どうか、俺のことを信じてくれ」
フィーネは一瞬、ぽかんとした表情を浮かべた後、すぐに目を細めて照れ笑いを浮かべた。
「うわぁ、陽向くん…なんか、恥ずかしいけど嬉しい!」
陽向も自分の顔が赤くなっているのを感じ、なんだか照れくさくなった。フィーネは陽向の手を優しく握りながら言った。
「ありがとう、陽向くん。でも、ちょっとだけ物足りないかも!」
「えぇ!?」
「だから、もうちょっと…心から告白してくれる?」
フィーネは笑いながら、陽向をからかうように言った。陽向はその場で顔を真っ赤にして、今度こそ本気で言おうとしたが、ふとリュミナが冷静に言った。
「フィーネ、少しおふざけが過ぎるわ」
リュミナの一言で、フィーネは即座ににっこりと笑って手を振った。
「ごめんなさい、陽向くん。でも、ちょっと楽しんでみたかっただけ!」
陽向は、ほっと胸をなでおろしながらも、彼女たちの言葉を胸に刻んだ。
「告白、難しいけど…頑張らないとな」
その時、アモーラの声が再び響いた。
「さてさて、陽向くん、これからが本番よ。次の試練はもっと大変なことになるから、覚悟しておきなさい!」
陽向は少し緊張しながらも、次の試練に備えた。異世界で繰り広げられる恋愛バトルロワイヤルは、まだまだ始まったばかりだった。