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カーテン
カーテンを開いて、なんて歌詞の曲がある。結構明るい感じの曲で、外の景色はなんだって自分にとって意味があるんだよって。励ますような曲だったはずだ。
意味なんてない。
締め切った暗い部屋で、僕は一人でそう思っていた。励ましなんて意味がない。むしろそんな言葉が痛くて辛くて、いやだった。
だけど。
「おはよー!久しぶり!!」
思わず耳を塞いで、塞いだところで意味がないほどに喧しい不法侵入者が、あっという間に開いて見せたカーテンの向こう側。彼女の笑顔に負けないくらいの、痛いほどに明るい景色には。
もしかしたら、意味もあるのかなって。眩しさに目を細めながら少しだけ思った。