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ヒーロー


「ヒーローってかっこいいよな!ぼく、大きくなったら絶対ヒーローになるんだ!」

 小さい頃、君はよくそう言ってたっけ。ジャングルジムのてっぺんで、当時の仮面ライダーのポーズを真似して。臆病だった私はとてもそんな高いところになんて登れなくて、ずっと下から眺めてた。



「おまえは弱いからな!ぼくがヒーローになったら守ってあげる!」

 きっと、君とってはなんでもない言葉が、あの時の私はとっても嬉しかった。


 あれからもう10年。背が伸びて、君は眼鏡をかけるようになって。着る服も制服に変わった今、君は随分と大人しくなった。

 昔みたいな元気も、大きな声も、明るい笑顔も見られなくなって、私とも目を合わせてくれなくなった。


 でも、今日の君は。細くて頼りない背中で私を庇って、震える足で苦手な相手の前に堂々と立ちはだかるその姿は。私にとって、確かにあの日あこがれていた、かっこいいヒーローそのものだった。

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