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詩❲情景❳

夢と魔法の時間

作者: 日浦海里

薄茜色の空の向こう側

浮かぶようにそびえ立つ山の影


三十階建て、四十階建ての

硝子の木々を従えて


空に刻まれた陽炎の線の上

ゆらりゆらりと船を漕ぐ


光星が地平に口づけ

また明日、と眠りにつくまでの僅かな時間


周りがみんな

夢を分け合うことのできる時間



光星に代わって

闇星が空に浮かぶと



紫紺色の空の向こう側

溶けていくように薄れていく山の影


一つぽつり、また一つぽつりと

硝子の木々に明かりは灯り


空に引かれた灯火の線の下

季節外れの蛍たちが川の上を流れてく


闇星が地平に口づけ

良い夢を、と眠りに誘うまでの僅かな時間


夢のような時間を惜しみながら

それぞれの夢の世界へ帰る時間



光星に代わって

闇星が空に瞬いている

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― 新着の感想 ―
[良い点]  沈むさまを、地平への口づけと。  太陽と月にとっては、それぞれの仕事を終えてのおやすみのキスなのかもしれませんね。   [気になる点]  某ランドで、楽しんでる様子が、タイトルから浮かん…
[一言] いつもながら、描写がとても美しい作品ですね。 「三十階建て、四十階建ての 硝子の木々を従えて」や「光星が地平に口づけ」など、日常風景がこんな風に描かれたらとても綺麗だろうなぁと味わうように読…
[良い点]  真夜中よりも夕暮れの方が、時間が短いせいなのか、人工的な明かりが薄れるからか、景色としては幻想的な気がします。  でもやはり、気持ち的に浸れるのは暗くなってからなのですよね。  視覚の…
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