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シェレネとウィルフル
クリスマスなので今回はクリスマス章。
「ふぁ………」
シェレネは目を覚ました。
キョロキョロと辺りを見回すと、小さく首を傾げる。
どうやら、早く起きすぎてしまったようだ。
隣にはすーすーと眠るウィルフルが居る。
「あぁ……」
ウィルフルが何かを呟いた。
「我が妃よ。行かないでくれ!シェレネ!我が愛しの妃よ!」
夢を見ているようだ。
悪夢だろうか?
シェレネはふふっっと笑った。
そして、ウィルフルが伸ばした腕の中にふわっと髪を揺らし、収まった。
「あぁ、我が妃よ。帰ってきてくれたのか。良かった………」
満面の笑みで寝言を言いながら、チュッっとシェレネの頬に口付ける。
シェレネは顔を真っ赤に染めながら、そっとウィルフルの頬に口付けた。
冬告精のクラセナはそんな2人の様子を見て、ディアネス国に暖かな雪を降らせたのだった。
春告精はクララ、夏告精はクラリス、秋告精はクラリネ、冬告精はクラセナです。
可愛いニンフちゃん達です。