表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/204

第6話 光生成

もう一つあった自分の特異性:光生成の確認だが、まぁその名前の通りだろう。

光を生み出すことができるんだと思うが、何事も試さないとな。セリも言ってたし。


「光生成」


念じるつもりだったのだが、声に出てしまった。

念じてないからか何も起こらない。


今度は旅の宿を使った時のように意識して念じてみた。

そしたら掌がフラッシュした。


「目がぁ!目がァア」


直に閃光を見てしまい、目を抑えて転げ回る。あの大佐の気分が少し味わえた、最悪だね。

幸い失明しなくて済んだが、数分間周りが見えなくてすごく焦った。


「危なかった、明日セリに聞いてから使おう」


視界も安定し、精神的に落ち着いたのでそろそろ寝ることにする。


「光生成はアレだし、旅の宿はよくわかんないし、自分の能力変なのばっかだなぁ」


さっきのバ○スは完全に自分の所為なので何も言えないが、旅の宿については本当に分からないことが多い。せめて取説でもあればいいんだが、そんな都合のいいものがあるわけ無いし。


ピコン!


ん?

なんか鳴ったぞ。

音のした方を振り向くと自分のリュックが目に入った。音源はどうやらリュックの中からのようだ。


「スマホかな?」


リュックの外ポケットにしまっていたスマホを取り出し起動する。普段から連絡以外には使わないので、存在を忘れていた。そもそもこの世界に電波の届くとこなんて無いし。


「あれ?」


起動したスマホの画面にはアイコンが一つしかなかった。おかしい、殆ど使用はしていないが、画面が埋まるほどのアイコン(最初から入っているやつ)があったはずだ。とりあえず一つだけある設定のアイコンをタップした。

しかし、設定画面が開かず、表示されたのは取扱説明書の文字、そしてその下にプルダウンと表示のボタンンがあった。


・・・・・


無言でプルダウンを開く。そこには特異性の名前が2つ書かれていた。両方とも自分が持っている特異性である。


取説、そして自分の特異性。ここまでくれば自分でも分かる。とりあえず光生成を選択してボタンを押す。予想通り、光生成についての説明が表示された。


正直すごく有難い、だが同時に疑問が生じる。

スマホにこのアプリが入ったのはいつかわからないが、取説が欲しいと思ったのはさっきだ。そしてタイミングよくなる通知音、偶然ではないはず。となると、誰かがこちらを見ているということになる。


周りを見渡してみた。しかし誰もいない。

広すぎるリビングが、少し恐怖を与えてくる。


「考えても仕方ない。今日はもう寝よう」


そもそも、こちらの考えが読める相手なのだ。何かしたところで何とか出来るとは思えない。

とりあえず明日セリに報告だけしておこう。


そう結論付け、早足でリビングを出た。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



とある場所では


「どうかされたのですか?」

「いいえ」

「そうですか?なにやら楽しそうに見えますが?」

「別に。そのようなことはありません」

「?、そうですか」


ふふふ、そうですよ。貴方には関係ありません。

彼らは私だけの秘密です。

しかし、先ほどの驚きっぷりは良かったですね。サプライズ成功です。

ですがもう少し喜んでくれてもいいと思うのですよ。

・・・・・

サプライズがいけなかったですね。

次は注意しましょう。

ああ、しかしそれでは彼の困った顔が見れません。

何かいい方法はないでしょうか・・・



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



朝になりました、 時間は11時を過ぎたところです。

・・・・・

ベットの寝心地がよく寝坊してしまった。あと、あの後なかなか寝付けなかったのもいけなかった。ちなみにセリはまだ起きてきていなかった。

今から朝食もあれなので、昼食まで取説でも見る事にする。誰が用意したのか知らないが、ありがたく使わせてもらおう。

まずは光生成から見てみる。発動の仕方は昨日と同じでいいらしいが、生成系統の特異性は同時に、どこに、どのように発生させるかをイメージすることが必要らしい。昨日はイメージが曖昧だったため、掌が光るだけになったようだ。


取説を読み終えたので、もう一度試してみる。今回は指先が淡く光るようにイメージし発動させた。すると指先が蛍ように淡く光る。今度は手のひらに光の玉を出現させ、そのまま持続させる。光の玉はそのまま滞空し続けた。動けと念じれば思ったように動かせる。そして光度を上げたり下げたりしてみる。全て取説に書いてある通りだった。


「やり方がわかると使いやすいな」


調子に乗って、複数出して遊んでいるとセリが起きてきた。


『もう起きとったのか、ススムは起きんのが早いなぁ』

「いやもうお昼ですけど!?」


自分も起きたのが一時間ほど前なので、遅いと言うのはやめておいた。

一直線にソファに向かうセリ。最早定位置だな。


ソファに乗ったセリは、進の周りに浮いている光の玉を見て驚き


『もうそこまで扱えるようになったん!?ススム、天才ちゃう?』

「だといいけどな。 取説のおかげなんだ」

『トリセツ?』

「取扱説明書。要は、特異性の使い方が描かれてるんだ」

『はぁ?そんなもんあるわけないやん!』

「でもこれ・・・」


そう言ってスマホの画面を見せる。スマホに興味津々なセリだったが、取説の内容を見ると呆然とした。


『・・・そないなもんどうやって手に入れたんや?』


昨日起こったことを話す。セリは半信半疑だったが、現実に取説はあるので信じるしかない。取説の存在自体には納得していないようだが。


『そないな便利なもんあるんやったらうちも欲しいわ・・・』


そう言われても、取説くれたのだれか分からないし、どうしようもない。

とりあえずセリを宥める。


『まぁええわ。それがあればこの家のことも分かんのやろ』

「ああ、まだ見てないけど」


すぐ見てもいいのだが、セリも起きてきたので先に昼食を取ることにする。

自分は昼食を作るために台所へ向かった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ