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第5話 スカイサーペント

疲れたのでリビングでくつろいでいると時計は午後8時過ぎていた。


この家、入って分かったけど普通に電気、ガス、水道が使える。

それに家具や家電も全部揃っていて、冷蔵庫には食材まで入っている。

勝手に使ってもいいものかと思ったが、せっかくなのでありがたく使わせてもらっている。


・・・・・

ないと思うが、後で請求とか来ないよね・・・。


セリは現在お風呂に入っていてここにはいない。

汚れていたので、念入りに洗って放り込んでおいた。するとかなり気に入ったらしく、それからずっと入っており、上がってくる気配がない。


あまりにも長いのでちょっと心配だ。


しかもこの露天風呂も他と同様で、すでにお湯も張ってあり洗剤なども常備されていた。

いくら何でも用意がされすぎていて少し怖い。


『ふぃ~・・。あれはなかなかええなぁ』

「やっと上がって来たか」


そろそろ見に行こうかと思った矢先、セリが上がってきた。

セリはリビングに入って来たと同時に一番近いソファに飛び乗って・・・動かなくなった。


『な、なんやこれはぁ!』

「な、なんだ!?、どうした!?」


急に大声をだすからびっくりしてセリを見る。

セリはソファの上でゴロゴロしつつ何かを確かめ・・・仰向けになった。

顔から察するに問題はなさそうだ。


「・・・どうかしたのか?」


一応聞いておく。


『いや、この椅子が物凄くええねん!。びっくりして思わず声に出てしも・・た・・・わ』

「あ、そう・・・」


ソファが気に入っただけだったようだ。かなりリラックスしている、というか寝てる!?。

確かに座り心地もいいし、いいソファなのは分かるが・・・。


『ススム、明日からどないするん?』


疲れてたのかなとか思っていると、唐突にセリが聞いてくる。

寝てたんじゃなかったのか・・。


明日からの予定かぁ・・・。


「そうだなぁ・・、まずは川沿いを下って森を抜けようと思ってる」


森の中を探索してみたい気持ちもあるけど、迷って出れなくなるのは嫌だ。まずは森の出口を確認して方角を知らないとな。

川沿いなら迷うこともなく森を抜けられそうだし、森を抜けられなくても海などに繋がっているだろう。

もしそうだったら海沿いを歩けば森を抜けられるかもしれない。


ここが島で森しか無い場合は無理だけど・・・


『ええと思うで、それなら迷わんな。それに川沿いには強い魔物も居らんし』

「その魔物って・・、やっぱり襲ってくるのか?」


見てみたいけど襲われるのは嫌だな。


『基本駅にはそうやで。とはいえ魔物は本能的に相手との強さが分かるし、ウチはほとんど襲われることは無いで。ススムは人間やし襲われるやろうけど』

「それは俺が弱いからか?」

『それもあるけど、魔物にとって人間って基本餌やし』


餌・・・

マジかぁ・・・


もしセリの声が聞こえてなかったら、俺セリに食われてたのかな?。

よかった・・・声聞こえて。


『何やビビったんか?。大丈夫や、戦いはウチがやるから気にせんでええで』


ふんす、とドヤ顔で宣言するツチノコ。

・・・大丈夫なのだろうか?、勝てる場面を想像できないが・・・。


「そもそもセリって強いのか?」

『強いで!、この世で最強や!』

「あ、そう・・・」


流石に最強ではないだろうけど、戦闘力には自信があるようだ。

ずっとあの森に住んでたみたいだし・・・ 、少なくとも森では生きていける程の強さはあるのかな?。


『何やその返事は!。信じてへんな!、ならウチの能力見てみぃ!』


そういえばペアの能力って見れたんだっけ。

セリの能力って見てなかったな。

セリに見方を教えて貰って能力が見ると、


名前 :セリ


種族 :スカイサーペント


特異性 :心眼 鋼質化 収納 加速 身体強化 保護色 毒牙 風生成 雷生成



特異性多いな、殆どよく分からないけど・・。

しかしスカイサーペントかぁ・・・。ツチノコでは無かったんだな、ちょっと残念。

見た目はそっくりなんだがなぁ。


『どや?、ウチはこう見えても強いねんで!』

「確かに特異性は俺と比べても多いけど・・・」


特異性が多い=強いなのか?

見た感じ、強さに関係無いのも混じってるようだし。


『特異性の多さ=強さでは無いで、まぁ・・多い方がええのは確かやけどな』

「そりゃそうだろうけど」


特異性って特殊能力みたいなものみたいだし、それなら多いに越したことない。

しかしセリの特異性多いな、ちょっと分けて欲しい。


俺2個しか無いんだけど・・・


「ちなみに特異性って増やせるのか?」

『増やせるで。詳しくはまた今度話すけど、世界には特異性を付与する石がいろんな所にあんねん。それに触れると追加されるんや!」

「そんな石があるのか・・・」


よし、当分の目標はそれを探すことにしよう。

セリ色々知ってるし、石の場所も知っていそうだからすぐに見つけられそうだけどな。


『いやウチ知らんで』

「え?」

『その石はな、魔物を呼び寄せんねや。だから見つけたら壊すのがこの世界の常識なんや、もし特異性欲しいんやったら頑張って探すしか無いな』

「マジかぁ・・・」


そう美味い話はないか。仕方ない、地道に探そう・・・。

どうせ世界を回るんだしどこかにあるだろう。


『ウチも特異性減ったし、丁度ええか・・・』

「セリってもっと特異性持っていたのか?」


ただでさえ多いのにまだあるだと!?。

マジでちょっと分けてくれないか?


『そやで、昔はもっとあったんや。でも、ちょっとミスって無くなってしもた、いや盗られたって言った方がええんかな?』

「盗られた?」

『まぁ昔の話やしええんやけどな。愚痴った所で帰ってくるわけでもないし、昔と比べてちょっと弱なったけど、この辺の魔物には負けんし』

「そんなものか?」


俺だったら激怒案件なんだけどな・・・。

だって2つしかないし。


『そんなもんや。多すぎて殆ど使ってなかったし、しょうもないのも多かったんや。今残ってるのはよう使ってたのばっかやし、無くなってもあんま変わらん』


なるほどね。


『ちなみに特異性の効果を教えるとこんな感じや』


心眼:相手の能力を見ることができる。

鋼質化:身体を鋼に変質させる。

収納:異空間に物を入れておける。

加速:徐々にスピードが上がる。

身体強化:身体能力を強化する。


『効果は基本使わんと分からへんし、使うのも慣れが必要や。だからススムもどんどん使っていかんとあかんで』

「あ、ああ。分かった」


そう言うと、セリは大きく頷いた後欠伸をする。

色々話をしていたせいか、そろそろ日を跨ごうとしている。


『そんじゃウチもう寝るわ、あっちの部屋は使ってもええんか?』

「ああ、多分大丈夫だと思うし好きな部屋を使えばいいよ。俺は違う部屋使うから」

『そうか、なら一番手前の部屋使わしてもらうわ』


セリはそう言ってリビングを出ていく。

俺も早めに寝ようとは思うけど、その前にもう一つの特異性を確認しておかないと。

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