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第20話 おやつを要求する

はっ、寝てた?

ちょっと休憩しようと思ってソファに転がったとこまでは覚えてるが、そこから先の記憶が怪しい。

少しの間意識が飛んでいたような感じがする。


時間は・・・お昼回ってるな・・。

どうやら10分ほどではあるが寝てしまってたみたいだ。


確かの眠気はあったが、寝てしまう程とは・・。

今日そんなに疲れてないはずなんだけどなぁ・・・。


まぁいいや、寝るつもりは無かったが、結果的に少し寝たので眠気は取れている。

お昼も回ったしご飯にしよう。さて何が良いだろうか。


そういえばナギとフウは普段どんな物を食べてるのだろう。

こちらの世界の住人の食料事情について聞いておきたいな。美味しいものがあれば教えてもらおう。


そう思いつつ昼食の準備をしていると、廊下からドタドタと音がする。


「おじちゃん!!お願いがあるの!」


勢いよくリビングに入ってきたのはフウだ。

髪がまだ濡れてる。ちゃんと拭かなかったか、拭いてるナギを振り切ってきたか・・・


後者だな・・・

パンツオンリーの姿なので分かった。


お願い?聞くけど、とりあえず服を着ようか。

そのままだと風邪引くぞ。


「はーい」と言って、フウはドタドタと戻っていく。後で通路を走らないよう注意しないと。

お風呂に入ったからか知らないがなんか元気になってきてるな。


最初の警戒心も大分無くなってるみたいだし、少しは信用して貰ったのだろうか?

嬉しいが、信用してもらうようなことほとんどしてないぞ。


そうしている内に二人が風呂から戻ってきた。

セリは・・・、ナギに抱っこされてるな。まだ引きずってるか・・・


「お待たせしました。お風呂ありがとうございます」


ナギが頭を下げてくる。別に何もしていないので気にするなと手を振っておく。


「服は大丈夫だったか?」


サイズなどは分からなかったので不安だったが、見た感じ問題はなさそうだ。

それにしても和服がよく似合うな。二人とも黒髪だからそうみえるのかな?


「はい、大丈夫です。生地も良質ですので着心地もいいです」

「おじちゃんありがとー」


なら、よかった。

二人とも無理して着てる感じもないし、着心地もいいのだろう。

そんなにいいのなら今度俺も着てみるか。

正直な所、和服とは縁がなかったので生地などよくは知らないのだが、その辺りは"旅の宿"のイメージ補正でもあったのだろう。サイズが合ってるのも含めて感謝しかない。


「それでススムさん。お願いがあるのですが・・・」


お願い?そういえばフウも言ってたけど・・・


「差し出がましいとは思ったのですが、セリさんのおやつについて少し・・・」


セリのおやつ?

もしかしておやつ抜きにしたこと?


「はい。セリさんの現状を見るに少しかわいそうと思いまして・・・、3時にもどうかあげて頂けないかと」


・・・・

俺は無言で抱っこされたセリを見る。おいこら、そっぽ向くんじゃない。

こっちを見なさい。


こいつ・・・、二人の言うことだと俺が聞くと思って巻き込んだな。

そこまでして食いたいか・・・


「ダメでしょうか?」

「ダメ?」


ナギとフウが見つめてくる。二人ともかわいいのでそう見つめられると返答に困る。


くそう!、ダメとすごく言いにくい!

けど、ここでセリにおやつを与えるとまた太るし、今後も二人に頼るだろう。


それだけは阻止せねば!他ならぬセリのためにも。


「ダメ。これ以上セリが太るのはよくない、本人のためだ」


言った瞬間、セリが舌打ちしやがった。

こいつ・・・一生おやつ抜きにしてやろうか。


「確かに太るのは良くないですが・・、そこまで太ってるのですか? 確かに蛇としてはかなり太ってるように見えますが」


ナギの質問もわかる。

セリってツチノコ体型だし、蛇って考えると太りすぎだよな。


それにどうやらナギは、余りセリに肩入れしてないみたいだ。

フウは「え~!?いいでしょ!」と駄々をこねてるが、ナギは冷静だ。


ちゃんと経緯も説明しとこう。もしかしたらナギはこっち側に回ってくれるかも知れない。

ナギがこちらに付けば、フウはナギに任せよう。


「セリは元々このような体型なんだけど太ってるのは確かだ。ここ数日で太ったからな」

「数日で!?」

「ああ、昨日まで雨が続いて降ってただろ? その間旅を中断してたんだがその間にセリは太った。お菓子の食べ過ぎでな」


ナギがセリを見る。セリはそっぽを向き目を合わせない。

ナギの目が少し細くなった。


「その食べ過ぎてたお菓子って・・」

「みんながさっき食べたどら焼きだ」


最初はセリの機嫌直しに出してたんだが、途中で止めるべきだった。

ちなみずっと食べる続けるので、どこまで入るのかと試してたのはひみつだ。


「どら焼き・・・あれは食べるとそんなに太るんですか?」

「太るのは確かだが食べ過ぎなければ問題ないし、食べてもその分運動すれば太らない」


その言葉にナギがほっと息を吐く。もしかして体重でも気にしているのだろうか? 聞かないけど。

女性に体重と年齢は聞くなと、昔上司に言われたなぁ。


「その話からすると、セリさんはどら焼きを食べ過ぎたってことでしょうか?」

「ああ、そして運動もしてない。だから太った」

「つまり食べ過ぎで太ったので、ススムさんはおやつを制限したって事ですね」

「そう言う事。本当は運動させたらいいんだが、本人がやらないからさ」


ナギがもう一度セリを見る。セからは大量の冷や汗が出ている。

それを見てナギはため息をついた。


「そう言う事でしたか・・・、出すぎた事を言いました」


ナギは頭を下げ、そしてこちら側に移動する。

できた子だな。


だが頭を下げる必要は無いぞ、推測だがセリとフウに頼まれた感じがするから


さて、これで2対2だ。残るフウはどうするのかな?


「どうしようセリちゃん? お姉ちゃんがあっち行っちゃった!」


セリと顔を見合わせて相談してる。ノープランだったか。

子供だししょうがないな。


子供には子供の対処法があるのでそっちを使おう。


「フウちゃんはセリにおやつをあげてほしいの?」

「う、うん・・・だって可哀想だし・・・」


威勢ないな、ナギが居なくなったからか?

しかし、それでもセリにあげたいと言うことは純粋に優しいのだろう。

見ててほっこりする。かわいい。


「フウちゃんは優しいね。じゃあセリに上げてもいいけど条件があります」

「ほんとぅ。なんでも言って!フウ何したらいいの!」

『ホンマか!?フウ頑張るんやで!』

「あの、あげていいんですか?」


ふんす!するフウ。目を輝かせて

そしてそれを聞いたナギが困惑してるが大丈夫だ。

そしてセリ、やっと声を出したけど諦めろ。


「ああ、セリにおやつをあげるかわりにフウちゃんがおやつ抜きな。可哀想なら自分の分あげれるよね?」

「ごめんセリちゃん、フウは力になれないよ・・・」


速攻の手のひら返し、計画通りだ。

子供は自分のを取られると嫌がるからな、そうすると思ったよ。


あっさり裏切られたセリは、一瞬何が起こったか分からず呆然としていたが、じきに状況を理解し泣き出した。


皆目を逸らして見なかった事にした。



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