第164話 部屋替え
リースレットに言われてナギの不満に対する改善案を1日中考えてみる。色々考えてみたが、やっぱりナギとの接し方が結婚前後であまり変わってないのが問題だと思う。2人でいることは増えたし、ナギが甘えてくるようになったが、俺の対応は告白前と同じで、妻というより娘として接していた気がする。
これはナギからも言われており、女としてみられていないと感じているそうだ。そんなつもりはないんだが、まだナギは子供のイメージが強いので、多分無意識に娘として見てるのかもしれない。
まずはそこから改善していかないと。
「という事で、部屋替えをします」
「どういう事か分からないけど・・・。部屋替え?」
『僕も部屋も貰えるのかい?』
「ん?、リンも部屋が欲しいのか?」
『ちょっとね・・』
「じゃあリンの部屋は後で決めようか」
次の日の夕食後、家に住んでいるみんなを呼ぶ。セリは冬眠中なので不参加だ。まぁ出てきても『どうでもええわ』って言ってどっかいきそうだけど。
「ああ。でも部屋替えといっても大きく変更するつもりはないよ。まず俺の部屋を2階に変える、2部屋を1つにする」
「大分大掛かりじゃない。というか2部屋を1つに出来るの?」
「出来るよ」
最初取説を見た時に載っていた。
庭などと同じでこの家の間取りも意思1つで変更できる。今が既に俺の理想の間取りなので、変更する必要無かっただけだ。
「あの・・、1部屋って今お借りしているあの部屋ですよね。2つ部屋分だと広すぎませんか?」
「いや・・・それは・・だな」
「私が一緒に使いますので大丈夫です。これからは私がススムさんと同じ部屋で寝ます」
『「「へぇ・・なるほどねぇ・・・」」』
「あ、そうなんですね」
何だよその「へぇ」はよ・・。いいだろ別に、夫婦なんだから!。クリスティのように普通に納得してくれればいいだろ!。あとそのニヤついた顔止めろ!。
ナギへの意識を変えるために、まず2人だけの場所を作ることにした。今まで俺の部屋に来てもらってたけど、あくまで俺の部屋に来てただけなので、実際ナギと2人だけの空間は無かった。
最初別の家を建ててそっちに移ろうかとも考えたが、ナギは一緒の部屋があれば良いと言ってくれたので、部屋替えだけにしたのだ。その時「引っ越しは子供できてからで良いです」とか言ってたけどスルーした。
「つまり2人の愛の巣を作るわけね。で、部屋替えはそれだけ?」
「その表現も止めろ!。いや、それでこの際だからみんなの意見も聞いておこうかと思ってな」
「意見?」
「ああ、例えば俺みたいに部屋の位置を変えたいとか、2階、又は1階がいいとか、部屋の窓の位置を変えたいとかさ。一応みんなには各自の部屋を変更できる権限を与えているけど、家具までだからさ」
「いいじゃない!。じゃあ部屋に蛇口つけて!」
「待て待て!、各部屋の要望は後だ。その前に自分の部屋が欲しい奴も居るから位置決めからだ」
「はいはい分かったわよ。あ、私の部屋は今の位置でいいから」
それから他のみんなの意見を聞く。
結果俺とナギが2階の1番奥の2部屋を1部屋にして使用。その手前の部屋をフウとチェルシーが使う。この2人の部屋は扉を増やし、中を襖で仕切って2部屋とした。フウがこんなに大きくなくていいと言ったのとチェルシーも部屋が欲しいと言ったのでそうした。これで元々あった4部屋のうち3部屋が埋まり、残りの1部屋は今は開けておく。
1階はチョコ、クリスティ、リン、セリが使用する。チョコの部屋は位置を変えないが少し部屋を大きくした。あとフウ達の部屋と同じように壁で仕切り扉にしてリンの部屋にした。リンが部屋を欲しがったのは、夜チョコが何かやって寝れないためらしいので、チョコには自重してもらう意味も含めて蛇口をつけるのはやめておいた。ちなみにチョコの部屋を大きくしたことでセリの部屋が少し小さくなったが、元々部屋の半分も使用していないので大丈夫だろう。セリが嫌だと言ったら戻すけどね。
元俺の部屋はクリスティが使用することになった。その際部屋の一部にクリスティの要望で神像を設置し、彼女が毎日お祈りをするための場を作る。それ以外はそのままでいいということなので、極力そのままにしておいた。
「この部屋はどうするの?。空き部屋のまま?」
「いや、ここは女性みんなで使ったらいいよ。化粧台とか、お茶用意できるように簡易キッチンとか置いたから適当に使ってくれたらいい」
ナギが前に話していたが、女性陣はよくパジャマパーティをしているらしい。聞くと悲しくなりそうなので内容は聞かないようにしてるが・・・。
その際はいつもチョコの部屋を使っているらしいので、この際この部屋をそれ用に変更した。細かいところはナギにお願いしておいたので後はみんなで好きにしてくれればいい。
「それはありがたいけど、ススムはそれでいいの?」
「いいよ。女性同士で話したいこともあるだろ?」
それに俺用の部屋は用意してある。勿論誰にも言ってないがな。
1人になりたい時はそこに隠れさせてもらうから。
「ススムさん。何か隠してませんか?」
「か・・隠してません」
ナギにはすぐバレたけど・・・




