第14話 光生成②
魔物道を発見した。
しかし今日の移動はもうやめる事にした。
理由は色々あるが、二人で話した結果そうなった。
というより、セリがお風呂に入りたがったのでそうした。
そして、風呂に入ったらもう動きたくないと駄々をこねる。
結果、明日に持ち越された。
今回は、セリの活躍が多いので俺が折れた。
でも、何をしようか
まだ昼食を食べてから時間も経っていない。
うーむ・・・よし、
取説でも見て、特異性の練習でもしよう。
いざって時に、自分でもなんとか出来るようになっていかないと。
今後もセリ頼みでは申し訳ないしな。
そう思い、庭に出る。
光生成の取説を見つつ、特異性を発動する。
その名の通り光を生成するだけの能力だが何事も使い方次第で変わってくる。
今日の戦闘を見てそう思った。
マッドロブスターは泥生成で泥を飛ばすだけだったが、セリは風生成で攻撃から防御、また補助にと色々使い分けていた。
セリ曰く、風を使って飛ぶこともできるらしい。
スカイサーペントは皆、風生成で飛んでいるのだとか言ってたし。
風生成って便利だよな。
俺も欲しい・・・
でも高いとこダメだし、飛ぶ事はないか・・・
話が逸れた。
無いものをねだってもダメだ。
自分が持っているもので頑張らないと。
まず、光生成で光の玉を頭上に滞空させる。
この玉は単純に照らすだけのもので、触ってもちょっと暖かいかな?くらいのものだ。
暗い洞窟などを進む時に重宝しそうだな。
戦闘では無意味だが。
戦闘で使用できるとしたら、閃光か。
目くらましだな。
生成範囲は決まっているが、何処にでも出来るので敵の目の前で出来るようにしておこう。
練習するには・・・サングラスがあればいけるか?
・・・・・ぐはぁ!
目が痛い、一つではダメか・・・
閃◯玉投げるハンターさん達はどうやって回避してるんだ?
一瞬だけ目を閉じてるのだろうか
結局、閃光の練習にはサングラス三枚重ねで何とかなった。
これで、ある程度は狙いを定めて使えるだろう。
ただ直視しないようにしないとな。
あと他人が近くに居る場合、注意しなければ。
光であと出来ることは・・・
何かあるのか?
もう、出来ることがない気がするんだが・・・
壁作っても眩しいだけだし。
オワタ。
なんて言ってる場合じゃないな。
もう少し考えよう・・・
えっと、光の色は・・・あっ変更できるな。
玉を作って信号のように色を変えてみる。
イメージ次第で何色にも変えられた。使え・・・る?
否、あんまり意味がない。
気がする。
とりあえず何かに使えないかと思ったが、結局色変わるだけで攻撃性は無かった。
目はチカチカしたけどね。
花火を真似したりして遊んでみたけど、一人なので悲しくなってきた。
一人で線香花火とか寂しすぎる・・・
あと音がないので物足りない。
打ち上げ花火も真似出来たけど音がない。
花火って音が無いとダメだね。今知った。
おっと、練習の方向がどんどんズレてる。
戦闘に役立つ事を練習しなければ。
だが、光であと何が出来る?
色々出来そうな気がするんだが、いざ考えると思いつかない。
マンガとかではよく出てくるんだけど・・・。
ほら光で攻撃ってよくゲームとかマンガであるよね。
あれってどうやってダメージ出てるの?
大抵、光で貫いてるよね。光って物理攻撃出来たっけ?
・・・試してみるか
というわけで外に転がっていたマッドロブスターの殻(洗浄後)を回収。
掌から光の線をイメージして当ててみる。
当てた部分が光る、穴は開かない。
ただのレーザーポインターだった。
ん?レーザー?
!、あるじゃん!レーザー。
光で攻撃出来るじゃん。
確かレーザーで物を加工したりしてるし出来るはず。
原理知らないがイメージで何とか出来るかな。
よっしゃぁ、そうと決まれば練習だ。
~数時間後~
『アンタ・・、何してんねや・・・』
セリの呆れた声が聞こえた。
すみません、調子に乗って色々試してました。
庭には穴だらけになったマッドロブスターの殻が積み上げられていた。
後、庭自体も穴だらけだった。
レーザーは出来た。
思ってた以上に高性能だった。
光生成いいね。
「どこまでやれるか試してたら・・・この通りです」
『何したらそんななんねん?まぁええけど、ちゃんと片付けときや』
はい・・・すみません。
とりあえず殻は外に捨てて、庭イメージで修復する。
これで元どおりだが汗だくだ。
もう一回風呂にでも入ろう。
・・・
・・・・・
「なんで、お前まで入るんだ?」
俺が風呂に入ると分かったらセリも付いてきた。
何故だ?さっき入っただろう?
それにしても二度風呂は最高だ。
常に沸いている状態だから、準備もは要らない、掃除も不要。
素晴らしきかな旅の宿。
イメージ次第では、効能も追加出来るし完璧だ。
『で?さっき何してたん?穴でも掘ってたんか?』
「特異性の練習。光生成で出来る事試してた」
あの結果は、ほぼレーザーで遊んだ所為だけど。
簡単に穴が開くと面白い、つい他にも開けたくなる。
『光で穴が開くんか?あれ光るだけやろ?』
そうなのか?
でもレーザーは出来たぞ?
『レーザー?』
ん?知らない?
そうか!そうだよな、森にいたら知らなくて当然だよな。
あれは自然に発生しないし。
「詳しい原理は知らないんだけど、光を当てたら穴が開く」
『漠然としすぎではないか?』
いいんだよ、使えるんだから。
これで少しはセリの役に立てると思う。
コイツが苦戦するところは想像出来ないけど、なにがあるか分からないし準備は必要だよな。
『まぁ・・・無理はせんときや』
ジッと見てたセリはそれ以降何も言わなかった。




