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第13話 マッドロブスター②

評価ありがとうござます。 やる気出ます。

『せっかくウチがチャンス作ったったのに、あんたはぁ』


飴ではダメだった。セリの機嫌は悪い。

最初のんびりしてたのも良くなかった。


今もぶつくさ言いながら昼食を食べている。


しかしこっちの言い分も聞いてほしい。

確かに最初のは俺の不注意なのでなにも言えないが、あんな方法でシャッターチャンスを作らなくてもいいと思うんだ。セリがやられたとは思わないが、無事かどうか心配だった。


というか事前に言っといてくれ・・


はぁ・・・心配して損した。

セリに悪気がないのは分かるし、写真のことも俺が言い出した事で、忘れていたのも俺だ。だからセリに文句を言うことはしない。

黙ってセリの機嫌が直るのを待とう。


とはいえ、このままセリの側にいると、セリの機嫌が治りそうもないので1人で先に進もう。こういう時はほっとくのが一番だ。

触らぬ神に祟りなしってね。


「そんじゃ行ってくるわ」


そう言って家を出る。セリはどうしようか迷ってたみたいだが結局来なかった。

心細いが仕方ない。幸い今魔物が少ないみたいだし。


そういや一人で外歩くのセリに会う前以来だなと思いつつ門を開けた。目の前には先程倒したマッドロブスターが転がっている。そしてその周りもマッドロブスターが居た。数十匹ほど・・・

川がマッドロブスターで埋まってた。


お食事中らしく。死んだ同胞に群がり皮をバリバリ食べている。


「うわぁ・・・」


気付かれないうちにソッと門を閉めようとしたが、門を開けた時の音であっちもこちらに気付いたらしい。

目が一斉にこっちを向いた。


「・・・失礼しました」


泥が大量に飛んできた。

速攻で門を閉め、門を消す。


ふぅ危なかった。

あまりの光景に、ちょっとその場に座り込む。


ザリガニ多過ぎだろ!

知ってるサイズでもあんなにいたら引くわ!


『なんや、なんかあったん!?』


家からセリが飛び出して来た。

どうやら門を閉めた音が大きかったので、気になって来たようだ。

あんなに機嫌が悪かったが、こういう時はすぐ来てくれる。


やっぱりいい奴だなこいつ。


「さっき倒したマッドロブスターに、マッドロブスターが群がってた。当分出れそうにない」

『ほう?何匹くらい居たんや?』

「数えてないから分からないけど、パッと見て数十匹はいたかな」

『数十匹!? そんな居るんか!?』

「ああ、だから今は出ない方がいいな。あいつらが散るのを待ったほうがいい」


とりあえず門は消したしあいつらがここに来ることはない。

食べ終わって、どっか行くのを待とう。


『待って、今すぐ側にそいつら居るんやんな?だったらウチを外に出してくれへんか?』


セリが変なことを言い出した。

待て、今出たら危険だぞ。


『大丈夫や、あいつらは大したことない。数が多くても一撃で倒せるし。どっちかって言うと、今あいつら逃したほうが問題になる』

「うん?どういう事だ?」

『さっき魔物がおらん話をしてたやろ?恐らく原因はあいつらや』


セリが言うには、マッドロブスターの餌は他の魔物らしい。前見た時に、魔物を捕まえていたからだそうだ。そして今回大量発生した事で大量の餌が必要になり、川沿いに居る魔物を食べ尽くしていたようだ。


そのせいで、魔物は食べられないように川沿いに姿を出さなくなった。

なるほど、確かにあのサイズなら一度に食べる量も多そうだ。


『ほっといてもええんやけど、大量発生で生まれた奴らは凶暴な奴が多い。今後邪魔になりそうやし、今のうちに狩っといた方がええやろ』


そうかも知れんが・・・、やっぱり心配だ。

セリが大丈夫と言ったら大丈夫なんだろうけど。


・・・・・よし


『ススム!早よ門開けてぇや』

「分かった。ただし俺も行くからな」


セリ一人では行かせない、行くのなら俺も行く。

怖いけどそう決めた。


俺の目をじっと見てたセリは何も言わずに分かったと伝えてきた。


『後ろ下がっときや、危ないしな』

「分かってる。お前も無茶するなよ」


『誰に言うてんねや』とセリは少し笑った。

俺は門を出し、開ける。目の前にはまだ大量のマッドロブスターが居た。


『先手必勝や』


門を開けたと同時にセリが消えた。

アーススパイダーの時と同じ要領で体当たりしたのだろう、門の前に居たマッドロブスターに風穴が開く。

そのまま一直線に体当たりしたのだろう。後ろにいた奴にも風穴が開いていった。


マッドロブスター達は何が起こったか分からず混乱しているようだ。

今のうちに俺も外に出て門を消す。マッドロブスターには気付かれていない。


さて、セリはどこだ?


ギェェェとマッドロブスターの悲鳴?が聞こえた。

そちらを見ると川に居たマッドロブスターの上にセリが乗っている。下のロブスターは胴から後ろが無かった、セリが風で切ったのだろう。


『ええんか?川なんかに入ってて?ウチは助かるけどな』


セリがマッドロブスターに問いかけつつ、頭上に雷の玉を生成して川に落とした。


雷が落ちたような轟音が周りに響く。咄嗟に耳を塞いだが耳鳴りが酷い。

地上にいた奴らは無事だったが、川に入っていた奴らは一瞬にして焦げていた。

辺りに焦げた匂いが充満する。


『これで7~8割減ったやろ。後はそこの奴らやな』


セリは最初に倒したマッドロブスター周辺に居る奴らを見る。

奴らはまだ混乱しているようだが、セリに向かって泥を飛ばし始めた。

しかしセリには届かず障壁で防がれている。


セリはお返しに風を飛ばし返した。

一度に複数の鎌風がマッドロブスターらの体を真っ二つにして行く。


これは・・・勝負あったな。

俺はそう確信した。セリとマッドロブスターではレベルが違いすぎる。特異性ひとつ取ってもセリとマッドロブスターで精度に差があり過ぎた。


『ほい、これで終わりやぁ』


セリが最後の一匹を真っ二つにする。と、同時に辺りに静けさが戻ってきた。


「お疲れ様」


側に戻ってきたセリを労う。

結局俺は見てるだけだった、何か出来ることはあるかと思ってたんだがなぁ。


『どや?大丈夫やったやろ?』


ふんす、とドヤ顔で言うセリ。

大丈夫だとは思ってたが、ここまで危なげなく倒すとは思ってなかったよ。


「ああ、すごいな」


だから素直に褒める。


『とりあえずあいつらの魔石回収しとこか。ちょっと多いけど』


褒られ嬉しそうなセリは、照れ隠しなのかそう言って魔石を回収しに離れ行った。

分担しながら全部のマッドロブスターから魔石を回収する。合計で63個あった。

川底などにも居たらしく、思ったよりも多い。しかもマッドロブスターのサイズが大きいため、一つがソフトボールくらいあり、アーススパイダーの倍は大きい。

集めるとちょっとした山ができた。


『ふぅ疲れたなぁ。無駄に大きいのんも考えもんやな』


セリがそう言いつつ戻ってきた。またマッドロブスターの死骸に寄ってきていないか、周囲を見て回って貰っていたのだ。

結果どうやら新手は居ないみたいだ。


『ほんでススムあったで、魔物が通った道がな』


そして魔物道を見つけてきた。


セリさんグッジョブ。


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