第4話
俺達は街で情報収集をすることにした。別に真剣に考えた結果じゃなくて、ただ金がないだけだがな。
「お前達は情報というが、一体どうやって調べる?」
と、鈴村は言った。
「どうやってって。街の人に訊けばいいだろ」
「本当に?」
文句あるのかよ。
「わざわざ足を使ってやるのか?」
それ以外に何かあるのかよ。
「頭を使え。お前は街を歩き回って聞こうとしてるだろ?」
だからなに。
「もっと体力を使わない方法があるだろう?」
もったいぶらずに教えろよ!
「この時間だとファミレスがいいかな?」
と、智樹が言った。
「It is so」
??
鈴村は俺の疑問に気づいたか、
「そうだ」
と、言いなおした。
「英語を勉強しろ」
と、言うと近くのファミレスに向かって歩き出した。
「ああいうヤツだけど役に立つと思うよ」
俺の後ろにいた智樹がそう言った。
ファミレスの自動ドアを通り、若い女性スタッフにテーブルへ案内された。
俺達は一応注文する。
なににしようかなっと。
「コーヒー三つで」
と、鈴村が言った。
「は?」
「今は適当に頼むだけだ。はやく情報収集をするぞ」
そう言うと鈴村は俺にさっさとやれというような感じの視線を送った。
「はいはい」
俺はその代わりにやる気なさそうに立ち上がった。
手始めに近くのバンドを組んでいそうな男達に尋ねる。
「ちょっといいですか?」
男達は盛り上がっていた会話を止め、リーダーと思われる男が、
「何?」
「今は食糧不足らしいけど、そうなの?」
男達は顔を見合わせ、
「そうだけど、どうしたんだよ?」
「ファミレスとか、一部の店は食料不足の割には商品がそろっているんだ。それを不思議に思わないのか?」
男は鼻で笑いながら、
「別に気にならないけど」
何で?
「何でって、普通に?普通だと思ってるけど」
俺は鈴村と智樹を見る。
智樹は不思議そうな顔を、鈴村は困りましたポーズをしている。
普通って何だよ、普通って。