第三話
いつもの平和でヒマな夏休みに何かが起きようとしている。今度は友人である智樹の携帯に電話をかけた。
『はい?』
智樹はワンコールで出た。
「今は食糧不足なのか?」
俺はあえて後ろにクエスチョンマークを付けて言った。
『そうらしいね』
やっぱりそうか。安心したよ。
『でも、それは一部の店だけなんだ』
???
『変だよね。全国ニュースでやってたのに』
お前の家の周りはどうだ?
『近くのコンビニは飲み物と雑誌以外何も無いね』
そうか。一体何故?
『さあ。僕には分からないなぁ』
なあ。今から会わないか?
『わかった。じゃあ中央駅前に集合ね』
俺は通話を切ると、急いで家を出た。いつもの俺なら「面倒だ」と言ってなんのアクションも起こさないはずなのに今日は勝手に体が動いた。
バスに乗り、早く着かないものかとあせっていた。
三十分後、中央駅前に着いた。すでに智樹は入り口前で待っていた。
「やあ。休日に会うのは初めてだね」
そうだな。それよりも詳しいことを調べたほうがいいな。
「まあそうだけど、その前にゲストを紹介するよ」
と、智樹は右腕を挙げた。
すると、俺と同じくらいの歳の男が出てきた。
「こいつは誰だ?」
その質問に智樹が答えた?
「僕が通っている塾で毎学期首席をとっている鈴村雄二君だよ」
ほほー。首席と言うとメガネをかけて、ガリ勉オーラが大量放出されているものだと思っていたが以外にも鈴村雄二というヤツはチョットだけイケメンの部類に入る感じだった。
「男同士でデートなんて趣味じゃないんだがな」
鈴村は空を見上げため息をつき、
「しょうがない。付き合ってやるよ」
ムッカーと言いたくなるな。俺はそういう喋り方が大嫌いだ。
「一応挨拶だけはしておこう」
鈴村は俺の前に手を出して、
「よろしく」
握手をしようというのか。まあ、するか。
そんなわけで俺と智樹と鈴村で食糧不足について調べる事にした。