異世界スマホに対する懺悔
『異世界はスマートフォンとともに』という作品がある。
またの名を『異世界スマホ』『イセスマ』
2017年、つまり今年の夏にアニメ化され、良くも悪くも話題となっている作品だ。
当の私はそのアニメを見ていたわけではなく、原作も読んでおらず無関係だった。
しかし先の11話の放送によってネット上で大きな話題となったことを経て、非常に興味を持っていった。
調べて行き着いたのは目を覆いたくなるほどの悪評の数々。賞賛を見たことはほぼ無い。
特にアニメ11話の評判は酷いもので、「呪いのビデオ」だの「見る拷問」だの果てはSCP認定までされる始末であった。
(1話は懲役23分と呼ばれ開始当時から話題ではあった)
批判をいくつか挙げると
・中身が無い
・チープなハーレム
・主人公をあげるために他のキャラが総じて馬鹿に描かれている
・主人公がめっちゃ人を殺す
・主人公の表情が不快
・主人公がスマホを殆ど使わない
などであった。
誤解を避けるために明言しておくが、私は今まで異世界スマホを明確に非難・批判・批評したことはない。
基本的に否定をせず、擁護派に回るのが性に合っているというのもあるし、見たことがないものをネットの評判だけで貶めるのは好きではない。
しかし、数々の悪評を眺めるうちに心のどこかで異世界スマホを馬鹿にするような気分になっていたのも否定はできない。
そしてこの作品について調べていくうちにそのことを実感し、恥じる気持ちになった。
異世界スマホを知る人のうちの何人が知っているかはわからないが、この作品が最初に投稿されたのは2013年4月8日だ。
それから毎日投稿されている(ざっと見ただけなのでいつ投稿が途切れたとかは知らない)
1話をのぞいて見たが文章は読みやすく、描写も良い。
なろうで大成する作家にとって毎日投稿は基本なのかもしれないが、怠け者の私にとっては本当に見習うべき尊敬することだ。
それぐらい他の人もやってる、普通だという理由で評価しないのは(個人的に)おかしいと思う。
要するにこの作品は最近の異世界モノブーム影響されて安易な思いで書かれたものではないというのは断言できる。
(安易に影響されて異世界転移モノを書いてすぐ辞めた筆者としては耳が痛い)
※昨今のブームに影響されて執筆する方々を悪くいうつもりは毛頭なく、誤解されたのなら申し訳ない。
とはいえ、どれだけ努力をしたかが作品の出来と必ずしも直結しないのもあるまた事実。
原作を読んだ人が低評価をつけるのも、アニメを見た人が低評価をつけるのも正当な行為である。
ただ、この作品のことをよく知りもせずに
「こんな出来の悪い作品がアニメ化するなんておかしい」とか
「作者はどうかしてる」とか
「この作品の円盤を買うなんてww」とネットで書くのは筋違いだろう。
(少しでもコネなんじゃないか…とか思ってしまったことについては心から反省しています)
特に小説を書いている人、または書きたいと思っている人はこの作品を根拠なく下に見ていないか?
「テンプレじゃんww俺のが面白いの書けるwww」と思っている人はこのクオリティの文章を毎日投稿できるか?
だらだらと長くなってしまったが、要するに
・偏見から思い込みで批判していないか?(その印象に根拠はあるか)
・その批判は間違ってないか?(作者・読者への中傷)
・雰囲気に流されてノリで叩いていないか?(本当にその作品のことを知っているか)
・批判先は間違っていないか?(内容ならともかくアニメの描写で原作を批判していないか)
ということに注意して欲しいということだ。
私のようなミスを犯す人は少ない方がいい。
『異世界はスマートフォンとともに』という作品の関係者様、今回は本当に申し訳ありませんでした…!