5話 魔石とスキルの検証
「お、コレか?魔石は」
翌朝、目が覚めた俺はゴブリンキングの胸を切り裂いていた。
あ、切ってるのはゴブリンキングの家にあった普通のナイフだ。
何故そんなことをしているのかというと、
(魔物だから魔石があるかも!)
と、今更のように魔物の定番を思い出したからだ。
それより、さっき抉り出した青い球状の石を【天眼】で視てみる。
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ゴブリンキングの魔石 Bランク魔石
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と、それだけ出てきた。
Bランクか。
やっぱりキングは強かったみたいだ。
とりあえず【無限収納】にしまっておく。
他のゴブリン達からは魔石は取らなかった。
どうせ最低ランクだろうし。
「あとは何しよっかな。やることねーんだよな」
なんとなくステータスを視てみる。
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ラント アカサキ 17歳 男
種族:ブラッドゴブリン(ユニーク)
職業:血槍術師
Lv1
[余分EXP保有…SPに変換可能]
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(ん?何これ。余分EXPは何となく分かる。多分ゴブリンキングとのLv差がありすぎてLvMAXになる為に必要な経験値を越えていたんだろう)
「でも、SPって何だ?【天眼】で視てみるか。………ああ、スキルポイントの略ね」
【天眼】で見た通りだと、SPとスキルを交換出来るらしい。
スキル一覧はーっと。
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スキル一覧
[10ポイント]
・剣術 ・槍術 ・斧術 ・盾術 ・体術
・爪術 ・棍術 ・棒術 ・弓術 ・杖術
・刀術 ・短剣術 ・槌術 ………etc
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「大したものはないなー。あれ?これは?」
スキル一覧を下にスクロールさせていくと、何か凄そうなスキルが出てきた。
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[10000ポイント]
・スキル特殊進化先入手チケット
・直感 ・幸運 ……………etc
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この中で俺が気になったのは、これだ。
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スキル特殊進化先入手 ランクS
価値 不明
説明:実際には進化しないスキルに進化させる事が 出来る。
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「実際には進化しないスキルか……。これ絶対欲しいな。あれ?俺が持ってるSPってどれくらいなんだ?」
SPに変換してっと。
10200Pか。
これなら交換出来るな。
じゃあ交換っと。
«どのスキルを進化させますか?»
えーと、何にするかな。
一番今役に立ってないのは…、【罠作成】だな。
じゃあこれを進化させるか。
それで進化したのがコレ。
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【戦略】
効果:戦闘に関する情報を理解しやすくなる。
説明:戦闘に関する情報を理解、把握し、直ぐに対 応出来る様になる。
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「全く別物になったなー。ま、別に良いか。スキルが無くても罠ぐらい作れるからな」
残りのSPは残しておく。
ていうか、こんなに血が流れてたのによく他の魔物が来なかったなぁ。
今更だけど。
まぁ、流石にもう危ないだろうしさっさと洞窟に戻るか。
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洞窟に戻ってきた。
途中で何度か魔物に襲われたが、新装備の効果が実感出来た。
なにげにウルフやジャイアントスパイダーなんかの新しい魔物も出てきたが、攻撃はたいして効かず、槍の一撃で簡単に倒すことが出来た。
あ、その2匹の魔石はちゃんと回収して【無限収納】にしまっといたよ。
「だけどこれからどうするかなー。まだ4日目だけどもう結構強くなってるし。今じゃあ、ゴブリンキングもあっさり倒せるだろうしなぁ。うーん」
考えた結果。
「スキルの検証をしよう!」
いやー、まだ新しいスキル試して無かったんだよね。
さっきの戦闘でも使わなかったし。
「じゃあ最初は、【鬼風】だ」
俺は右手を前に出し、叫ぶ。
「【鬼風】!」
ラントは叫んだ!
何も起きなかった!
……………。
「何でだぁ!?」
もう一度スキルをもっと詳しく視てみる。
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スキル発動方法:魔力を集め、イメージする。
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「成る程、魔力を集めるのか。考えてみりゃ当然だな。魔法みたいなもんなんだし。じゃあもう一度!」
今度はちゃんと右手に魔力を集め、風の刃が飛んでいくのを思い浮かべる。
「【鬼風】!」
右手から何かが抜けるような感覚がして、紅い刃が前に飛んでいく、前に霧散した。
「はぁ!?何でだ!?ちゃんとイメージしたのに」
【鬼雷】や【鬼氷】も試してみるが、同じように霧散してしまう。
「何でなんだ?まあ後で特訓でもしておくか。とりあえず、次は【血槍術】だな」
俺は槍を構え、突き、払い等の一連の動作を試してみる。
結果、前よりも動きのキレやスピード、正確さが上がっているのがわかった。
後はもう1つのスキルの効果を試してみる。 さっきと同じように魔力を操り、槍に魔力を纏わせる。
すると、槍が淡く紅色に包まれる。
そして、穂先から紅い刃が伸びるようにイメージする。
するとゆっくりとだが、穂先からイメージした通りに紅い刃が出てくる。
「成功…みたいだな」
刃を伸ばしたまま槍を振り回してみるが、あまり違和感は感じない。
「流した状態を維持するのは慣れるしかないな。同時に身体に魔力を流したり、【鬼風】とかも使わなきゃならないしな。さて、お次は【探知】と【魔力精密操作】だな。これはもうやったな。【探知】は前よりも範囲が拡がって、より詳しく分かるようになってる。【魔力精密操作】の方も前とは比べ物にならない程に速度と正確さが上がっている」
【自動回復】も、もう分かってるな。さっき戦った時の傷がもう無くなってる。
「あれだな。要するに、特訓がんばろーって事だな」
その日は【魔力精密操作】で魔力を枯渇させて眠りに就いた。
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それから一週間が経った。
今では、槍に刃を維持したまま【鬼風】等を使って戦う事も出来ている。
レベルやスキルも何度か上がり、新しいスキルも得た。
あと称号も。
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ラント アカサキ 17歳 男
種族:ブラッドゴブリン(ユニーク)
職業:血槍術師・鬼術師
Lv28
体力量 4700+200
魔力量 10100+200
筋力 3450+200
耐久 940+200
敏捷 2770+200
魔力 2270+200
知力 37000
精神力 18500
固有スキル:【成長率上昇】【天眼】【武装同化】【無限収納】【鬼】
エクストラスキル:【幻術無効】【王の威厳】Lv1【鬼風】Lv3【鬼雷】Lv2【鬼氷】Lv2
スキル:【血槍術】Lv4【探知】Lv5【魔力精密操作】Lv3【自動回復】Lv9【身体強化】Lv2【魔力強化】Lv2【魔力回復速度上昇】Lv7
称号:【転生者】【女神の加護】【卑怯者】【同族殺し】【鬼殺し】【殺戮者】【王の資格を持つ者】【血染めの鬼】【戦闘狂】
SP:200
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最近では素振りや実戦が楽しく感じていた。
称号に【戦闘狂】が加わってるし、俺、戦闘狂になっちゃったんだなぁ。
まぁ、それよりも特訓、特訓!
……強い敵、来ないかなぁー。
この時、俺は知りもしなかった。
この近くにに脅威が存在していた事を………。
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職業:+鬼術師
Lv1→Lv28
スキル
【鬼風】Lv1→Lv3【鬼雷】Lv1→Lv2【鬼氷】Lv2【血槍術】Lv1→Lv4【探知】Lv1→Lv5【魔力精密操作】Lv1→Lv3【自動回復】Lv1→Lv9
新スキル
【身体強化】Lv2【魔力強化】Lv2【魔力回復速度上昇】Lv7
新称号
【戦闘狂】
SP:200
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