3話 ゴブリンの集落とその最期
………ん、あれ?何か外、明るくなってる?
「あー、思い出してきた。最後凄い眠くなってきて、そのまま寝ちゃったんだっけか。それよりもステータスだな。あれが魔力切れなら、ステータスが上がってる筈だし」
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ラント アカサキ 17歳 男
種族:ゴブリン(亜種) 職業:槍使い
Lv6
体力量 1200
魔力量 900
筋力 300
耐久 240
敏捷 270
魔力 180
知力 6000
精神力 3000
固有スキル:【成長率上昇】【天眼】【武装同化】【無限収納】
エクストラスキル:【幻術無効】
スキル:【槍術】Lv1【罠作成】Lv1【魔力感知】Lv1【魔力操作】Lv1
称号:【転生者】【女神の加護】【卑怯者】
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「何かすげぇ上がってる!」
何でこんなに上がってるんだ?
んー、まあ良いか。
別に悪いことじゃないし。
「じゃあ、飯でも食うか」
そうして朝食を食べた後は、あるものを探しに森の中に入っていく。
当然槍を装備して、だ。
何を探しに行くかだって?それは……水場だ! 忘れているかもしれないが、この身体はゴブリンだ。
そして、汚い。
現代っ子にはもう耐えられないんだよ!こんな汚いの!
と言うわけで、現在森で探索中。
「ん?何か水の流れる様な音が聴こえた様な。あっちか?」
その方向に暫く進むと、川辺に出た。
って言うか、凄いなこの身体。
人間の頃と比べると五感が大分鋭くなってる。 って、それよりも川だな。
俺はまだ自分の顔を見たことが無いから、そういう意味でも楽しみだ。
「さーて、俺の顔はどんなかなーっと」
のぞきこんだ水面には、正にゴブリンとでも言うようなブサイク顔が映っていた。
しわくちゃな緑色の肌に、大きな鼻。
何も生えていないハゲ頭に、額には小さい角が2本ついている。
しかし、何よりも特徴的なのはその右眼だろう。
左眼は濁ったような茶色だが、右眼は鮮やかな暗い紫色をしている。
「これが亜種って言うことなのか?明らかにゴブリンにこんなの不釣り合いだしな」
確認が終わったら、川に入る。
少し寒いが問題の無いレベルだ。
川に入ったら、手で肌を擦り汚れを落とす。
そしたらまあ、凄い量の汚れが出てきた。
そのお陰で予想よりも時間がかかった。
洗い終わったら、腰布で身体をふき、そのまま腰に巻き付ける。
その後は、何事もなく洞窟に戻ってきた。
「さて、今度は防具を作らなきゃな」
何故防具を作るのかと言うと、それは今後のためだ。
正々堂々なんてどうでも良いが、罠が効くのも最初の方だけだろうしな。
そうなったら、正面から戦わなくてはならない。
それなのに着てるのが腰布だけっていうのは、マジで死ぬからな。
「と言うわけで、使う素材はもちろん剣鹿の毛皮。一杯穴が空いてるけど、俺の体が小さいからあまり問題は無いだろう」
そうして防具を作り始める。
そして出来上がったのが、コレだ!
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鹿革の革鎧 ランクF
防御力 F 価値 30G
説明:素人が作った革鎧。素人にしては良く出来ている。
鹿革のズボン ランクF
防御力 F 価値 27G
説明:素人が作った革のズボン。素人にしては良く出来ている。
鹿革のグローブ ランクF
防御力 F 価値 24G
説明:素人が作った革のグローブ。素人にしては良く出来ている。
鹿革の靴 ランクF
防御力 F 価値 19G
説明:素人が作った革の靴。素人にしては良く出来ている。
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いやー、誉められちゃったよ。
アハハハハハ。
あ、そうそう。武器や防具にはランクと言うものがあるらしい。
上から、G、S、A、B、C、D、E、Fの順らしい。
つまり俺の作った防具は最低ランクと言うことだ。
まあ、当然だろう。
所詮、素人だしな。
あ、あとパンツは作れなかった。
だって、素材が革しか無いんだよ?作れるわけ無いじゃん。
「じゃあ、次は武器だな。素材は、えーっと…剣鹿の角と木の枝だな」
そして出来たのがこれ。
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鹿角の槍 ランクE
攻撃力 F 価値 53G
説明:剣鹿と言う魔物の角を穂先に使った槍。コツを掴んだのか、キチンと槍としての基準をクリアしている。
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よしっ!初めてのランクEだ。
これで少しは戦闘が楽になるだろう。
あ、あとこの武器や防具に【武装同化】は使えなかった。
何故だか知らんが、多分一定のランク以上じゃなきゃ使えないんだろう。
「うーん、やっぱ疲れるなぁこれ続けるの。ちょっと集中が途切れただけで、解けるし」
そうだ、いい忘れていたが俺は作業中ずっと魔力操作を使っていた。
これが結構大変で、維持するのがとても難しかった。
しかし、これを自然に出来るようになればかなり後が楽になるだろう。
そう俺の勘がつげているのだ!使用中は魔力が減り続けているが、増えたばっかりだからな。
それぐらいなら平気なのだ。
今はまだ無駄が多いが、慣れれば最低限の魔力で出来るようになるだろう。
まあ、作業が終わったので、魔力操作を解く。
「あれ、もう昼になるのか。今日で鹿肉も無くなるだろうし、食い終わったら狩りに行かないとな」
その後はさっさと昼食を食べ終えて、森へと出掛けた。
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俺は今、大きな獲物を探している。
理由?いちいち狩りに行くのが嫌だからだ。
今は他にやることが沢山有るからな。
それに、正面から戦う訓練もしたいしな。
と、言うわけで今現在俺は気配を気にしながら森の中を歩いている。
新しいスキルを取得したから楽になったはずなんだが。
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【気配察知】Lv1
効果:気配を察知出来るようになる。
説明:気配の察知精密度補正。察知範囲補正。
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これと【魔力感知】を同時に使うと何が何処に居るかが大体分かるのだ。
「あれ、今あっちの方に何かの気配が…。一応行ってみるか。気になるし」
そちらの方向に暫く進むと、何やら集落の様な物が見えてきた。
隠れて観察してみると、そこはある魔物の集落である事が分かる。
(ゴブリン……………)
そう、そこはゴブリンの集落だったのだ。
そこにいるゴブリンと自分を見比べてみる。
そこのゴブリンの肌は、俺が暗い抹茶のような緑色なのに対して、くすんだ緑色をしている。
額に角が無く、眼はやはり濁ったような茶色だった。
ラノベではゴブリンの肉は不味いというのが定番のため、背を向けて引き返そうとしたときに風向きが変わったのかゴブリンの話し声がきこえてきた。
「……ニンゲン…………バシャ…オソウ………オンナ……………サラウ………………オカス」
咄嗟に脚が止まった。
人間を襲う?女を犯す?少ない正義感に火がついたのだろうか。
俺は自然とゴブリンの集落へと向かって駆け出していた。
隠れてもいないのだ。
当然ゴブリン達も気がつく。
「テ、テキシュウぅぅぅ!ゴブリンガ、ドウゾクガ1ピキデセメテキ………」
「……………。」
ズパッ!味方に叫んでいるゴブリンが言い切る前に槍を突き出し、心臓を貫き殺す。
槍を引き抜き血を振り払う間に、小屋の様なものからゴブリンが100匹程出てきていた。
その手には大半が木の棍棒を持ち、奥の数匹だけ剣や斧、杖などを持っていた。
しかし、俺は無言で群れの中に突っ込んだ。
ゴブリン達が遅いかかってくるが、俺はそれを槍で凪ぎ払い、怯んだ瞬間に槍を素早く突き出し、一度に何匹も殺していた。
その後は暫く機械的に動き続けた。
途中から剣や魔法らしきものも混ざってきたが、優先的に狙い他と変わらず対処していった。 途中から戦場には押し殺した様な笑い声が響いていた。
いつの間にか、残っているのは俺と他よりも2回りは大きいゴブリンだけが立っていた。
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ゴブリンキング ♂
Lv37
体力量 4870
魔力量 579
筋力 1824
耐久 1498
敏捷 372
魔力 295
知力 173
精神力 76
エクストラスキル:【王の威厳】Lv2
スキル:【大剣術】Lv9【統率】Lv3【鼓舞】Lv1
称号:【ゴブリンの王】【暴君】
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圧倒的な強さだった。
しかし。
俺は笑っていた。
そんな俺にゴブリンキングが話し掛けてくる。
「オマエ、ナンデドウゾク、コロシタ?」
何故?正義感か?いや、違うな……。
「気に入らなかっただけだよ。お前らやお前らがやろうとしていた事がなぁ!!」
俺は叫ぶと同時に駆け出しながら槍を突き出すが、ゴブリンキングは手に持った大剣で防ぐ。
ゴブリンキングは俺を槍ごと弾くが、俺はその反動を利用して一回転して突き出す。
槍は隙だらけの身体へと吸い込まれていく。 が、ゴブリンキングも無理矢理腕を戻す。
しかし、完全には防ぎきれなかった様で、右腕は肩から先が切り飛ばされていた。
そこからは一方的だった。
休むことなく突き出される槍は、対応仕切れなくなったその腕や脚を切り飛ばしていった。
俺は死ぬ寸前のゴブリンキングに歩み寄り、言葉を告げると槍を突き出した。
「冥土の土産に教えてやるよ。お前が間違ったのはただ1つ、運悪く俺に見つかってしまった。それだけのことだ」
切り飛ばされたゴブリンキングの首は絶望の表情を浮かべていた。
俺はそれを見て笑みを浮かべると、気を失い地面に倒れこんだ。
«Lvが6から10にアップしました。LvがMAXになりました。進化可能になりました»
«スキル【槍術】がLv1から5にアップしました。LvがMAXになりました。進化可能になりました»
«スキル【気配察知】がLv1から5にアップしました。LvがMAXになりました»
«スキル【魔力感知】がLv1から5にアップしました。LvがMAXになりました»
«スキル【気配察知】、スキル【魔力感知】がLvMAXになったので統合します»
«スキル【探知】Lv1を取得しました»
«スキル【魔力操作】がLv1から10にアップしました。LvがMAXになりました。進化を実行します»
«スキル【魔力精密操作】Lv1を取得しました»
«エクストラスキル【王の威厳】Lv1を取得しました»
«称号【同族殺し】を獲得しました»
«称号【ゴブリンキラー】を獲得しました»
«キング格を倒したため称号【ゴブリンキラー】が【鬼殺し】に変化しました»
«称号【殲滅者】を獲得しました»
«称号【殺戮者】を獲得しました。【殲滅者】が上位称号【殺戮者】に統合されました»
«称号【王の資格を持つ者】を獲得しました»
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Lv6→LvMAX
【槍術】Lv1→LvMAX
新スキル
【気配察知】+【魔力感知】=【探知】Lv1
【魔力操作】Lv1→【魔力精密操作】Lv1
【王の威厳】Lv1
新称号
【同族殺し】【鬼殺し】【殺戮者】【王の資格を持つ者】
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