僕の嫌いな出会いの季節:2
だが、僕の目に映ったのは化け物でも何でも無くて、一人の少女だった。
僕の家の隣にある小さな公園に、一人でブランコに座っていた。
特に何かをするわけでもなく、ただボーッと何処かを眺めていた。
暗くなったその公園には、その少女以外誰一人いなかった。
その少女のことを不思議に思ったのか、僕は玄関の前でドアを開けずにその少女をずっと見ていた。
どれくらい見ていたのだろうか、気がつくと夜の「暗さ」が一段と濃くなっていた。
急に怖くなった僕は、急いで家に入ろうとドアを開けた瞬間だった。
まるで僕の行動に合わせるかのように、少女も動いた。
動いたというか、ただその小さい顔が上に向いただけなのだが。
今まで何もしなかった少女が、突然何かをし始めたのを見た僕は、夜の怖さよりも、少女のことを知りたい。という小さい子供故の好奇心が勝り、ドアを開ける手を止め、少女と同じように僕も上を見上げた。
「うわぁー、すっげー。」
暗い夜の空に、無数に浮かぶ星、星、星。
あのただ明るいだけの街灯とは違って、その星は光を灯しているだけじゃない様な気がした。
街灯の監視じゃなく、星が僕を見守ってくれている。そんな感じだ。
綺麗な星に見とれていた僕は、誰かが僕を見ている様な気がして、辺りを見渡した。