再生
詳しくは前の話をみよう!
・・・・・母さん・・・・・。
-早くにげて!!-
・・・何言ってんだよ、母さん・・・・。
-言うことを聞け!聞くんだ!!-
・・・父さんまで・・・
みんな・・・どうしちまったんだよ・・・。
俺は・・・何でここにいる?
どうして・・・こんなことになってる?
見渡す限り・・・焼け野原じゃないか・・・・
そうだ・・・全部・・・アイツのせいだ・・・。
アイツの・・・・アイツのせいで・・・・。
俺達家族は・・・・なくなった・・・。
何もかも・・・失ったんだよ・・・・。
・・・・・・・・・・・・・・
パチ・・と目が覚める。
額を拭う。
汗が付く。
またあの夢か・・・そう頭で考える。
時刻は午前7時、普通の起床である。
ただし、夢での起床なために、少し特異な起床でもあった。
ここはWPP日本本社の会員ホテルの一部屋だ。
パンドラーは危険物とみなす声が、国民から上がり、俺達パンドラーをこのWPPの教養施設という名の監獄・・・いや、実験施設へと収容した。
「おはようございます。桐生辰也様」
無機質というか、なんというか、心のこもっていない声が部屋に響く。
当然だ、相手はロボットなのだから。
「朝食をとられますか?それともトイレへ行かれますか?」
「うるさい…とっとと消えろ」
あまりにもどうでもいい質問に苛立ちを覚え、ロボットに罵声を浴びせる。
「失礼しました」
しかし、AI(人工知能)で出来たロボット達は、その言葉になにも思わない。
ただ、同じ質問、同じ回答、同じ行動、同じ動作、幾度となく同じプラグラミングされた文章を読み上げ、動き、そして戻る。ただ毎日毎日同じことの繰り返し。そんなの、つまらないだろう。
だが、俺達パンドラーも、同じロボットのようなものかもしれない。毎日毎日検査を受け、能力のコントロールの指導を受け、教育を受け、そして大人になり、また繰り返す。俺たちもロボットと同じか。
「腹・・へったな」
コンコン・・と部屋をノックする音が聞こえる。拍が一定じゃないから、たぶん人間だろう。
「誰ですか?」
「オッス~!辰ちゃーん!」
「なんだ有希か」
有希・・・こいつは小さい頃からの幼馴染。能力者ではない、ただ俺の保証人(家族としての)としてここに一緒に来ているだけ。いつもおせっかいでうるさいし、居てもウザいだけ。
でも心の拠りどころにはなってくれる。
「朝ごはんたべよーよー」
「わかったわかった、行くから」
ガチャ・・扉をあけると。ニンマリ笑顔の有希がたっているが、スルー
「辰ちゃん毎回おもうけど、そのしらーっとした目でみるのやめてよー傷つくー」
「お前が傷ついても、俺は傷つかん」
「そんなのひどいよー」
「何とでも言え」
何かにぶつかった。しかし壁のような固さではなかった。恐らく人。
「いてて…どなたです・・か?」
そこには恐らく2mはあるであろう巨体の男がたっていた。
「フム…ちゃんと前をみて歩け桐生」
「すいません…」
2mの男は何事もなかったように歩き始める。俺たちも歩く。
「ねぇさっきの人って誰?」
「アイツはただの体育教師。あまりかかわらない方がいいぜ。」
2mの体育教師、橘智紀。 年齢にして45。特に無し。
気がつけば、ここに住まう者たちが集まるロビーについた。
「ハァ~」
ため息をつくそしてつぶやく。
「今日もめんどくせぇ一日の始まりだ」
「会長、例の部隊が到着されたとのご報告です。」
「そうか・・・やっときたか」
「至急お出迎えしろ」
「ハッ」
タタタタ・・・・
「おもしろくなってきたねぇ」
次回、新キャラ続々登場!