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#1 デーモンデリーター

この作品は作者の小説「A.S」に言葉のみでてきたデーモンデリーターと呼ばれる人々の物語です。A.Sを読まれて疑問におもった方も多いはず。

仮想世界に閉じ込められたアスガ達とは逆に、現実世界はどうなっているのかを書いていきます。外伝なので、A.Sに比べると更新はかなり遅いです。*A.Sを読まなくても多分わかります。

――――――A.S本編開始から5年前


「ねぇ、お父さん・・・ねぇ・・・・」


「うがあああああああ!!」


突如として暴走し、叫び出す自分の父親。


「あ、悪魔化だ!!逃げろ」


「餌食になりたくない」


周りから飛んでくる言葉。悪魔化・・・・

希庄亜美(きしょうあみ)は現在12歳。明日から中学生。

そしてこの日は父親と共に買い物へ出かけていた。

彼女はこんなことになるとは思っていなかっただろう。


「どけ・・・この人はもう無駄だ。悪魔化してしまった」


顔にはまだ幼さが残るが切れ長の目とその年齢にしてはそこそこ大きいだろうと思われる身長。


そして身体から浮き出る謎の模様と黒い翼。


「え?どういうこと?」


今日は4月6日。


新中学一年生にとっては次の日から中学という今までとは別の新たな世界へ飛び出すような希望と不安を抱えているだろう。そして彼女も・・・


「ぐわあああああ!!」


突如として人間ではない別の化け物へと変貌した希庄亜美の父親。もう人間の心を捨て悪魔となり果てた彼は自分の娘の区別すらできず、ただ、捕食というどの生き物にもある生理的欲求を求め襲う。


両手の爪は数十センチまで伸び、手の平は普通の人間の3倍はあろうかという大きさ。そんなものに襲われたらタダでは済まない。


「きゃああああああ!!」


「消え去れ!!」


突如として右手が本家悪魔を超えた状態になり悪魔化した父親を薙ぎ払う少年。

警察や軍隊でも手を焼くほどの悪魔をこうもいとも簡単に倒す少年はいったい何者なのだろう。


彼女は興味をそそられた。


「あ、あなたは・・・・」


「ん?デーモンデリーターだ。人間の突然変異・・・悪魔を滅ぼす人種だ。君の父親を殺したのは俺だ。怨んでくれて構わない。でも、これが俺達の仕事だ。」


「これが仕事・・・」


「ああ。そうだ・・・・じゃあな」


デーモンデリーター・・・・噂だけなら聞いた事がある。

体中にある程度のMETを浴びせかけ身体強化された人たち。


仕事はMETにより身体強化された彼らだけが使えるMETを応用した武器、通称”Mウェポン”を使い悪魔化した人たちを滅する事。


「悪魔化も怖いけどね・・・デーモンデリーターも・・・悪魔だって元は人よ?それを殺すって・・・」


「ああ。やってることは人殺しだ」


「デーモンデリーター制度を取り入れてから殺人事件が半分以下になったて話があるぜ。人を殺したい人がなっているから減ってるんじゃないか?」


「こわいこわい。犯罪者と変わらないわ」


そう。デーモンデリーターはこの世界で嫌われ者。人殺し。殺人犯。犯罪者。


言われ方は多種多様だがいい物は特にない。大切な人が悪魔化して、そしてデーモンデリーターに殺された。デーモンデリーターを恨んで、そしてデーモンデリーターを殺して犯罪に染める人も少なくない。


それでも、デーモンデリーターは人助けを続ける。嫌われた守護者。


「あれがデーモンデリーター・・・」


「こちら国家悪魔処理班です。これをやったのはあなたですか?」


国家悪魔処理班・・・日本政府直属の悪魔を処理する人々。


「え、ち、違います・・・・あの人で・・・あれ?」


「・・・ふむ?じゃあ君は?」


「悪魔化したのは父です・・・・・」


でも、自分には涙が出なかった。別に父親が死んでうれしかったなんてことではない。そんなことよりも、今起こった光景に目を奪われた。私の胸を数百万ボルトの稲妻が貫いたような感じ。


「あ、あれが・・・・デーモンデリーター」






―――――デーモンデリーター

それは手に負えない悪魔化した人々を滅する人々。略してDDと言われる。

悪魔化する理由の一つとしてあげられるのはこの世界を覆うエネルギー粒子METの突然変異した変性METが体内に蓄積され、急激に解放された際に起こる遺伝子細胞の変化。


悪魔化した人には銃は勿論。下手したら対戦車ミサイルすら効かない。


数千年前の悪魔・・・現在で言うと悪魔ではなくモンスターなのだが、それの処理はMETで魔法を使える人々が倒していた。


だが、今のMETの使い道は魔法ではない。


いま、暗闇を照らす街灯はすべてMETによるものだ。今ここを走る自動車も、誰もが持っている携帯電話も、日常生活で使われるほとんどの物がMETにより作動している。


だが、その際に使用されたMETはごくわずかな可能性で元のMETの形成を失い変性METへと変化する。そのMETこそ人々が突然悪魔化する原因と言われている。


しかし、変性METが生まれる原因は解っていない。




でも魔法が使えなくてもMETには悪魔を倒すためにまだ使い道がある。悪魔で来るならこちらも悪魔並みの人間を用意すればいい。


人間が大量に普通のMETを体中に浴びせれば悪魔ではなく遺伝子細胞が変化し、モンスターになる。だが、今時それほどの大量のMETを身体に浴びることはない。


そしてモンスター化するよりも少ない量のMETを身体に浴びせれば遺伝子細胞が変化。身体が常人よりも強化され、その身体は一般人のMET吸収限界量の数千倍のMETを体内に吸収してもモンスター化する事はなく変性METに対して免疫がつく。




デーモンデリーターは主に体内に蓄積されたMETをエネルギーに変えるMET兵器を使い悪魔を滅する。MET兵器を使えるのはMETを身体に浴びることによりある程度自動的にMETを吸収できる身体になったデーモンデリーターだけである。




そして彼らはMET兵器を装備し今日も悪魔を滅するため日々、人々を見守っている。



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