第2章part1
第二章は長い!とにかく長い!
こんなんでもお付き合いいただけると嬉しいです。
話が進むの早いですが、あしからず!
あしからずって何?
突然ですが前回のおさらい
妖しい店で出会った妖しいおにいさん。これって危なくない!?
いいのかほいほいついてきて…?
まぁとにかく生い立ちが知りたいからついていっちゃえ、な感じです。
~第二章~エイダ
「今度はちゃんと迷わず帰れると思います。直感で進むのですよ。あっ、私は名前を貴女に言っていませんでした、失礼しました。私はアルバです」
「私は司です」
「司…いい名ですね」
彼は常に笑顔だったが、朗らかそうな表情の下に、悲しみや憎しみを隠しているように見える、と司は思った。でも「来てくださいますか。嬉しいです」という言葉を言った時の彼の表情は晴れ晴れとしていて、本心から喜んでいることがよく分かった。
だから司は、彼は変人ではあるけど悪人ではないという判断をした。
とにかくアルバに言われたように直感で歩いていくと、人通りの多い場所に出た。そして辺りを見回すと見覚えのある顔が…。
「司!探したんだよ!心配したんだから、馬鹿!」
美帆も麻里も二人揃って叫んだ。彼女達の顔は今にも泣きそうになっていた。
「ごめんね、2人とも。心配かけて…」
司は本当に申し訳なく思った。
「大丈夫だったの?」
自分達は田舎で育った。この大都会東京は、華やかな分、恐ろしい場所でもあることを十分覚悟してここに来ているのだ。
「うん、大丈夫だったの。道に迷った時親切にしてくれた人がいたから」
美帆と麻里は眉をひそめた。司のことだから簡単に人を信じたのだろう、とか、何らかの見返りを求めて親切にしただけじゃないか、と思ったのだ。
疑いの目を向けてくる友人たちにどう説明したらいいか、司は真剣に考えた。自分でも信じられないような話を、さすがに親友に対してでも言うつもりになれなかった。だから司なりに頑張って嘘をついた。
「助けてくれた人ね、私の親戚らしくて、目が私と同じ色だったの。だから皆には先に帰っててほしいんだ。その人と話がしたいから」
親友の二人でも司の瞳の色には気を遣ってしまう。それに司は嘘のつけない馬鹿正直だと思われているので、2人は納得した様子で頷いた。
「なんだ、そういうことだったの。分かった。じゃあ気をつけて帰ってきてね。絶対だよ、約束!」
バスの時間が来て、2人に別れを済ました後、司は祖父母に電話をした。2人ともかなり心配していたが、司がこれまで強く主張したことがなかったので、根負けして気をつけるようにと一言言って電話を切った。司は2人をおじいちゃん、おばあちゃんと呼びながらも本当は血が繋がっていないのではないかと今まで何度も思ってきた。もしかしたら2人が司を強く止めなかったのは、司の親類が見つかるかも、という思いがあったからなのかもしれない。
とにかく、予定外の旅行の延長になったので、泊る所に困った司はネットカフェにいることにした。
朝になって、司はまた感覚で歩き始めた。昨日迷った時と同じように呼ばれている感覚があった。どんどん無我夢中で道を進むと、あの暗い路地に入っていくことができた。
あと少し…。かなり歩いた気がするが、とにかくやっとはざま雑貨店に辿り着いた。
昨日と違い、アルバは外で待っていてくれた。
「早いですね。とは言ってもここでは時間なんて流れないのですがね」
アルバの不思議な発言に首を傾げながら、司は店に入った。埃を被ったソファーに座ってアルバの言葉を待った。
「単刀直入に申し上げます。濁世には沢山の違った世界、異世界があって、ここはそのはざまなんです。ここでは時間が流れない。あ、本題からずれました。で、貴女の故郷はその異世界なんです」
「…異世界ですか?」
信じがたい話だ。でもアルバは普通の顔で(いつも通りの笑顔で)頷いた。
「失礼ながら、私は流れない時の中で水晶を使って貴女の様子を少しばかり見ていたのです。ここに水晶の力を使って貴女を呼び出したのは私。呼ばれていたような気がしたでしょう?」
だから無意識のうちにここに来ていたのだ。
「そういうことだったんですね。私迷ったんだと思ってました」
アルバはすまなそうな顔をして、そして早口に話を続けた。
「貴女は、その異世界にある二つの大国のうちの一つ、アルメリア大帝国の王女としてお生まれになったのです」
司はあまりに唐突すぎて訳が分からなくなってしまった。昨日から異世界とかそういう話は聞いていて、夜にある程度の覚悟はしていたのだが、まさか王女だなんてさすがに予想していなかったのだ。
そして、異世界で生まれたということは…。
「そんな…?じゃあ私を育ててくれた人は…」
今まで何度もそうではないかと思ってきたことだし、覚悟はなんとなくしていたが、やはり悲しいし、寂しい。
「残念なことですが…血は繋がっていないのです」
「そうなんですか…」
どうせいつか知らなければいけなくなる筈だったのだから、司はこれ以上落ち込まないようにしようと努めた。
『真実を知っていきたい。たとえそれが辛く悲しい真実だとしても…』
真実はいいことばかりとは限らない。でも、真実を知らないのはもっと良くない。
「ここで一つ提案があるのですが、異世界に行ってみませんか?貴女にやっていただきたいことがあるのです」
アルバは瞳を輝かせて言った。
「やってほしいことって何ですか?」
司がそう訊くと、アルバは少し困った顔をした。
「私はあまり詳しくないのではっきりとは言えませんが、貴女にやっていただくのは国の運命を左右することなのです」
「はぁ…?それって私である必要ないんじゃないですか?私がどれだけドジか知ってますか?」
アルバはドジという言葉にぷっと吹き出したが、きちんと司の質問に答えた。
「すみません…つい…。…貴女でなければ出来ないことなのです」
笑われた後では説得力がない。なので、司は次の質問の答えで行くか行かないか決めようと思った。
「私が行かなければどうなるんですか?」
アルバは一瞬口元を下げて、切れ長の目を司にしっかり向けて言った。
「国が滅びます」
短い言葉だったが内容は重いものだった。
「本当ですか?」
アルバは無言で頷いた。
そしてたたみかけるように熱心に喋った。
「異世界に行っても貴女のいた世界の時間は流れません。特別な時計で貴女のいた世界と貴女の今の状態を、このまま記憶しておくことができます。ここに戻ってきたとき、異世界での貴女の記憶も消えません。ちょっと難しいですねぇ…。えーっと今風に言うとせーぶって言うのですかね」
アルバは一通り言い終わると司の瞳を真っ直ぐ見た。アルバの瞳は不思議な光を宿して煌めいている。
「どうでしょうか?国を救ってみませんか?」
その言葉で司は決心した。
「行きましょう!ここまで知ったら後戻りできません」
アルバは、白い歯を見せて笑うと(普段は歯を見せて笑わない)威勢よく言った。
「では、初回限定ご招待!アルメリア大帝国の姫君を、我、帝国一の騎士アルバがいざ御供つかまつらん!」
次の瞬間!足元が青白く光り、急に床がなくなった。
「きゃあ!」
落ちていく2人。すると水のようなものに勢いよく飛び込んだ。
その中は不思議と息苦しくないし、服も髪も濡れない。なにより、とても綺麗だった。
「私の傍を離れてはいけませんよ。ずっとここを彷徨うことになります」
光の渦の中で2人ははぐれそうになった。急いで司はアルバの着物の袖を掴んだ。
周りは色とりどりの光であふれていて綺麗なのだが、ピンと張り詰める緊張感があった。
司が周りを見回していると、周囲の空間が振動し始めた!
「後ろ!あれは何!?」
司が気付いて見つめた先には白銀に光るなにかがあった。
「あれは竜ですね…。竜は簡単に時空を超えてしまう…」
意外とアルバは驚いていなかった。見慣れているのだろうか。しかし司は感動していた。
「綺麗…」
白銀の竜の、長い尾の先まである鱗一つ一つが煌めいている。大きな翼で空間の中を雄大に舞っていた。
感動している司を横目にアルバは呟いた。司には聞こえなかったが。
『貴女の竜が待っている』
白銀の鱗の竜は黄金の瞳を司に向け、一つ咆哮をあげて去って行った…。
アルバさんかっこつけすぎ…。初期の頃のアルバさんは駄目ですね。
アルバさんは変態…じゃないですよ!大丈夫…。
いつか番外編も載せたいなーなんて思います。それなら心行くまで変態ですから。それって私も変態ってこと?いいえ私は破廉恥です。
そんなことはどうでもいいからなんとなく次回予告
やっと着いたぜ異世界に!変人と心行くまで異世界旅行の巻~。
そういえば異世界行こうって言ってどこでも●ア出されても困りますね。御供つかまつらんなんて言われたら殴りますね。
アルバさんの言ってることがだんだん意味分かんなくなってしまいました。多分色々間違っていると思います。すいません!