表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

誰かの遺書

嘘つきの遺書

作者: なめこ

懺悔します。


私は嘘をついてきました。

私が吐いた言葉の半分以上が嘘だったように思います。きっと本音より嘘の方が多かった。

この世界だって嘘で塗り固められているんだもの。かまわないでしょう?

いいえ、これも嘘です。

もう自分の本心が分からないのです。もしかしたら生まれた瞬間から嘘つきだったのかもしれません。母の腹の中でも嘘をついてついてつきまくったから鼻が伸びて伸びすぎて折れてしまったのです。

だから私の鼻は醜く低い。

果たして私は私に正直に行動したことがあったでしょうか。そもそも私の本心や意思なんてあったのでしょうか。

あるならどこに?見せておくれよさあ早く


これを遺書のつもりで書いています。疲れてしまった。

死ぬるということは真の行為。

どれだけ自分に嘘をついていても、勇気を振り絞って1歩踏み出してしまえば風に任せるだけ。思考は停止されます。あとは血溜まりが出来て死体が残って死んだという事実が生まれる。嘘の付きようがありません。

人は死ぬということを酷く恐れ嫌うけども実はこの行為こそが最も正直で美しいことなのではないかと思うのです。

私も正直になってみたい。

だからお許しください。

もし私の願いを聞いてくれるのなら、人生最初で最期の私の真を万歳三唱して喜んで欲しいのです。


それでは、さようなら。


~追記~


私には愛する人がおりました。

その人への愛だけは嘘でなかったと思いたい。

どうかこれだけは、仮に嘘だったとしても永遠にしたいのです。つき続けた嘘は本当の真より強固になると信じて。

だから私は愛する人への愛を永遠にするためにも死にます。

ですが、あなたがこれを読んでいたとしても気に病むことはありません。私は幸福なのです。













ああ、ごめんなさい

全て嘘です。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ