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エイリアンズゲーミング  作者: 春木千明
フリークダンス杯編

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第71話【VSペロリスト21 ラストスパート】

 振り上げられた巨大な槌が叩きつけられ、直線状のプレイヤーにスタン状態が付与される。


「くっそ……こっち見なさいよ!」

「あーっはっはっはー! かゆいかゆい! このまま殺しちゃうもんねー!」

 メイはスタンされた味方に攻撃が向かないように、至近距離まで迫ってショットガンをバラまくが、もちなの視線の先は地面で寝そべるリッカーとネコプライドしか映っていなかった。


 狭まったエリアでパラディンのウルトを避けるのは困難だ。そこからスキルの『遠当て』と『突撃』を当てて、削り取れないHPは通常攻撃で取り切る。何なら味方に任せたって良い。

 負けるはずのないファイトが始まる。その程度のことはエイリアンズだって理解しているのだ。


【――――Don't stop beat!!】

 

 パラディンのウルトの衝撃波は、直線五メートルの長方形。地面から吹き出す衝撃波にキャラの当たり判定(ヒットボックス)が触れることで攻撃が成立する。

 つまり、それよりも高い位置にいればこの攻撃には当たらない。


 壁に張り付くのをやめたフロッガーが、拡声器型の銃を地面に叩きつけるとアルティメットスキル発声と共に緑の波動が伝播した。

 ウルトによる一時的なHP付与がされると、パラディンの必殺コンボを受けていたリッカーとネコプライドのキルが阻止された。


「マジコイツウザすぎる!」

 六秒間のHP付与は時間の経過と共に減少を始める。ネコプライドは即時に自身とリッカーへヒールグレネードを叩きつけて、ヒールの完了を急いだ。このチャンスを逃すまいと、ペロリスト達が前進してくることが分かっていたからだ。

 

「押せ押せ! 殺せ!」

 このチャンスを取り切りたいと全員が思っていた。

 フロッガーのウルトが消滅するまで残りおよそ二秒。徐々に減っていくHPの追加ゲージを見ながら攻撃の手を緩めてはいけないと、デジ男はゴーストステップを使ってネコプライドの元まで詰めてくるが、リスポーンを完了させたニンジャが参戦してきた。


「クッソ……!」

 相手のHPを削るよりも早く、自身のHPが削られていることに気付き、ゴーストステップのスキルチャージが完了するまで自身を回復させるためのアノマリーボールを発動させた。

 そしてクールタイムを終えると自陣に返って、一度体制を立て直そうとする。


「ソーマ! 一瞬ヒール欲しい!」

「もうちょいこっち! そこだと届かない!」


 ソーマからのヒールを受けるために後方を振り返ったその時、背中に這いよるものが視界に映った。

 どろりとした黒い影が、地面から湧き出て形を作り上げる。エイリアンズのもう一人のDPSのブギーマンだった。


【踊れ、踊れ、踊れ――――】

 ブギーマンのアルティメットスキル『デッドマンズダンス』の発声だ。両手に持つショットガンを水平に広げ、その場で回転をしながら周辺の敵に攻撃をバラまき始めた。ゆっくりと、まるで社交ダンスのステップのように優雅に移動するそれは、通常キャラの歩く速度でも十分に回避できる程度のものだ。


 だが、ブギーマンは一人ではなかった。

 その隣にはフロッガーがいた。


移動速度上昇(スピブ)入れるよ! そのまま前! 全員! 全員取り切るぞ!」

「オーケイオーケイ! わかってるわ!」


 フロッガーのスキル『エンジェルビート』が移動速度上昇効果に切り替わる。それを表すように、ブギーマンの足に緑のエフェクト光が乗算され、高速で迫りくる死の舞踏が始まった。


 鼻歌交じりに撃ち放たれるショットガンは、雨のように身体に浴びせられる。くるくると回る三六〇度全方位攻撃に死角はなく、その舞踏を目にした者は逃げることを許されない。

 移動スキルを持たないバジュラと、移動スキルを消費し終えたパルカは成すすべもなくHPを刈り取られた。


「サポ二枚やった!」

「ナイス!」

 相手のサポートを狩り終えると、アカリから回復と移動速度上昇を交互に受けながら、今度は敵のタンクへの攻撃を始めようとした。


 現在の状況はエイリアンズのチームメンバーは全員生存しており、ペロリストはサポートが二枚落ちている。ペロリストのタンクあるもちなは前線でタンクのリッカーとサポートのネコプライドを相手にしていた。


 残り時間は三〇秒。護送車と第二チェックポイントまでの距離はあと一〇メートルほど。

 一度死んで、リスポーンされるのに一二秒。そこから全力で駆け付けて前線に戻って、勝負に参加できるかどうかは怪しい所だ。だから多少のリスクはしょうがないと、バジリコも割り切ることにした。


 メイとアカリは前線に戻りつつ、バジリコを探した。ヘッドショットによるキルで、今の優位を崩されないようにするためだ。最後の確認位置はタンクよりも後ろで、後衛のサポート達よりは前にいた。そろそろ見つけられるだろうと予想していたところ、その姿をいち早く見つけたのはウォーカーだった。


 ホワイトウィングは壁にグラップルを刺し終えると、既に空中へと身を投げてスコープを覗き込む。

 白い死神は自身の足元を走っていくブギーマンの頭部を真上から捉えると、慣性の消滅と共に引き金に指をかけた。

 弾丸は直下しブギーマンのHPはゼロに変わった。自身の頭上と背後を取られていたことに気が付いたアカリは回避行動として近場の壁を使って、変則的な動きで生存できる確率を上げようとした。だからバジリコは焦らず、その瞬間を狙った。最も近い壁に触ろうとするその瞬間を撃ち抜いた。

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