第56話【VSペロリスト6 その一瞬を掴み取るために】
「っしゃあ! 行くぞぉおおオラぁああああ!!!」
バジリコのコールと共にペロリストは勝負を仕掛ける。先陣を切って出たのはもちなだった。
パラディンのスキル『突撃』を使って、マーケットの出口を無理矢理突破を試みた。
パラディンの進行方向、そこにはアカリのフロッガーがいた。避けようと行動を取ろうとしたが、回避しきれずにそのまま引きずられてしまう。
「コイツっ……真ん中に突っ込んで来たァ!」
「ファイトファイトファイト! 逃げない逃げない! ここで戦え!」
アカリのコールでエイリアンズは応戦を選択。
陣形としては第一チェックポイントの後方、第二チェックポイントに入るための門までパラディンが到達しアカリとネコプライドに攻撃を仕掛け始めた。
続くアツシのボマーとソーマのバジュラが流れ込んでくる。こちらはタンクにフォーカスを合わせてきた。直撃時の単発火力が高いボマーの攻撃に、バジュラのスキル『カースボール』が被ダメージ量アップのデバフ付与をつけられたリッカーのHPがゴリゴリと削られていく。
リッカーはアームズの『シールド』とスキル『オーバーアームズ』で被ダメージを抑えようと動くが、それも時間の問題だった。
「タンクタンクタンク! しばき倒せ!」
「撃ってる撃ってるめっちゃ撃ってるいけるいける勝てる勝てる!」
「はーい残念でした~! ヒーラーの皆さんはここで通行止めどぇーす! オラオラオラオラ! ハンマーの錆にしてくれらぁあ!」
『バジリコのワンピックが決まり集団戦が始まった。リッカーが一対三をしつつもちながバックラインを攻め立てる!』
『なにこの状況! リッカーに対しての人数の裂き方尋常じゃない!』
『さすがのリッカーもここまでのようです』
ウォーカーが火力支援として『炸裂魔法』を撃ちこむも、残りHPのことなんて気にする素振りも見せずにペロリストは攻撃を続ける。
戦略もへったくれもあったものではない。キーボードからWキー以外を取っ払ているのではないかというくらいの無計画な乱戦がエイリアンズのチームプレイを妨げる。
何よりも一番の問題は敵狙撃手の強さだ。
ADS時にエネルギーチャージが始まり、最大チャージ状態のヘッドショットで三〇〇ダメージを叩き出す。DPSとサポートのHPの多くが二五〇であり、最大でも三〇〇。
つまり、タンク以外は一撃で必ずキルされてしまう。
そして、それを実現できてしまうだけの力がバジリコにはあった。
『エイリアンズは全滅。第一チェックポイント攻略完了です。いやぁグラップリングショットが決まってからの攻撃は凄まじいですね』
『あそこでメイがピック取られたのが痛かったですね。本来、パラディンは地面を歩くだけのいわゆるベタ足のキャラで、ポーク系のキャラに対して弱いんですよ。シールドもアームズみたいに遠くに設置できるタイプじゃなくて、手に固定して放出するタイプですから。エイリアンズは中距離単発火力が高くて盾割り性能の高いガンマンとトリガーを採用していたんですけど、盾を割り切る前に強行突破されちゃった感じですね』
最初の段階でマーケット内に固まっている本隊を『炸裂魔法』で足止めしながら全体のHPを削るまでの流れはセオリー通りだった。問題はリッカーを襲ってくるペロリストに対して、守る力が減ってしまっていたことだ。
『あれ、すっごい博打みたいなプレーですよ。サポートを一人で分断してボディブロックでヒールを届かないようにしていましたね』
『まぁ? リッカーなら複数人でかかってこられても普通なら返せると思うんですけどね? 今回はデジ男の使うパルカの『アノマリーボール』と攻撃が厳しかったなぁ』
『パルカは実弾やエネルギー系の攻撃ではなく「吸収系」の攻撃ですから、「シールド」や「オーバーアームズ」のスキルに関係なくダメージを取っていけます』
『範囲内の近い敵に勝手に攻撃がヒットするんで、エイムが必要ないですが、半面ダメージがしょぼいです。ですが、アマチュアが元世界三位を倒すのには適した戦術なのかもしれません』




